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【RIZIN44】牛久絢太郎戦へ、岸本泰昭と合体=萩原京平「よく今まであれで試合をやってたなと」

【写真】MMAは理解し始めた時に、自身の本質とのバランスの取り方という課題がスタートするが、萩原はいかに消化できているだろうか――楽しみだ(C)TAKUMI NAKAMURA

24日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44にて、萩原京平が牛久絢太郎と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年は弥益ドミネーター聡志、クレベル・コイケ、鈴木千裕に3連敗を喫した萩原。しかし今年4月RIZIN41のカイル・アグォン戦では見違えるようなパフォーマンスでアグォンを下して連敗脱出に成功した。そこには自分の弱さと向き合い、練習環境を見つめ直す萩原の姿があった。トレーナー&参謀役として信頼を置く存在=岸本泰昭との出会い、そして「牛久戦の後のことは考えていない」という真意を訊いた。


――24日RIZIN44で牛久絢太郎選手と対戦する萩原京平選手です。まず牛久戦のオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

「自分にとって相性がいい相手だと思いました。4月に朝倉未来選手とやった時にも、そのうち当たるだろうなと思っていたし、元チャンピオンなんで、勝ったらオイシイ相手ですね」

――どこに相性の良さを感じたのですか。

「どちらかと言えばグラップラーだけど極めがない。そういう選手は相性がいいんですよ。あとは打撃のスタイル、身長、距離感……それも含めて戦いやすいです」

――かなり牛久選手のことを分析できているようですが、萩原選手は対戦相手の映像など細かくチェックするのですか。

「僕は軽く映像を見るくらいで、何回も見ないんですよ。細かい部分は僕以外のメンバーが見てくれています」

――では萩原選手はどういった部分を見るのですか。

「僕は最初に映像を見た時の第一印象で、自分の武器と相手の武器、自分の弱点と相手の弱点、それを照らし合わせて、自分と相性がいいかどうかを考えます。その最初の感覚は大事にしていますね。あとは試合当日に向かい合った時の感覚。どれだけ作戦や戦略を立てていても、試合で向かい合って自分が感じたことが第一優先だと思っています」

――事前に映像を見た直感、実際に向き合った時の直感、そのどちらも重要にしているんですね。

「そうですね。あんまり試合前に考えすぎてもよくないんで。試合映像といっても、過去のものだから試合当日までに技術もアップデートされていると思うんですよ。特に牛久選手は試合ごとに新しい技や引き出しが増えているから、最近の試合の印象プラス向き合った時の感覚で試合をしています」

――萩原選手自身は今回どのようなことを意識して練習しているのですか。

「まずは寝かされないこと、寝かされてからのエスケープ、寝かされても極められないことですね。僕の一番の武器は打撃で、そこを殺さずに強みとして出せる練習を意識しています。グラウンドを警戒して、自分の強みが出せなかったら勝てないし、それを出して寝かされたらしょうがないと思うんですよ。それを考えた上での練習です」

――4月RIZIN41のカイル・アグォン戦前には近畿大学のレスリング部にも出稽古に行っていました。今回も出稽古は行っているのですか。

「大阪と東京で練習していて、東京では土居(進)さんのフィジカルトレーニングと走り込み、大阪ではSMOKER GYMと岸本(泰昭)さんのジムのプロ練に参加させてもらっていて、そこで打ち込みや作戦の確認をしています。僕と岸本さんは牛久選手の組みに関する視点が変わるんですけど、そういう見方もあるんだと気づくことも多くて、お互いの意見をすり合わせながら練習しています」

――岸本選手にはどういった経緯で練習を見てもらうようになったのですか。

「もともと大阪で一緒に練習することがあって面識はあったんですよ。で、僕がカルペディエムで岩﨑(正寛)さんと練習していた時に『萩原くんにはMMAのコーチが必要。岸本選手とかいいんじゃないですか?』と言われたことがあって。ただ、正直その時は腑に落ちてなくて、岸本さんに練習を見てもらおうとは思わなかったんです。

でも鈴木千裕に負けて、練習環境や練習のやり方を見直そうと思った時に岸本さんのことを思い出して連絡させてもらいました。そしたら岸本さんは快く自分のことを受け入れてくれて、僕のために個別の練習時間を取ってくれたり、調整に付き合ってくれたり。打ち込みのパートナーとして身体を貸してくれて、今では自分にとってなくてはならない存在です」

――なるほど。実はアグォン戦を見た時に萩原選手の個々の技術がMMAとしてつながった印象があったのですが、そこは岸本選手の存在が大きかったんですね。

「今まではMMA特有の打撃からレスリング、レスリングから寝技、そのつなぎの部分を教えてくれる人がいなかったんです。だから打撃・レスリング・寝技を練習しても、うまくMMAとしてつなげることが出来なくて。でも岸本さんはそこを理論的に教えてくれるので、一気に伸びた感じがしますね。例えば東京でMMAスパーをして、全く歯が立たなかった相手を圧倒できるようになったり、自分の成長が目に見えて分かります」

――MMAの理解度が高まりましたか。

「それもあるし、よく今まであれで試合をやってたなと思います(苦笑)。逆にその分、自分のポテンシャルを感じたし、ここからの自分はもう負けないなって思います」

――今回の牛久選手も自分が勝つイメージは明確にできていますか。

「もちろんしんどい試合になる準備もしてますよ。牛久選手も強いファイターだからそう簡単にいくとは思ってないし。倒すパターンも用意しつつ、それが通用しなかったことも考えています」

――RIZNフェザー級はクレベル・コイケの王座剥奪に始まり、ヴガール・ケラモフが王座戴冠など混沌している階級です。萩原選手にも大きな期待がかかると思うのですが、牛久戦も含めたこれからの展望も聞かせてください。

「RIZINのベルトが目標ですけど、牛久戦の後のことは考えてないです。牛久戦に全集中しています。牛久選手を倒せば自然に次のことが見えてくるだろうし、今は9月24日に勝つことしか頭にないです」

――周りからは誰々とやってほしいと言われることもあると思いますが、萩原選手自身は牛久戦に集中しているようですね。

「そういう話をしてくる人は多いんですけど、周りの声に流されていい結果が出なかったことを経験しているし、それが僕が過去の失敗から学んだことです。牛久選手は先のことを考えて勝てるような相手じゃないから、目の前にいる敵を倒す。それ以外はないです」



             
■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリー)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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