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【FAW2024#03】格闘代理戦争決勝=中村京一郎と対戦、トミー矢野「極めた方がお客さんも盛り上がる」

【写真】監督であり、友人でもあるイゴール・タナベとツーショット(C)TAKUMI NAKAMURA

4年振りに再開したABEMAの格闘家発掘リアリティTVショー=格闘代理戦争-THE MAX-。17日(金)の決勝戦ではイゴール・タナベ推薦選手のトミー矢野が中村京一郎(監督:岡見勇信&中村倫也)と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

柔術の実績とバックボーンを活かし、1回戦では向坂準之助をマウントパンチでレフェリーストップに追い込み、準決勝では中谷優我をヒザ十字で秒殺したトミー。MMAでは格闘代理戦争までに5戦のキャリアを持つ中村に挑む図式ではあるが、柔術で国際大会にも出場し、世界王者を目指してきた“戦い”の経験では自分の方が上だと言い切った。


──決勝まで残り1週間となりました(※取材は10日に行われた)。準決勝から約1カ月という短いインターバルですが、この期間はどんなことを意識して練習していたのですか。

「寝技以外の部分、打撃とレスリングですね。テイクダウンまでの。やっぱりレスリングができないと自分の得意な寝技に繋がらないので」

──打撃・レスリングはそれぞれ誰に指導を受けているのですか。

「専門的なコーチはいなくて、色んな方に習っているのですが、主に岡田遼先生と(山本)アーセンですね。この2人がメインというか、色々と教えてもらっています」

──トミー選手はKRAZY BEEにも所属していたのでアーセン選手とは長い付き合いですよね。

「そうですね。アーセンがRIZINデビューした頃からの付き合いです。アーセンはレスリングで実績を残していますし、世界(世界カデット選手権)も獲っていますし、凄く良い技術を持っているので、信頼できますね」

――もう一人の先生=岡田選手はいかがですか

「岡田先生は修斗でチャンピオンにもなっているし、平良達郎選手や鶴屋怜選手のセコンドにも就いていて。そういう部分でも信用できる人で、MMA全般を教えてもらっている感じですね」

――番組内ではバトルボックスで良太郎選手から指導を受けるシーンもありましたが、バトルボックスでは打撃の練習をされてるのですか。

「バトルボックスはたまに行かせてもらっている感じで、ちょっとずついい形になってきました」

──ここまでの格闘代理戦争の試合についても聞かせてください。一回戦は2分33秒、準決勝は18秒と、どちらも1R決着でした。

「やっぱりダメージがなかったことが一番良かったことだと思います。格闘代理戦争は試合のスパンが短いじゃないですか。だから怪我せずに勝ちたかったので」

──1カ月スパンで3試合なので、打撃戦や消耗戦が続くと、コンディショニングが難しいですよね。

「しかも自分の場合は1月に柔術の大きな大会に出て、2月にアマチュアパンクラス(東京ケージファイト)にも出ていたので、今年はほぼ毎月試合しているんですよ。1回戦で相手のヒジを蹴って、ちょっと足を痛めたくらいで、ダメージなく決勝を迎えられてよかったです」

──トミー選手は1月に柔術の試合を終えて、MMAの試合が続いている状況ですが、完全にMMAモードなのですか。

「そうですね。アマチュアパンクラスに出た時からMMAモードに入りました」

──2試合連続で短時間でのフィニッシュでしたが、あれは体が勝手に動いたという感覚ですか。

「格闘代理戦争は1R3分なので、早く仕掛けないと一本勝ちするのが難しいんですよね。それもあって早く仕掛けている感じですね」

──ちなみに柔術時代はどういうスタイルだったのですか。

「寝技のスタイルは結構ガードに引き込むタイプで、あまりテイクダウンする選手ではなかったです。でもテイクダウンが苦手というわけではなくて、柔術だったら引き込むという戦い方でした」

──ルールによって組みの戦い方も変えているのですね。

「そうですね。MMAはなるべく自分からテイクダウンを取った方がいい。あまり下になるのはよくないので、なるべく上を取って極めるスタイルでいっています。準決勝はテイクダウンをディフェンスされたんで、ああいう流れ(引き込んでヒザ十字)で極めました」

