【DEEP115】Black Combatとの対抗戦。石司晃一×ユ・スヨンと青井人×シン・スンミンに要・要・要注目
【写真】青井はベルトを持たないが、正規王者&暫定王者が不在のなかDEEP代表としてシン・スンミンと対戦。つまり、それだけ王座に近いの青井ということだ(C)MMAPLANET
9月18日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 115 IMPACTで行われるDEEPvsBlack Combat 7×7全面対抗戦の対戦カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura
今年2月に第一弾が組まれた、DEEPとBlack Combatとの対抗戦。1st ROUNDとなった韓国・スウォン・コンベンションセンターでのBlack Combat05では、ライト級王者の大原樹理、女子ミクロ級及びDEEP JEWELSアトム級チャンピオンの大島沙緒里、フェザー級とメガトン級のタイトルコンテンダーである中村大介と赤沢幸典、そして山本聖悟という本気度100パーセントのメンバーを揃えたDEEP勢だったが、ブラックコンバットに2勝3敗と負け越す結果に終わった。
その後、Black Combatのブラック代表は4月に来日し、RIZINとの対抗戦への意気込みを見せていたが、DEEP佐伯代表が雪辱を果たすべくホーム=日本で対抗戦の第2弾を意地の主催。韓国勢が東京ドームホテルに宿泊するなど、現地でのホスピタリティに対して、オ・モ・テ・ナ・シで意地を見せている。
そんな今回の対抗戦にはチャンピオンを揃えたBlack Combat勢に対し、現DEEPバンタム級暫定王者の石司晃一、現DEEPウェルター級王者の鈴木槙吾、現DEEPメガトン級暫定王者の酒井リョウを筆頭に、初代Fighting Nexusフライ級王者の駒杵嵩大とRIZIN・DEEPで連勝中の青井人、そこに韓国ROUNDで勝利した大原・大島を加えた、佐伯DEEPはまさに本気度150パーセントといえるメンバーを揃えた。
この対抗戦でMMAPLANETとして注目したいのが、石司晃一×ユ・スヨンと青井人×シン・スンミンの2カードだ。
石司と対戦するスヨンは韓国柔術界史上最年少24歳で黒帯を取得し、MMAでは母国・韓国でZEUS FCフェザー級王座、Black Combatライト級王座、カザフスタンのNEIZA FCフェザー級王座を次々と戴冠。昨年大晦日にBlack Combatでフェザー級を獲得し、ライト級に続いて2階級制覇を達成した。
7月にはバンタム級に階級を下げ、Black Combatバンタム級王座戦に挑むも計量失敗。一本勝ちを収めるも、王座獲得とはならなかった。5本目のベルトこそ手に入れられかったスヨンだが、ライト級からバンタム級という階級で戦い、これだけの実績を残していることは驚異的と言えるだろう。
韓国人MMAファイターといえば、打たれ強さとスタミナ、そして思い切りのよい打撃で試合を組み立てるイメージだが、スヨンのファイトスタイルはそれと違う。細かくジャブとローを散らし、ダブルレッグからテイクダウン、トップキープ・ポジショニングで相手をコントロールしてフィニッシュを狙うというもの。
柔術ベースでサブミッションによる一本勝ちが目立つが、そこにいたるまでにコンパクトなジャブ・ワンツー、そしてカーフキックで対戦相手を削る技術にも長けている。決してエキサイティングで派手な試合にはなりにくいが、よりグローバルなMMAを意識&アジャストを目指しているスタイルだといえるだろう。
ロングリーチを活かしたジャブで距離を制してペースを掴む石司としては、いかにスヨンの接近を止められるか。一発で試合をひっくり返す右フック&ストレートが魅力の石司ではあるが、勝利に近づくためには、その右に頼らない試合運びが求められる。
一方、青井と対戦するスンミンは従来の韓国人MMAファイターのイメージ通りの戦い方をする選手だ。重心を落としたスタンスの広い構えからパンチの強打&ロー・カーフキックのプレッシャーをかけ、最終的に打撃でのKOを目指すスタイルで、昨年12月からBlack Combatに主戦場を移してからは2連続KO勝利中。
今年4月にDouble GFC暫定王者だったパク・チャンスを左フックからのサッカーボールキックで沈め、Black Combatのフェザー級王座に就いた。
ガードを高く構えて細かい打撃から試合を組み立てていく青井とは、スタンドでの距離・間合いも似ており、必然的にスタンドの時間が長い展開が予想される。
ただしスンミンがほぼスタンドの攻防に終始するのに対し、青井には昨年11月のRIZIN LANDMARK04での鈴木博昭戦のように、スタンドの攻防で後手に回ってもテイクダウン&グラウンドゲームという選択肢がある。スンミンのテイクダウンディフェンス能力が勝敗の鍵を握る一戦になりそうだ。
<この項、続く>