【Road to UFC S05 OR#01】Fight&Life#114より。南友之輔「超速い、ハイテンポのMMAで行こかなって」
【写真】このニヤリこそ、手応えと自信の表れ (C)MMAPLANET
4月23日(木)から発売中のFight&Life#114に、Road to UFC Season05バンタム級に出場する南友之輔のインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima
28日(木・現地時間)と29日(金・同)にマカオはコタイのギャラクシー・アリーナで開催されるRoad to UFC S05 Opening Round。南は初日に出場し、ニュージーランドのカシブ・マードックと戦う。
WKFスタイルで世代別日本代表をその都度経験してきた空手エリートは、MMAに挑戦し始めた時からしっかりと自分、自身のMMA観を持っていた。
負傷もあり、想定より実戦経験は少なくなってしまったが、モンゴルや韓国勢との国際戦も既に経験して、Gladiatorではベルトも巻いている。ポイント空手時代には、いかにポイントを取ることができるかを考え抜いて戦ってきた南はMMAにおいて必要なフィニッシュ、そしてポイントゲームも既に頭のなかで完成している。
「賢く戦える」と自認する南に、Road to UFC前の心境を尋ねた。
得意な距離が多い方が良いので、本当に色々と想定しながらやってきました
――ROAD TO UFC出場と対戦相手も公式発表されました。まずROAD TO UFCに正式に出られることになって、どのような気持ちでしょうか。
「やっと来たか。そういう感じですね。正式発表が、僕が思っているより遅かったので。『俺は出られへんのか。まぁ、しゃあないか』ぐらいの気持ちで過ごしていた感じです」
――しゃあないか、と?
「ハイ。でも、出ることを想定して練習を続けて」
――万が一出られない場合、2026年をどのように戦っていくのか。そんなことも想定していましたか。
「万が一でなくて、全然あり得ることですからね。でも、出場できへんかった時のことは考えていなかったです。出場することを前提に考えて動いていました」
――2025年の2試合。6月にパク・ソンジュンとの王座決定戦で判定勝ちを収めグラジエイター・バンタム級王座を獲得。11月には17歳のルキヤ選手には3RTKO勝ちで防衛に成功しました。ROAD TO UFC出場権を得ることを考えると、対戦相手のバリューをどのように捉えていましたか。
「相手どうこうっていうのは……。DEEPやパンクラス、RIZINで超活躍している選手とは戦っていないです。そこの選手と比較されたら、僕の方が下というのも理解しています。でも、自分次第なので」
――MMAファイター人生が掛かっていても右往左往しないと。
「そうですね。人と比較しても、しょうがないですし。比較は他人がすることで、僕のやることじゃない。僕のことを評価するのも他人で。僕は自分が一番強くなりたいから、そのために練習をするだけで。ROAD TO UFCで勝つために、弱点の克服と良いところを伸ばす。他の選手の同じやと思いますよ」
――克服すべき課題は、組み技に?
「そうなりますね。フィジカル頼りになってしまうことがあるので。ただ打撃も小さく打つとか。どんな距離でも戦えるようにしてきました。得意な距離が多い方が良いので。ポイントアウトするパターン、足を止めて打ち合うパターン。打ち合わないけど、近い距離で戦うとか。蹴っていくパターンとか、本当に色々と想定しながら、やってきました」
――では昨年の2試合のパフォーマンスに関して自己採点は?
