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【Pancrase346】猛暑の新宿で、道着を着てジョグ。ラファエル・リベイロ「13年間、この日のために」

【写真】最後の最後に予想外なことが起こったが、体調は良さそうだったリベイロ(C)MMAPLANET

20日(土)、東京都新宿区のサンエービルで行われたPancrase346の計量が行われた。正午から始まる計量の15分ほど前、計量会場に面した通りを柔術着姿でトレーナーと走る小柄な外国人の姿が確認された。
Text by Manabu Takashima

サトシがジョグの時に着用していた道着を持ち、計量にパス

もちろん21日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催される同大会に出場する外国勢のなかの1人だ。

ただしムハンマド・サロハイディノフ&オタベク・ラジャボフであれば道着など着ることはないだろう。つまりは濱田巧と対戦するラファエル・リベイロになる。

猛暑、湿度も高いヒートアイランド現象の新宿界隈を走るリベイロ──減量もそうだが、体調自体が心配されるなか彼は57.05キロで無事、計量をパスした。

MMA戦績7勝3敗、PRIDEのレジェンド達に憧れていた26歳のファイターは、日本で戦う今回の試合をレガシーの一歩にしようと希望に満ち溢れていた。


──計量会場に来る時、西新宿1丁目を道着姿でジョグをしている人を見かけて、唖然としました。

「アハハハハ」

──すぐに「これはラファエルだな」と(笑)。

「自分たちの体重計だと問題なかったのに、予備計量で250グラム・オーバーしてしまって凄く焦ったよ。でも、これだけ天気が良くて、気温も高いから(※正午の頃、新宿は32度ほどあった)逆に助かったよ。格闘技には、こういうクレイジーなことが時々起きるんだ(笑)」

──この気温ですから、熱中症になるのではないかと心配になりました。

「実は昨日の夜に体重を落とせていたので、今朝はしっかりと休養を取ることができていたんだ。だから、あの暑さのなかでも問題なかった。体調は凄く良いよ。頭もクリアーだし、日本を満喫できているよ」

──確かに計量直前にジョグをしていたとは思えないほど、肌にも張りがありますね。

「日本には5週間前から滞在していて、イワタやハママツでは本当に皆がしっかりとサポートをしてくれた。もともとブラジルで顔見知りだったメンバーも多くて。なんといってもサトシ・ソウザ、クレベル・コイケという憧れの選手と練習ができたて、本当に素晴らしい時間を過ごせたんだ。

僕が住んでいるのはサンパウロの郊外で、イワタやハママツと同じで東京やサンパウロのような大都会じゃないから凄く居心地が良かった。

体重に関してもブラジルを発つ前から栄養士の指導の下、しっかりと体調管理もできていた。ただ、体重計が違って誤差が出てしまうことだけは予期できなかったよ(笑)」

──今回はボンサイ柔術の所属選手として戦いますが、ボンサイ柔術との関係を教えてもらえますか。

「もともとボンサイと関係のあるジムに所属していて、そこの先生自身が日本に住んでいたことがあったんだ。その先生も日本でボンサイ柔術の生徒だった時期もあり、ずっと日本で戦いたいと思っていたから、今はワクワクしまくっているよ」

──では対戦相手、濱田選手の印象を教えてください。

「しっかりとした戦略を持つ、良いストライカーだと思う。でも僕はブラジルで揉まれてきたから。本当に強い相手と戦ってきたことで、自信は十分にある。僕らは決して多くの機会に恵まれているわけじゃない。今回パンクラスで戦えるという機会が巡って来たのだから、このチャンスを絶対に生かしたい。ファンだけでなく、対戦相手も打撃、寝技と両方で驚かせる試合をしようと思っている」

──濱田選手は「パンチは当たる。でもタフだから、殴り合ってタフな試合になる」と言っていました。

「僕もそのつもりだ。ハードな試合になるだろう。ただ相手のことはしっかりと研究し、対策練習もしてきた。だからこそ、ただただ殴り合う様なクレイジーな試合ではなくてスマートに勝ちに行きたい」

──Jungle Fight、Shooto Brazil、LFAとUFCへの道が続く大会がブラジルにもあります。そういうなかでパンクラスで戦うことを決めた要因というのは?

「以前からヴァンダレイ・シウバ、ホドリゴ・ミノタウロ、アンデウソン・シウバ、ジョルジ・パチーユ・マカコという日本で戦っていた選手が憧れだったんだ。それに子供の頃からマンガやアニメ、日本の文化が大好きで。マンガとアニマ、今言ったレジェンドの活躍を見て、成長したんだ。

だから日本で戦えるということは、自分の名前をあげるチャンスだと思っている。これから僕自身が、レジェンドたちが成し遂げたように何かを築いていくためにも本当に大切な機会だという自覚もある。

Jangle FightやShooto Brazilの試合は確かにアグレッシブだけど、喧嘩のような戦いが多い。僕はFight IQの高い、スマートな戦いが信条なんだ。今回、ブラジル以外の国で戦うのは初めてだけど、しっかりと自分のMMAをやり切りたい」

通訳をしてくれたのは、佐藤ゆうじ(右から2人目)。感謝です

──では、改めて明日の試合に向けて意気込みの程をお願いします。

「13年間、この日のために準備をしてきたといっても過言でない。3R戦うことになるなら、15分間攻め続ける。そしてチャンスがあれば1Rから極めにいくよ。明日はフィニッシュで勝ちたいと思う。アリガト」

■視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後1時45分~U-NEXT

■Pancrase346計量結果

<フライ級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 伊藤盛一郎:56.65キロ
[挑戦者] ムハンマド・サロハイディノフ:56.55キロ

<フライ級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] 重田ホノカ:55.95キロ
[挑戦者] 杉山しずか:56.45キロ

<ライト級/5分3R>
平信一:70.55キロ
鈴木悠斗:70.7キロ

<フライ級/5分3R>
濱田巧:56.95キロ
ラファエル・リベイロ:57.05キロ

<バンタム級/5分3R>
高城光弘:61.3キロ
オタベク・ラジャボフ:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂:66.2キロ
石田陸也:65.9キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.55キロ
丸山数馬:70.15キロ

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永:52.0キロ
高島俊哉:52.55キロ

<58.55キロ契約級/5分3R>
前田浩平:58.55キロ
増田大河:58.20キロ

<ネオブラッドT バンタム級準決勝/5分3R>
山口怜臣:61.6キロ
宮城成歩滝:61.55キロ

<ネオブラッドT バンタム級準決勝/5分3R>
白井誠司:61.3キロ
荒田大輝:61.25キロ

<フェザー級/5分3R>
沢木純也:66.2キロ
小島健史:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
田中亮祐:56.7キロ
鳴海秀哉:56.75キロ

<フライ級/5分3R>
名久井悠成:56.5キロ
萩島answerタクミ:56.8キロ

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