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【DEEP131】牛久絢太郎と暫定王座戦、水野新太「ここで勝つか負けるかで、僕の格闘技人生が変わる」

【写真】グランプリ優勝と青井戦の敗北。この経験が水野をさらに強くしている (C)TAKUMI NAKAMURA

4日(月・祝)、横浜市中区の横浜BUNTAIで開催されるDEEP131。フェザー級暫定王座をかけて、水野新太が牛久絢太郎と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年はフェザー級グランプリを制し、年末に青井人の持つDEEPフェザー級王座に挑戦するも判定負けに終わった水野。キャリア初黒星を喫するとともにベルトを巻くことが出来なかった。水野曰く「あの試合は僕が挑戦者として青井選手に挑まなきゃいけなかったのに、変に『俺はグランプリを制覇してるんだ!』という気持ちが大きくなりすぎていた」という。

今回は久々となるDEEPのビッグマッチでのメインイベント、そしてRIZINでも活躍する牛久との暫定王座戦。水野は挑戦者としてのメンタリティで大一番に臨む。


――試合まで残り一週間となりました(取材日は4月26日)。そろそろ本格的な練習を終えて、調整期間に入る時期ですか。

「スパーリングは明日がラストで、原口伸さんと最後にやって終わりって感じです」

――原口選手とはどういったつながりで練習するようになったのですか。

「大塚(隆史)さんが繋いでくれて、もともとは高橋遼伍戦の前にずっと練習させてもらっていたんですよ。T-GRIP TOKYOやSTG(STILL THE GOAT)に来てもらって、マンツーマンでスパーリングをひたすらやるって感じで。それを今回また再開させてもらいました」

――そういったスパーリングパートナー選びも大塚さんと話をしながら決めているのですか。

「そうですね。大塚さんと話し合って決めています。今回は対戦相手が牛久選手で、伸さんとタイプはちょっと違うんですけど同じサウスポーで背格好が似ているし、レスリング力だったら伸さんの方が上だし、いい練習になると思ってお願いしました」

――原口選手は見ている側も疲れるような試合をする選手ですが、当然スパーリングでも疲れますよね。

「めちゃ疲れます(苦笑)。僕は自分から行くんで他の選手とやっても疲れるんですけど、伸さんとやると違う疲れというか。5分3Rやったら、もう『はぁ……』と力が抜けるみたいな。伸さんも結構疲れる仕掛けをしてくれるんで、マジで疲れます」

――日本人選手であれだけレスリングでアタックする選手はいないので、いいスパーリングが出来ていそうですね。

「しかも週1回もしくは2週間に1回ペースなので、結構いい緊張感というか、慣れがあまりない分、お互い色んな武器を出して、1週間でやってきたことを出し合うみたいなスパーリングになるんです。それがめちゃいいですね」

――なるほど。練習の頻度が多いとお互い手の内も分かってきますし、良くも悪くも緊張感が薄くなりますよね。

「はい。だからやっぱり知らない人というか、普段手を合わせない人と練習するのは大事だなと思います」

――いい距離感で信頼関係が出来ているからこそ、ハードにコンタクト出来る部分もあると思います。

「結構バチバチにやれる相手なんで、めっちゃありがたいです」

――前回の試合、昨年12月の青井人戦は接戦の末に判定負けという結果でした。悔しい敗戦だったと思いますが、そこも踏まえてどういった部分にフォーカスして時間を過ごしてきましたか。

「自分に足りなかった部分は、試合で自分から行く気持ちだったり、メンタル的な部分だと思ったんで、そこはもう試合に向けて作っている段階です。自分自身色々と考えて、練習ではもっと激しく自分が仕掛けたり、失敗してもいいから、色んな形を試すことをより意識してきました」

――自分のスキルを上げて隙をなくすことも必要ですが、一発勝負の試合では思い切ってギャンブルすることも求められます。そのバランスは意識していますか。

「試合当日になったら、練習してきたことしか出ないし、そこの質をより求めてますね。あとは前回負けてしまった部分で言うと、自分がチャレンジャーだという部分も大事だなと思っていて。今回は牛久選手に挑戦する気持ちを持ち続けて、集中して練習できたと思います」

――王座決定戦であってもイーブンの立場ではなく、自分がチャレンジャーという意識を持っているわけですね。

「前回の青井戦は、自分の中で言うとグランプリを制覇した気持ちでやりすぎたというか、自分がグランプリ王者なんだということを気負いすぎていたと思います。タイトルマッチである以上、あの試合は僕が挑戦者として青井選手に挑まなきゃいけなかったのに、変に『俺はグランプリを制覇してるんだ!』という気持ちが大きくなりすぎていましたね」

――もちろん青井選手に勝つに越したことはなかったと思いますが、あの敗戦があったからこそメンタル面も含めて、自分を変えるきっかけになったのではないですか。

「だいぶ変わりましたね。自分の試合のあとに相本宗輝選手のRIZIN参戦が決まったり、周りでみんなの試合が決まっていく中で、やっぱ悔しい思いがめっちゃあったんで。その分、自分は1回1回の練習に集中して、それで自分の弱い部分も見えてきたし、今はあそこで悔しい想いをしたことは良かったなと思います」