「どっちもどっち。良いところはめっちゃ良かったですけど、課題は課題で残って。アレ以上の試合をしないといけなかった。そういう気持ちはあります。特にパク・ソンジュン戦ですね。ルキヤ選手は、もう力任せにポンポンってくるだけなんで。もうちょっと綺麗に攻めてきて、駆け引きができるかと思っていたんですけどね。そこで僕も綺麗に合わせることを想定して。
パク・ソンジュンとは、近い距離で緊張感のある試合になると思っていたら、想像以上に制圧できた。制圧し過ぎたから、相手はもう手を出してこなくなりました。出しても、守りのパンチみたいで。僕は倒したくて力んでしまって、良い試合にならなかったです」
――ポイント空手出身の南選手は、デビューの頃から遠い距離から踏み込みやタイミングの取り方は抜群のモノがありました。長い距離で間合いを取れると、近い距離にもその感覚は生きるのでしょうか。
「それは全然違います。視界が変わってくるので別ものですね。だから、近い距離での打ち方、足の動きを凄く意識しています。MMAは遠い距離だけでは戦えないので。飛び込みのプレッシャーだって、相手が下がってくれれば良いですけど。相手のレベルが上がってくると、しっかりと構えてこっちの動きを見ていますからね。堀口恭司選手や野村駿太さんは、空手の足を使う戦い方にテイクダウンを混ぜて戦っていますけど、僕は近い距離で、自分の動きで相手を動かして戦います」
――組んでくる相手にも、同じように近い距離で戦っていけますか。
「これは僕の勝手な自論ですけど、近い方がテイクダウンは取られない。遠いと、思いきり踏み込んで百の力でテイクダウンに来るじゃないですか。でもパンチをコンパクトに打てる距離で、足を引いたりしているとテイクダウンを狙っても、勢いが弱まります。で、手前に入ってくる。手を下げて、触りながら。そういう状態なら足を入れ替えたりして、テイクダウンを切れる術もあると思います。僕の考えですけどね」
――では対戦相手が決まるまでは、主にどこで練習を?
「ずっとBRAVEの三郷と北千住です。あとは恵比寿のバンゲリングベイでミット打ちは続けています。その3つだけですね」
――デビューから3年が過ぎ、4年目に入るところでUFC行きが掛かった戦いに挑むことについては?
「ここまで6試合というのは、思っていたより少ないです。ケガの影響で2024年の8月から、10カ月試合ができなかったので。正直、1年後の方が完成度は上がります。ただ、そんなにチャンスなんて巡ってこない。僕は今年の9月で26歳になるから、1年延びるとUFCと契約するのは27歳になってしまう。先のことを考えると、今がベストなんとちゃうかなって」
――対戦相手はニュージーランドのカシブ・マードックに決まりました。まさに出場が決まるまでの練習が、間違っていなかったといえるファイティング・スタイルの持ち主です。そして、今日はBRAVE世田谷で神谷大智選手と練習をしました。
「大智さんと、対策練習をするために来ました。大智さんは、こっちに住んでいるので」
――マードックは本当にしつこいケージ・レスリング、クリンチの攻防を続ける選手です。
「そうなんですよ。(原口)伸さんのように低い姿勢で素早いダブルレッグとかじゃくて、ケージに押し込んでシングルとハイクロッチ、ダブルを延々と続けて。最悪、胴クラッチでもエェから入る、みたいな」
――押し込んでからチェーンレスリングが延々と続きます。
「だから大智さんとの練習が一番良いかと。レスリングといっても伸さんと大智さんは全く違うし。大智さんはセコンドにも就いてもらおうと思っています」
――あそこまでしつこい組みを続ける相手は、初めてですね。
「まぁ、そこは警戒すべき点ですけど、やることは同じです。取られずに、組ませずにやるっていうのはいっしょなんで。ただし、逃げの組みはしないです。攻めの組みをして、離れる。守ってばかりいると、向うは攻めやすくなります。僕もレスリングはできるようになっているので。ルキヤ戦は完成度としては高くなかったですけど、ああいう展開になってもテイクダウンで勝負はできます。攻防のなかで、相手のやりたいことをさせないで戦えば」
――その完成形は、どのようなMMAになるのでしょうか。
「全部ができたうえで、打撃で攻める。それこそ今のイリャ・トプリアみたいな。言っちゃえば、それがベストじゃないですか。ただトプリアのようにレスリングとグラップリングがデキるようになるのは、時間的に無理です。基本的に打撃で上回られたくはない。
でも、思った以上にレスリングもグラップリングもできる。それが理想ですね。打撃で敵わないからテイクダウンを狙うのは、逃げです。打撃で上回って、テイクダウンは取らんけど、触りに行く。触って、取りそうなところまでは組みも見せる。レベルチェンジがやたらとある――そんなMMAの練習はめっちゃしてきました」
――南選手の目指すMMAの完成形に辿り着く過程で、UFC行きを賭けた戦いの序章でマードックと戦う。これは運命的に感じます。
「そうなんですよ。なんで超速い、ハイテンポのMMAで行こかなって」
――マードック戦の鍵は飛び込み、細かいステップ、さらに判断力。とにかくスピードで負けないことではないかと思っています。と同時に、それでも壁を背負う展開が出てきたときに、あのしつこさに負けないで戦うことも重要視されますが。
「一番面倒くさい。綺麗に入ってくるなら切れそうなんですけど。あああいう感じのテイクダウンの取り方は、削り合いになりますよね。あの戦い方ができるヤツは、気持ちが強いでしょうしね。いうたら、マラブ(デヴァリシビリ)みたいな。キャリア7戦ですけど、5Rを経験していて、あの押し込みをずっと続けていますからね。でも逆に僕がアイツのことを削る試合をします」
――それはどのように?
「ハイテンポで戦うということですね。近い距離でハイテンポ。離れて、ハイテンポ。構えも、動き方も変えて戦います。あの相手は自分の思い通りの展開で、ほぼ戦ってきているので、それをさせない。僕の思い通りの展開で戦うこと。僕の一番の良さって、相手の良さを消せるところやと思います。相手がどう戦いたいのかを把握する。それが一番得意なんですよ」
――平たくいうとスマートに戦えるということですね。
「ハイ。僕は賢く戦えると思っているんで。ちゃんと、そういう戦いをしたいですね」
――今日の練習でも神谷選手を相手に、近い距離で動いて色々な仕掛けを見せていました。あの動きをしているとマードックが自分の試合ができなくなると。
「そういう想定でいます。強引に動いてくると、向うも疲れる。如何に僕は集中力を切らさずに戦えるか。集中力を切らさず、妥協せずに」
――マードックは一度、バックに回ると疲れていると思っていても、凄まじいパウンドを打ってきます。
「気が抜けないです。ただ殴ってくると、僕も動ける展開は創れるかと思います。それもパウンドの威力がどんなもんか。そこ次第ですけど」
――それは決して上手くないですが、スタンドの打撃にも当てはまることですよね。
「まぁ、向うも打撃を使ってきますしね。でも、倒せるパンチはない。そこは僕が上回っています。絶対に厳しい試合になるとは思っていますけど、これを乗り越えることで強くなれる。なんで絶対に勝ちたいです」
ニュージーランドと豪州と日本。中国と韓国と日本。どっちを勝ち上がってきたヤツのほうが、自力があるかっていうことですよ。国っていうか、結局は人で
――ところで今年のバンタム級は日本人選手が3人出場し、別の山に日本人選手が2人。日本人対決の決勝戦もあり得ます。トーナメント枠について、どのように思っていますか。
「トーナメント表の左の一番上って、なんか前年度優勝の第1シードみたいで縁起エェかなって(笑)」
――いや、そうではなくて(笑)。組み合わせについて、です。
「ハハハハ。いうと評価が高いのは、初戦で当たるマードックと隣のマティ・イアン(※取材後、負傷欠場に)ですよ。どっちみち、トーナメントは強いヤツと当たる。いつ当たるか、だけです。勝たなアカンことには変わりないので。それに楽をして勝っても、ねぇ」
――豪州とニュージーランドが入っていて、ROAD TO UFCはレベルが上がりました。本戦に進んだ時には、それだけ力がついている。でも勝ち上がり難くなった。
「まぁMMAとして完成度の高さは、やっぱり中国や韓国とも違っているし。だから、ニュージーランドと豪州と日本。中国と韓国と日本。どっちを勝ち上がってきたヤツのほうが、自力があるかっていうことですよ。国っていうか、結局は人で。だから国籍も誰が出ているのかも、あんまり気にならないです」
――では、この8人のなかで最後の一人になれる自信のほどは?
