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【Fight&Life & Bloom FC01】「海外で活躍するまでの道のりを福岡で完結できるように」(奥宮ハント)

【写真】両者の想い。それは選手に試合機会を与え、実力のある若い選手たちが現役生活を続けられるようになること(C)MMAPLANET

今月 23日(月)発売予定のFight&Life#99で11月19日(日)に福岡市中央区の西鉄ホールで旗揚げ戦が開催されるBloom FCに関連し、地方都市の独立プロモーションの有りかたに関してのレポートが掲載される。

首都圏を起因とするプロモーションの盾の関係、そして同地における垣根を取っ払い福岡、そして九州の選手たちの成長に欠かせない──試合機会を与えることを唯一&絶対の目標として活動を開始するBloom FCの発足に向けて、福岡県下のMMA関係者の声を拾った。

誌面上ではその一部しか掲載できなかった彼らの言葉をここでお伝えしたい。その第一弾はBloom FC実行委員会の中心となる奥宮ハント&鬼木貴典、両氏のインタビュー。Bloom FCの旗揚げの上にある想いを語ってもらった。


――Bloom FCの旗揚げが決まりました。ハント選手が既存のプロモーションの壁を無くして、九州の強化に乗り出す。アマチュアでなくプロ興行を開始しようと思うようになったのはいつ頃からでしょうか。

ハント もともとやろうと思っていたのですが、5月の(プロ修斗公式戦)闘裸男にうちの選手が5人ほど出させてもらって。それでも、出られない選手もいました。試合がしたくても、その機会がない。そういう選手が年に1回、福岡では山本(陽一)さんが闘裸男を開いてくれても出てきてしまいます。1年中練習しているのに、試合の機会がないというのは本当に可哀想で。

鬼木 リアルな話をするとフォーマットのあるモノを福岡に持ってこようと、ハントのケツを叩いていました。フォーマットがあるところの方が、一から創るよりも楽です。選手も集まってくる。僕らはサポートをするだけで大会が成立します。

ハント ただ、それだとオファーを待っている状態なんですよね。

鬼木 どこのプロモーションで戦うか、それは選手が成長してから決めることで。そこに行き着くまで経験がないと、選手を続けることができないです。加えて上昇志向のある選手が海外で戦いたいと考えた場合、これだけ選手も増えてきた中で首都圏の大会のオファーを待っている状態では、経験を積めない。ならば福岡で独立プロモーションとして活動できないか、そこをハントと話しました。

ハント 最初はデキるのか、不安でした。でも試合機会がないから、オファーがあれば戦う。そうなった時に、もうその団体でしか戦えないのか。それだと結局、オファー待ちという状況は変わらなくて。

──最初にSEXした相手と結婚しないといけないのか、ということですね。

ハント (苦笑)。

鬼木 まぁ、まぁ、まぁ、そういうことですね。

──結婚という契約がないのであれば、ずっと一緒にいる必要はない。

ハント 何も分からない若い選手ですし、試合で生活が成り立つわけでもないので。

──ただし、格闘技界でアクションを起こすとポジティブなだけでなく、ネガティブなリアクションも起こるものです。

ハント とにかく九州の皆さんの協力が必要になってきますから、そこはしっかりと説明をして活動理由を話して協力をしていただければと。特に闘裸男はずっと昔から大会を開いてくれていたので、ウチのジムからもBloom FCだけということでなく、これまで通り選手を送り出したいですし。自分のやる大会にも、闘裸男に出ている選手に出て欲しいです。選手が行き来できる、そういう環境にしたいです。

福岡は選手も交流しているし、皆、仲が良いです。何よりも、福岡は選手も増えて試合機会がない選手がいるのだから覚悟を持って動き出さないといけない時が来たと思っています。

──自分が前回、取材をさせてもらった4年前と比較して選手人口は増えているのでしょうか。

ハント かなり増えています。やっぱりRIZINの影響もありますし、一般に格闘技が広まったというのはあります。うちのジムもRIZINに出たいと思っている選手が、UFCに出たいと思っている選手より多いと思います。

鬼木 そこはそこで良いと思います。日本で一番大きな大会ですし。そこで戦うと目立つ。注目されますから。それは凄く大切なことです。そして、選手も戦績を積めば方向性も変わることがあると思います。

ハント それに本田(良介)君のようにタイガームエタイの所属になって、世界を目指している選手もいますし。世界を目指す選手も増えてくると思います。だからこそ、国際戦も組んで行きますし。海外の選手と戦えるのは、本当に選手にとって良いことなので。

外国人選手も上に行きたい。チャンスを求めて日本にやってくるはずです。海外にチャレンジをしに来るので、絶対に気持ちが強いです。そういう選手と戦って、経験を積んで強くなって欲しい。そうですね、そういう経験を積んで欲しいですね。上田(将年)選手がモンゴルの選手と戦いますが、若い選手も影響を受けるはずです。単純に福岡では国際戦をライブで見る機会は滅多になかったので。そういう試合を見ることで、モチベーションになります。上田選手もこれからの選手に背中を見せるためだけに戦うわけじゃないですけど、この試合があることは若い選手のためになると思っています。

──イベントとしては、どのような構成に?

ハント 基本はプロ興行でメインは5分3R、5分2Rは若い選手たち、これからの選手たちをフューチャーして経験を積んでもらう。九州に根付く大会にするというのが一番で。MMAだけでなくグラップリング、柔術と色々な道場が参加できるイベントにして九州の格闘技を盛り上げたいです。

鬼木 今、福岡の選手は東京の大会に出たいと思っています。パンクラスのネオブラ、DEEPのFKTに渡航費を払って参加していく。それがBloom FCで逆転現象、東京から参加してくる大会にしたいです。逆に東京からお金を払ってでも、新人戦を戦いたい。そういう選手が出てきた時が、Bloomの勝ちだと思っています。

──そのためにも継続開催。そこが一番大切になってくるかと。

ハント そうですね。まずは年に2度は開催して、それを3回、4回と増やしていきたいです。選手が出たいと思う大会にしていくために演出も派手にして、大きな会場もゆくゆくは借りていければ良いかなと思っています。

一番良いのは選手が海外で活躍するまでの道のりを福岡で完結できるようになること。今は東京、大阪の大会で出向かないと海外や次の舞台に繋がらないのが現状です。修斗、パンクラス、DEEPで戦わないとその先はない。それを福岡で勝ち上がって海外に行ける。地元で試合をして実力をつけて、そのまま上の舞台に行くことができれば一番です。それは福岡だけでなく、日本中の都市がそうなれば。東京と変わらないだけ他の都市でも強くなっていける。そういう道を創ることができれば一番良いと考えています。

※Fight & Life格闘紀行:福岡偏「福岡でMMA独立プロモーション、Bloom Fighting Championshipテイクオフ!!」が掲載されるFight&Life#99は10月23日(月)に発売です。

■ Bloom FC01現時点の決定対戦カード

■第2部
<フライ級/5分3R>
上田将年(G-face TEAM/緒⽅道場)
ツェルマー・オトゴンバヤル(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
原田惟紘(G-face)
上田祐起(総合格闘技道場reliable)

<フライ級/5分2R>
荒木凌(ロータス福岡古賀道場)
市川剛希(MAXジム)

<フライ級/5分2R>※
荒木雄登(LIBRE)
河野慶樹(G-face)

<フェザー級/5分3R>
出田貴大(G-face)
RAGO(ロータス福岡古賀道)

■第1部

<バンタム級/5分3R>
持田哲兵(MMA RANGERS GYM)
TBA

<ライト級/5分2R>
深見弦汰(赤崎道場A-SPIRIT)
清水洸志(MMA RANGERS GYM)

<フライ級/5分2R>
koki(MMA RANGERS GYM)
下田洋介(095BJJ⻑崎柔術/和術慧⾈會総本部)

<フライ級/5分2R>
堺龍平(MMA RANGERS GYM)
田上健太(フリー)

<フライ級/5分2R>※
林大輝(DESTINY JIU-JITSU)
森本健介(毛利道場)

<バンタム級/5分2R>※
オガワ ワタル(MMA RANGERS GYM)
松本雄斗(美咲)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級/5分2R>
スターリング・ベアー・ミーチャム(095BJJ⻑崎柔術)
ムクロック(DESTINY JIU-JITSU)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級/5分2R>
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
米倉大貴(IGLOO)

※はヒジ無し

※Fight & Life格闘紀行:福岡偏「福岡でMMA独立プロモーション、Bloom Fighting Championshipテイクオフ!!」が掲載されるFight&Life#99は10月23日(月)に発売です。

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