――またDEEPのビッグマッチでベルトをかけて戦えることに関して、気持ちは上がっていますか。

「めちゃくちゃ嬉しいです。最初は別の候補もいたんですけど、牛久選手と暫定王座決定戦という話だったので、すげえ嬉しかったです」

――牛久選手のことは対戦相手として意識はしていたのですか。

「はい。もし牛久選手がRIZINに出ずにDEEPに出るんだったら、牛久選手とやりたいということは佐伯(繁)さんにも伝えていて。試合が決まった時は素直に嬉しかったし、牛久選手がRIZINに出始めた時、自分は普通にアマチュアだったんで、そういう相手とDEEPのビッグマッチで戦えることは本当に嬉しいです」

――以前は「この選手すごいな」とか「こんな選手がいるんだな」という感覚で、自分が試合をする相手という距離感では見ていなかったですか。

「はい。斎藤(裕)戦も朝倉(未来)戦も普通に(観客として)見ていたし、そういう相手と試合することはすごく新鮮ですし、自分もここまで来たかという感じはあります」

――それと同時に水野選手にとって牛久選手は「この相手に対してどれだけやれるのか?」が試される相手だと思います。

「自分は普段から色んな人たちといい練習ができているし、1試合1試合、自分が強くなっていることも感じています。去年はグランプリ含めて4試合やって、常に追い込んでいるような感じだったんですよ。自分は怪我しないタイプなので、ずっと集中していい練習が出来ています。自分が強くなれるのは試合前の期間というか、試合に向けて本当に集中して毎日練習できる環境があるので、それがすごく自信になっていますね」

――RPGのように試合をやるごとに経験値を積んでレベルが上がっているようですね。

「そうですね。より(動きの)精度が上がるというか、出来ることも増えています。それで逆に難しく考えちゃう部分もあるんですけど、試合中に色んな選択が出来るように武器は増やしていきたいし、相手に合わせた戦い方が出来るようになってきたと思います」

――一回一回の練習の濃度も濃くなっていますか。

「対戦相手に対する練習もそうですし、自分は練習で出しきらないと嫌なんですよ。例えば2部練・3部練がある日に『このあと夜も練習があるから…』と言って、午前中の練習をセーブするのが好きじゃなくて。自分は一回一回の練習で全部出し切りたいし、そういう練習をやっています」

――牛久戦でどんな結果を残すか。水野選手のキャリアにおいてもターニングポイントになる試合だと思います。

「ここで勝つか負けるかで、僕の格闘技人生が変わる部分もあると思うし、牛久選手という名前もあって強い選手とこの舞台でやれることに誇りとリスペクトを持って戦いたいと思います」

――この試合をメインイベントに選んでもらったことは誇らしいですか。

「そうですね。僕は佐伯さんが(メインを)託してくれたと思っているんで、その分プレッシャーもあるんですけど、前回の試合では出来なかった面白い試合をやりたいというか。中途半端な試合にはしたくないんで、みんなが求めている試合をしたいなと思います。そのための練習をしてきたので、それを試合で出したいです」

――先ほどは周りの選手の活躍が刺激になっているということでしたが、俺のことを忘れるなよという気持ちはありますか。

「めちゃくちゃ思いますね。この世界、5カ月試合をしてなかったら、みんなに忘れられちゃうわけじゃないですか」

――確かに……まだ青井戦から5カ月しか経っていないんですね。もっと前のように感じていました。

「自分は試合間隔が5カ月空くことがあまりないし、その分待ってくれている人たちもいるので、その人たちにいい試合を届けたいです」

――牛久選手に勝ってDEEPのベルトを獲ることで色々と道が拓けると思います。牛久戦をクリアしてRIZINファイターやフェザー級のトップ選手たちに食い込んでいきたいですか。

「そうですね。そういう上の人たちとやっていきたいし、全然やっていける自信はあるんで、それを試合で証明したいです」

――「これから俺が上に行くから待ってろよ」と。

「やっぱり自分が上の選手に勝っていかないと、日本のMMAが盛り上がらないと思うんで」

――それでは最後にこの試合を楽しみにしているみなさんにメッセージをいただけますか。

「しっかり最高の準備をして、みなさんにいい試合をお見せするので楽しみにしていてください」

■DEEP131 視聴方法(予定)
5月4日(月・祝)
午後1時30分~U-NEXT、サムライTV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ


■DEEP131 対戦カード

<DEEPフェザー級暫定王座決定戦/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
水野新太(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[暫定王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 倉本大悟(日本)

<DEEPフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 村元友太郎(日本)
[挑戦者] 力也(日本)

<DEEPバンタム級暫定王座決定戦/5分3R>
平松翔(日本)
鹿志村仁之介(日本)

<DEEPストロー級選手権試合/5分3R>
[王者] 杉山空(日本)
[挑戦者] 知名昴海(日本)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
角野晃平(日本)

<59キロ契約/5分3R>
猿寿健太(日本)
関原翔(日本)

<バンタム級/5分3R>
瀧澤謙太(日本)
雅駿介(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
狩野優(日本)

<ライト級/5分3R>
泉武志(日本)
山本颯志(日本)

<水野竜也引退エキシビションマッチ/2分2R>
水野竜也(日本)
シビサイ頌真(日本)、上田幹雄(日本)

<メガトン級/5分3R>
赤沢幸典(日本)
金田一孝介(日本)

<バンタム級/5分3R>
窪田泰斗(日本)
小崎連(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
タンク内藤(日本)

<バンタム級/5分2R>
諏訪部哲平(日本)
石坂空志(日本)

<フェザー級/5分2R>
杉野亜蓮(日本)
ダイヤ(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
今野連弥(日本)
武井大将(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
ショウエイ(日本)
矢代光(日本)

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