「ありますね。まぁ1回戦から強い選手が相手で。準決勝も評価が高い選手になる。今は1回戦のことしか考えてないけど……1回戦も準決勝も決勝みたいなもんなんで。『3回勝てば契約するから。お前、とりあえずコイツとやれ』って1回、1回、UFCに言われているようなもん。そういう気持ちでやっていれば、自ずと勝利はついてくると思います。自分がホンマに通用するのか。ワクワクしかないです。何もできひんで終わる可能性だってある。だから、そうならないように練習をしてきたので」
信じるのは自分だけ。自分の判断を信じます
――では初めての海外での試合という部分に関しては?
「空手の時にめっちゃ海外には行っているので。マカオも行ったことあったような気がするけど、しっかりと覚えていないです(笑)」
――気がする……(苦笑)。
「あんま覚えていないです。でも大智さんも、一緒にいてくれるし、マネージャーもROAD TO UFCのことは十分に経験しているので。何も不安はないです」
どうやってレスラーに完全に勝つか。完全攻略を見せます
――UFCはで減量のサポートが、物凄く整っていると聞きます。
「そうらしいですね。でも、まぁ日本から持っていったもんを食べます。そこも含めて、信じるのは自分だけ。自分の判断を信じます」
――押忍。BRAVEからは過去に3人、延べ4度のROAD TO UFC挑戦で誰も契約に至ってないです。チームとしてリベンジしたいという気持ちはありますか。
「ないです。同じジムでも、自分は自分です。俺が一番にUFCに行ったら、格好エェなってぐらいです。面白いもので、傍から見ていると『日本人選手、なに皆負けてんねん』って思っていたのですが、自分が出るとなると全く他の選手のことは気にならないです。チーム日本でもない、個人戦ですから。なんも関係ない。全員やっつけるだけで。
それに不思議と他の階級の日本人選手のことも、気にならないですね(笑)。これから自分が3試合勝って、力をつける。そのために初戦の相手も完全攻略しますよ。どうやってレスラーに完全に勝つか。完全攻略を見せます」
■Road to UFC S05 OR Day2視聴方法(予定)
6月29日(金・日本時間)
午後7時00分~UFC FIGHT PASS
午後6時30分~U-NEXT
■Road to UFC S05 OR Day2対戦カード
<女子ストロー級/5分3R>
シー・ミン(中国)
プジャ・トマール(インド)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
亮我(日本)
ジョセフ・アルシネーゼ(豪州)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
鈴木崇矢(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
エロス・バルヤット(フィリピン)
内田タケル(日本)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チーニョーシーユエ(中国)
小田魁斗(日本)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
万智(日本)
アニリヤ・トクドゴノワ(キルギス)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
松田亜莉紗(日本)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
ファリダ・アブドッゥエヴァ(キルギス)
<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
ドン・フアシャン(中国)
パク・ボヒョン(韓国)
■Road to UFC S05 OR Day1 視聴方法(予定)
6月28日(木・日本時間)
午後7時00分~UFC FIGHT PASS
午後6時30分~U-NEXT
■Road to UFC S05 OR Day1対戦カード
<フェザー級/5分3R>
シェ・ビン(中国)
ユディ・チャヒヤディ(インドネシア)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
宮口龍鳳(日本)
チュングレン・コレン(インド)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
ティ・ハイタオ(中国)
田嶋椋(日本)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
ラビンドラ・ダント(ネパール)
キンバート・アリントゾン(フィリピン)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
南友之輔(日本)
カシブ・マードック(ニュージーランド)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
青井人(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルァーグーチェン(中国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
アーフージョン・アーリーヌアール(中国)
イム・クァンウ(韓国)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ジョージ・マンゴス(豪州)
栁川唯人(日本)



















