【DEEP115】Black Combatとの対抗戦、フライ級DEEP代表=駒杵嵩大─01─「まず自分から組んでいく」
【写真】柔道だけで勝てなくなった時、柔道が生きる(C)SHOJIRO KAMEIKE
18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。DEEPとBLACK COMBATの対抗戦で、駒杵嵩大がフライ級代表としてキム・ソンウンと対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike
2019年にNEXUSフライ級王座を獲得した駒杵は、ZSTで1試合行ったあと2021年よりDEEPに参戦する。新天地で2連敗を喫してから、3連勝と盛り返し今回の対抗戦を迎えた。ただ、その間に開催されたDEEPフライ級GPにエントリーしたものの、減量失敗で1回戦は欠場となってしまう。厳しい体験の中で駒杵が見つけ、さらに克服してきた課題とは。
――現在DEEPで3連勝を収めて、今回の対抗戦にフライ級代表として臨みます。ただ、次の試合に関する話の前に訊いておきたいのが……DEEPフライ級トーナメントに関して。トーナメント1回戦は松場貴志選手との対戦が予定されていましたが、駒杵選手は減量失敗で病院に搬送され、欠場となりました。それ以降、盛り上がるトーナメント戦をどのように見ていましたか。
「あのトーナメントで優勝できれば、MMAファイターとして何かしら形にできたと思います。だからこそ欠場になってしまったのは悔しくて。何より、いろんな方にご迷惑をおかけしてしまいました」
――1回戦から決勝までトーナメントの勝敗は予想していたものでしたか。
「正直、本田良介選手が伊藤裕樹選手に勝って、決勝に進んだのは意外でした。本田選手とは僕も一度対戦していて、負けましたけど――跳びヒザ蹴りで逆転KO負けという内容でした。僕は伊藤裕樹選手に注目してGPを視ていたんですよ。伊藤選手と本田選手の試合は『伊藤選手が捌いて勝つのかな』と予想していて。伊藤選手はグラップリングも強いじゃないですか。その伊藤選手に本田選手がグラップリングで勝ちましたよね。
とにかくMMAは柔道と違って、相手との相性という部分も大きいんだなと感じています。分かりやすく言えば、パンチを食らったら負ける。食らわなければ勝てる――という想いが強くなりました」
――本田選手のファイトスタイルは、相手が打撃を出してくる前に潰していくというものでした。柔道ベースの駒杵選手にとっても参考になったわけですね。
「そうなんです。相手のパンチを食らわないように、食らわないようにしながら組むよりも、まず自分から組んで行ったほうが良い。自分の中でもそういう意識が高まっていたなかで、本田選手の試合を視て改めて意識するようになっています」
――DEEPフライ級GP欠場からの復帰戦であった、昨年5月のRYOGA戦は速攻で腕十字を極めました。あの試合は『相手が何かしてくる前に自分から潰していこう』という気持ちが強かったのでしょうか。
「あの試合は少し違いますね。もともと風我選手と対戦する予定で、いろいろ対策を立てていたんです。でも風我選手が怪我で欠場になり、急きょRYOGA選手と試合することが決まったので対策は関係なくなりました。試合ではRYOGA選手から距離を詰めてきて。僕としては組んだら倒せる自信はありましたし、結果的にすぐ極めることができました」
――対して今年3月に風我選手とフルラウンド戦った試合内容はいかがでしたか。
「フィニッシュしたかったけど、まず完封することができました。GPの時から風我選手の評価も上がってきていて、その相手に何もさせずに勝てたので良かったと思います」
――その風我戦から6カ月、試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。
「特に何もないです。体で不調なところもありましたし、技術的にも伸ばしたいところがあって、試合間隔が空いたのも調整期間になって良かったですね。僕は特に打撃に関して課題がありました。距離感や、しっかりと相手の動きを見ることとか――もっともっと丁寧に戦わないといけない。以前からずっと、そう思っていました。でも試合が続くと対策練習をすることが多くなるし、かといって新しいことをいきなり試合で試すことも難しいじゃないですか。
僕としても試合では勝つことを重視しているので、どうしてもグラップリングに重点を置きがちになります。そこで今回は試合間隔を空けさせてもらって、打撃面も含めて伸ばしてきました。そんな時に今回のBLACK COMBATとの対抗戦が、タイミング良く入ってきたような感じですね。僕としては、いつもと同じように日本人選手との試合でも良かったですが、対抗戦という良い話を頂けたなぁと思います」
――打撃面も含めた課題に取り組み始めたのは最近のことですか。
「ずっと課題ではありました。一番やらないといけないと思ったのは、DEEPに参戦して2連敗した時ですね。それまでは柔道時代の貯金で勝っていたような気がします。連敗してから課題に取り組みつつ、試合の準備もしながら――という状態でした。今回は試合間隔を空けて、しっかりと課題に取り組むことができて良かったです」
――駒杵選手は柔道の国際大会で優勝し、全日本強化指定選手になっています。それだけのベースがあれば、MMAという他競技でも柔道時代の貯金で、ある一定のレベルまでは勝ち進むことができますよね。しかし、必ずどこかで壁がやってくる。そういう柔道やレスリング出身のMMA選手が多いのも事実です。
「はい、勝てちゃうんです(苦笑)。MMAを始めた頃にアマチュアの試合を見ていても、レスリングや柔道出身の選手が勝つことのほうが多かったんですよ。打撃の経験が少なくても、ヘッドギアをしているのでパンチを食らっても耐えることができる。プロでも序盤は、相手の打撃がそれほど強くないから勝てる。
そこからワンランク上がると、打撃の壁に阻まれてしまいます。それに気づかせてもらったのは、佐藤将光さんと練習し始めてからです。将光さんと練習していたら、自分のボロしか出てこなくて(笑)。もちろん打撃以外も……全部できないといけない。今の僕の理想は、デメトリウス・ジョンソンです」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV
■ DEEP115対戦カード
<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)
<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)
<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)
<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)
<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)
<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)
<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)
<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)
<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)
<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)
<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)
<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)