【Gladiator028】初の国際戦=キム・ウィジョン戦へ、木村柊也「やることは変わらない。しっかり倒す」
【写真】MMAはルーキーでも、格闘家としての着眼点はやはり全日本王者クラス (C)TAKUMI NAKAMURA
6日(日)に大阪府豊中市の176BOXで行われるGLADIATOR028にて、木村柊也がキム・ウィジョンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
日本拳法での輝かしい実績をひっさげ、MMAの世界に飛び込んだ木村。ここまでプロ3戦3勝、3試合の平均タイムが61秒、2分以上試合をしたことがないという圧倒的な強さを見せつけてきた。
そんな木村に用意された相手は韓国のAngel’s FC暫定ライト級と中国のICKF(International Kung Fu Federation)フェザー級の2本ベルトを保持し、柔道では韓国の準国家代表チームのメンバーだったウィジョンだ。
木村にとっては過去最強の相手であり、組み・テイクダウンを武器とする相手への対応が試される試合でもある。今の木村がどの位置にいるかが分かる一戦を前に、木村は「ワクワクしていて楽しみ」と語った。
――GLADIATOR028にてキム・ウィジョンと対戦が決まりました。最初にこのオファーを受けた時はどんな心境でしたか。
「初めての国際戦ということで、いつも試合の話が来た時は緊張から入るんですけど、今回はワクワクが勝った感じですね」
――いつも堂々と戦っている木村選手なので、試合が決まって緊張するというのが意外でした。
「試合が決まった瞬間は緊張が大きくて、試合に向けて練習していく中で、それが楽しみに変わっていく感じなんです。でも今回は試合が決まった瞬間から、ワクワクしていて楽しみですね」
――木村選手はここまで3戦3勝、まだ2分以上試合をしていないという圧倒的な強さを見せてきました。ずばりもっと上のレベルの選手と戦いたいと思っていましたか。
「そうですね。それはもう2戦目ぐらいからずっと思っていて、自分がどこまでできるのかをずっと試したいと思っていました」
――試合時間は短いですが、プロのMMAで戦った感想はいかがでしたか。
「意外とやりやすいというか、日本拳法のバックボーンをいい感じにMMAに繋げられているのかなと思います」
――木村選手には日本拳法出身で輝かしい実績を残してMMAに転向しました。木村選手のように強烈なバックボーンを持った選手はそれを活かす選手もいれば、その動きが抜けない選手がいると思います。
「自分は日本拳法の良いところだけを残して、悪いところはどんどん切っている状況です」
――MMAにおける日本拳法の良い部分と悪い部分、具体的にどういったところですか。
「日本拳法は倒し合いではなくて本数勝負なので、一本決めればそこで終わりという感じなんです。でもMMAは攻撃を当てても満足しちゃいけないし、むしろ一発当てたら追撃して倒し切ることが大事じゃないですか。その癖は修正しないといけないところでしたね」
――なるほど。日本拳法には攻撃を効かせる・倒すという概念がないんですね。
「そうなんですよ。当てたら勝ちみたいなところがあるから、攻撃がちゃんと当たったら追撃するんじゃなくて、一回距離を取ってリセットしちゃうんです。MMAを始めた頃は(パンチが)効いたのは分かるんですけど、その瞬間に下がっちゃうというか。今まで一発当てる・一本決めるためにやってきたんで、体がそうなっちゃっていましたね。MMAは一発当ててから攻撃をまとめる作業をすることが大事なので、ずっとそこを意識して練習しています」
――逆にMMAに活かせた良い部分はどこでしょうか。
「日本拳法時代は自分から組んで投げる選手ではなくて、周りの選手より身体が小さかったので、自分に対して組んで倒してくる選手が多かったんですね。だから組みをディフェンスするという部分は日本拳法時代からやってきたことなので、組まれても倒されないとか体感の強さというのは今も生かされているのかなと思います」
――倒されない・投げられずに自分の打撃を当てるという意味では、日本拳法時代と変わらないのですね。
「そうですね。ずっと動いて踏み込んでパンチを当てる。組まれても倒されない。それを繰り返すという意味では同じことをやっているイメージです」
――そして今回、ウィジョンと対戦するうえでどこに一番ワクワクしていますか。
「やっぱり初の外国人選手、かつチャンピオンというところですよね。そこに対してすごくワクワクがあります」
――今回はウィジョンの組みにどう対応するかがポイントの試合になると思います。
「バックボーンが柔道というのも分かっているし、過去の試合を見ても組みが中心で、相手選手を漬けて…という感じで来るのは分かっているので。そこをどう攻略するかは自分でも、ほぼほぼ完成しています。あとはケージの中で自分がどういう動きで倒すのかなというのを考えているだけですね。今は」
――逆にウィジョン相手だからこそ、見せられるものもあると思いますか。
「そうですね。普段からBRAVEで練習していて、組みの強い選手がたくさんいるし、相手が組んできたとしても、そこは対応できるなという自信があります。だから今回は色んなこと、打撃や組みを見せつつ、相手に何もさせずに倒せたらいいなと思っています。いい意味でバックボーン関係なく、MMAをやって勝ちたいと思います」
――BRAVEのプロ練習を取材させていただいて、宮田和幸代表が最近のMMAの傾向を踏まえて、常に殴ることを意識させて指導しているなと感じました。その意識を持つことで発見したものはありますか。
「ありますね。やっぱり組みの選手が多いので、基本的には自分の感覚では自分から踏み込んで打撃を当てに行く感じなんですけど、逆に相手が組みに来た瞬間に殴る・当てるというところが勉強になったりしますね。打撃に対するカウンターじゃなくて、組みに対するカウンターの打撃みたいな」
――そこが分かってくると戦いの幅も広がりましたか。
「組みに対する苦手意識が減ってくるし、近い距離でも戦えるよという気持ちになってきます」
――今回が初の国際戦で、しかも対戦相手がタイトルを持っているということで、この試合に勝てばさらに次のチャンスに繋がると思います。この試合の先にはどんなキャリアを積んでいきたいと思っていますか。
「今回しっかり倒して勝って、勝てば次はもっと強い選手が来ると思うし、自分の名前も上がってくると思うんで、 色んなことを身につけて、MMA選手として強い木村柊也を見せていきたいです」
――MMAにおける自分の評価を上げたいですか。
「そうですね。この階級(フェザー級)で誰が強いと話題になった時に自分の名前が出てくるようになりたいです」
――BRAVEの選手たちは海外の団体でも戦う選手が多いですが、木村選手もいずれは海外で試合をしていきたいと思いますか。
「そうですね。あと自分は海外だけじゃなくて、国内でも有名になって強い選手になりたいなと思っています」
――木村選手にとって注目の一戦、どんな試合・勝ち方を見せたいですか。
「今回は初の国際戦なんですけど、自分がやることはいつもと変わらないです。しっかり倒しに行く戦いをして、 最後は倒して勝って、会場を盛り上げたいと思います」
■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル