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【Shooto2023#03】オリベイラ・ネイト戦直前、田中半蔵―02―「新しいスタイルを見せやすい相手」

【写真】昨年5月には、得意の打撃と新たにテイクダウンを融合したスタイルで結城大樹を下した田中半蔵。ストライカーのオリベイラ・ネイト戦でこそ、新スタイルの本領発揮か(C)TORAO NATION STATE

21日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2023#03で、ブラジルのロイベ・デ・オリベイラ・ネイトと対戦する田中半蔵のインタビュー後編。

Text by Shojiro Kameike

2023年に入り、修斗フェザー級が大きく動いた。1月大会は元Grachan王者の山本琢也が修斗に参戦し、山本健斗デリカットをKOしてランキング1位に。続く3月にはSASUKEが飯田建夫をKOして世界王座を防衛した。そのSASUKEは今年もRoad to UFC出場が決定しており、今後の動向も注目される。そんななかでランキング5位につける田中は、同じくランク8位のネイトを下せば一気にベルトへ近づくだろう。2023年の中心となったフェザー級の行方を占う一戦を前に、田中にネイトの印象と修斗王座への想いを訊いた。

<田中半蔵インタビューPart.01はコチラから>



――今後は修斗王座を目指していくとのことですが、今年3月に行われた世界フェザー級タイトルマッチの感想はいかがですか。王者SASUKE選手が挑戦者の飯田建夫選手をKOし、ベルトを防衛しました。

「やはり『ここは強いな』『これは巧い』とか、『自分が対戦したら、どうするかな』という見方をしてしまいますよね。でも視ていて、自分には無理だとかは一切思わなかったです」

――ではベルト戦線に絡んでいくうえで、他のランカーと比べて田中選手のストロングポイントとは何だと思いますか。

「最初に言ったとおり、テイクダウンと打撃を織り交ぜて勝負できるようになったのは大きいです。今でも打撃だけならキックボクサーにやられてしまうし、レスリングでも大学生にテイクダウンされてしまいますよ。でもトータルで――MMAとして勝負しますから」

――なるほど。そのニュースタイルを身につけて挑む次の試合ですが、対戦相手のネイトは完全なストライカーです。

「前回の結城君は完全なグラップラータイプで、今回はストライカー。両極端な選手と対戦することになりましたね。加藤ケンジ戦を視ると、結構パンチを振ってくる選手で」

――ネイトはヒジやこかし、加藤選手が倒れた際に蹴りを入れる素振りを見せるなど、打撃のベースはムエタイと思われます。

「加藤選手がスリップダウンみたいな形で倒れた時も、上を取らずに『立て、立て!』みたいな感じでスタンドを要求していて……。最後はパウンドアウトしましたけど、それもスタンドで効かせてからのパウンドですし。まぁ、寝技をやる気は全くないでしょう(笑)」

――確かにそうですね。

「ここまで極端なストライカーと対戦するのは久々です。打撃も硬そうですね。それと加藤戦は63キロ契約で今回はフェザー級(65.8キロ以下)だから、試合当日はもっとデカくなっていると思うんですよ。そもそもフィジカルも強そうで」

――一方、加藤選手は本来バンタム級のファイターです。

「相手がバンタム級だから、ネイトが大きく見えたのかもしれないし、あるいはフェザー級に戻したらもっと強いのか……」

――さらに強烈なラッシュは目を見張るものがありました。

「日本人選手なら普通は2~3発で終わることろが、4~5発と出してきますからね。でも前にガンガン来る相手のほうが、カウンターを取りやすいです。今ならパンチを振ってきたところにテイクダウンも合わせることができますし。そういう意味では、自分の新しいスタイルを一番見せやすい相手なのかな、と思っています」

――あとはテイクダウンディフェンスがどこまでのレベルにあるか……。

「加藤戦では、そういう展開がなかったじゃないですか。何年か前にブラジルでやっている試合の映像を視ると、テイクダウンの攻防でモタついている感はありました。でも昔の試合ですし……。寝技の対応も未知な部分があります。やってみないと分からない、ということですね(苦笑)。でも今はどう戦うかというイメージは出来ていますし、試合ではフィニッシュまで持っていきたいです」

――田中選手は現在、修斗世界フェザー級5位につけています。ランキング上位陣の動向次第ではありますが、ここで勝てば一気にタイトル挑戦へ近づくかもしれません。

「はい。自分にとっても今回の試合は大きいと思っています。あえてブラジルから選手を呼んでくれて、『タイトル挑戦前に良い試合を見せてほしい』みたいなメッセージも感じますよ(笑)」

――アハハハ。田中選手は2008年に修斗でプロデビューし、2013年まで修斗を主戦場としていました。今の田中選手にとって修斗のベルトとは、どのようなものなのでしょうか。

「憧れ、ですね。アマチュア修斗からやってきて、シューティングジム横浜でもマモルさん、リオン武さん、不死身夜天慶さん――チャンピオンも多くて盛り上がっていました。自分もそんな方たちと同じように、ベルトを巻いてみたいです。修斗のベルトを巻くことは、ずっと目標でした。まさか、この年齢でまたチャンスが来るとは思っていませんでしたが。アハハハ」

――継続は力なり、ということでしょうか。

「そうですね……。でも、続けても負けていたら、『もう辞めようか……』と考えちゃうかもしれないですし。続けて、勝つことが大切ですから。来週にはTORAO福岡大会も行われるので、地元を盛り上げることはできたら良いですね。福岡には経験は少なくても、幅の広いプロシューターもたくさんいますから」

■視聴方法(予定)
5月21日(日)
午後5時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ Shooto2023#03対戦カード

<フェザー級/5分3R>
田中半蔵(日本)
ロイベ・デ・オリベイラ・ネイト(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
須藤拓真(日本)
齋藤奨司(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
YOKOSAI(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
竹原魁晟(日本)
磯部鉄心(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
浜松ヤマト(日本)
上原平(日本)

<バンタム級/5分2R>
よしずみ(日本)
松下祐介(日本)

<バンタム級/5分2R>
新井拓巳(日本)
永井奏多(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
古賀優平(日本)

<フェザー級/5分2R>
國頭武(日本)
青井太一(日本)

<フェザー級/5分2R>
齋藤翼(日本)
岡田達磨(日本)

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