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【Fight&Life & UFC ESPNE52 & RIZIN】中村倫也×山本アーセン。血の通っていない、心で結ばれた兄弟

【写真】28歳と26歳になれば、実の兄弟でもこんなに会話は弾まないでしょう――というぐらい多くの逸話、相手に対する信頼感が語られた(C)MMAPLANET

本日23日(水)発売のFight&Life#98で、26日(土・現地時間)にシンガポールでUFCデビュー戦を光中村倫也と、5月の伊藤祐樹撃破から3カ月が過ぎて次戦の発表が間近に迫っている山本アーセンの対談が掲載されている。

THE1TVが両者の1日を追うドキュメンタリー動画のなかで、両者が1時間に渡り5歳と3歳の出会いから、それぞれのレスリング道を経て、MMA自身のファイターとして再開を果たして今に至る――そんな日々を徹底的に語り明かした。

優等生の倫也、悪ガキのアーセン。一見、そんなイメージのある両者は実は天然とシャイ、血よりも濃い心で通じた兄弟関係にある。その両者の対談を雑誌のスペースの都合で掲載されなかった部分と、一部抜粋してここに紹介したい。意識高めな中村倫也と、人見知りの山本アーセンの精神世界と武術的要素を受け入れる素養とは。


──昨年6月にRoad to UFC初戦で勝ち、その2カ月後に倫也選手がフリーとなりました。アーセン選手のいうところの『あぁ、この感じ』という再合体となります。当時、何かとなかなか厳しい精神状態だったアーセン選手ですが……。倫也選手と距離が最接近して救われた部分はありましたか。

アーセン 俺はそういうことで人に相談に乗ってもらおうとか思わなくて。そういうのが、逆に嫌だから。ただ倫也は『一緒にRoad to UFCに行こう』と言って背中を見せてくれました。自分のメンタルが上を向き始めたのは、アブダビで2人の時間が多くて、倫也からずっと『呼吸の仕方』とか意識高めの話を聞いてからなんです。『アーセン、俺の活力って何か知っている?』とかビュッフェで飯を食っている時も話してきて。『玉ねぎなんだ』って(笑)。

倫也 ハハハハハ。

アーセン 『玉ねぎを食べて、ミトコンドリアを活性化させないと』とか。あとは4096ヘルツの音域をチーンって鳴らすと、リラックス効果があるからって、チーンってやってくるくる回ったりして(笑)。

倫也 『4096ヘルツ、纏っていこう』ってね(笑)。

アーセン そういう風に倫也と一緒にいると『子供の時のように、自分のこと考えて良いんだ』と思えてきて。倫也には『こうやって自分を高めるんだ』ということを見せてもらいました。

倫也 アーセンはKRAZYBEEというジムを継いで、下の子たちもいるから凄く背負うモノが多いんです。だから、あれだけ自力があっても自分が強くなることに集中できない。MMA理論も会って話すたびに、凄い知識量なのも分かりました。だから、あの色々なことが整理できない状態から脱却すると、もう凄いことになる。問題はそこだけだって、すぐに分かりました。アーセンを見て『凄く苦労をしたな。でも大丈夫だ』とすぐに確信できました。

──精神世界、そして武術的な事象を倫也選手もアーセン選手も受け入れている点があります。スピリチュアルや武術という単語がなければ頭に入りやすいことも、その単語があることで拒絶反応を示す人が多いなかで。

アーセン 間違いないです。

倫也 心の位置が違うことを、四股や蹲踞で知れますからね。ズレがあるならそこを修正してから、練習に入るようにしています。

──統一体で、肝が据わるということですね。四股を踏んで蹲踞をしていると、『MMAに役立たない』と言われることもあるかと思います。二人とも、オープンマインドの持ち主である証かと。

アーセン 俺は頑固なところもあるんですけど倫也に対しては、そうならないのは自分が気持ちを許しているからで。実際には皆に倫也と同じように接することができるわけじゃないし。意外にも人見知りといえば、人見知りで。

──全く意外でなくて、人見知りそのものじゃないですか(笑)。

倫也 アハハハハ。確かに。

※出会いとキッズ・レスリング。アーセンのハンガリー移住、倫也の五輪挑戦最終章。そして再会とKRAZYBEEでのプロ練習、それぞれの次戦について中村倫也と山本アーセンが語りつくした対談が掲載されたFight&Life#98は8月23日(水)より発売中です。

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