──監督のイゴール選手からは準決勝後にどのような声をかけられましたか。

「試合が終わった後は凄く喜んでましたね。イゴールは僕が優勝するって本当に信じてくれているし、ダメージがなく勝てたこともイゴール的には良かったんだと思います」

――トミー選手がMMAをやる上で好きな選手・参考にしている選手はいますか。

「日本人だとKID(山本徳郁)さんに憧れていて、海外だとシャーウス・オリヴェイラですね」

──ああ…確かにトミー選手はオリヴェイラっぽいですね。

「めちゃくちゃ強いし、同じブラジル人で柔術家ということで、凄くインスピレーションを受けています」

──オリヴェイラもサブミッションという武器があるからこそ、打撃含めて思い切り戦っていますよね。

「そうですよね。いい意味でテイクダウンされることを怖がっていない。僕はまだ打撃が下手なんですけど、だんだんレベルアップしたら(オリヴェイラに)似たようなスタイルになると思います」

──トミー選手はフィニッシュして勝つことにこだわりはありますか。

「正直言うと、そこまでフィニッシュにはこだわっていなですね。テイクダウンして上を取って、パウンドで相手を削って勝てたらいいと思っています。ただやっぱりそういうスタイルよりも、極めた方がお客さんも盛り上がりますし、そっちの方が“綺麗”なんで、なるべくフィニッシュはしたいと思います」

──格闘代理戦争は他のアマチュアの試合でキャリアを積むよりもチャンスを掴める舞台です。トミー選手は注目されることは好きですか。

「2月のアマチュアパンクラスが終わってプロデビューの準備をしていたんですけど、格闘代理戦争に出るチャンスが来て。最初はプロ戦績5戦までの選手が出てくるということで、勝てるかどうか不安だったんですけど、チャンスだと思って、それを掴みに行きました。格闘代理戦争に出て、ジムの会員さんから声をかけてもらう機会も増えたし、柔術の仲間も応援してくれたり、すごく反響がいいです」

──決勝では中村京一郎選手と対戦することになりました。どんな印象を持っていますか。

「まぁ打撃が強いっていう感じですね。ただレスリングと寝技に関してはそこまでだと思っています。相手の打撃に付き合うつもりはないんで、自分からプレッシャーをかけて触れたらすぐ終わると思います」

──触れたら終わり、ですか。

「はい、触ってクラッチを組めたら四つ組みでもいいし、バックキャッチでもいいですし、とにかく触れたらすぐフィニッシュします」

──格闘代理戦争で優勝すれば、7月の超RIZIN03でプロデビューとなります。今は格闘代理戦争の決勝に集中していると思いますが、プロファイターとしての目標を教えてください。

「自分もDREAMや戦極があった頃にさいたまスーパーアリーナの試合を見ていたし、RIZINで試合することも夢だったんで、凄いチャンスだと思っています。セコンドとしてさいたまスーパーアリーナの花道を歩いたこともあるんですけど、凄い刺激を受けたし、子供の頃から選手として自分もこの花道を歩きたいという気持ちがあるんで、そこまであともう少しですね」

──トミー選手は試合になってもあまり緊張しないタイプですか。

「もちろん少しは(緊張)するし、僕も柔術の大会で世界の色んな国で試合をしてきて、緊張して自分の強さや力を出せなくて悔しい思いもしました。そういうプレッシャーには慣れていると思うし、大きな舞台になればなるほど、もっと自分の強さをだせるというか、そこは全然問題ないと思います」

――柔術も組み技とはいえ、1日何試合もやるものですし、レベルが上がれば心身ともにタフな試合になりますよね。

「そうなんですよ。初戦を勝っても怪我や消耗が激しいと次勝てないですし、柔術のトーナメントを勝ち上がるのはハードです。しかも僕の場合は自分の階級と無差別級に出ていたし、4週連続で試合に出ることもあったので、柔術で得た経験は大きいです」

──格闘代理戦争はキャリアの浅い選手たちがチャンスを掴む場ですが、トミー選手の場合は柔術の世界大会も経験していて、“結果を出して世界を目指す”ではなく“MMAをやる以上、世界一を目指す”というマインドのようですね。

「そうですね。柔術でも世界一を目指していましたし、MMAも同じですね。京一郎選手はMMAのキャリアでいえば僕よりも長いと思うんですけど、“戦う”ということに関しては全然自分の方が上だと思っています」

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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