【UFC288】五感&五体を駆使したチェスゲームは、ステーリングに軍配。セフードからスプリット判定勝ち
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ヘンリー・セフード(米国)
前に出るステーリングが右ハイを蹴る。さらに左ローから左ハイを繰り出し、セフードは見る展開に。左右に動き、右を伸ばしたセフードに対し、構えを変えて前に出るステーリングがヒザ蹴りへ。蹴り足を掴み、ボディロックに移行したセフードが簡単にテイクダウンを奪う。バタフライガードのステーリングは、セフードの腰を浮かしてレッスルアップへ。シングルを許さずにセフードががぶると、3/4ネルソン&エルボー。立ち上がって離れ両者、パンチの応酬からステーリングの蹴り足を掴んだセフードの右は空振りに。
ここから組み合いとなり、セフードがケージに押し込む。体を入れかえ、ダブル狙いのステーリングを切ってがぶったセフードだが、スイッチ狙いからステーリングが左腕を差してケージに押し込む。前方に下してバックに回ったステーリングが、ヒザを腿やワキ腹に入れ、小外刈りでテイクダウンで倒してバックを取る。ヒザ&ヒジを打ったステーリングが初回をリードした。
2R、まず右カーフを蹴ったセフードに対し、前に出るステーリングがカーフを返す。セフードの右は届かず、逆にステーリングが左を入れる。一瞬のクリンチアッパーもステーリングが間合いを外し、セフードの右ハイが頭部をかすめる。ステーリングは前蹴り、シングルを切って離れる。左フックを見せたセフードだが、ステーリングが蹴りを多用し詰めることはできない。それでもステーリングのダブルレッグも遠く、動じることなく立ち続けるセフードの圧が上回って来る。
ステーリングの右をかわし、バックを伺ったセフードは、ここに固執せず真正面に立つとカーフからパンチを狙う。ボディを殴ったステーリングは下がり、回る場面が増えてきた。セフードは逆にジャブを貰っても前に出て、スピニングバックエルボーをかわす。右オーバーハンドをダック気味にかわしたステーリング、そこにセフードが右ハイを狙う。ニータップからパンチにつなぐセフードに対し、ステーリングが右ロー。セフードがローを返し右を当てると、シングルをかわしてスクランブルからがぶって時間に。
3R、左ミドル、ローと蹴りを使うステーリングに対し、セフードが右ミドルを蹴り、右を当てて跳びヒザへ。ステーリングのテイクダウン狙いをがぶったセフードは、リリースして立ちの間合いに戻る。すぐにシングルを仕掛けても、切られたステーリングがヒザをボディに被弾する。それでも組んでボディロックに入ったステーリングは、ここの逆にケージに押し込まれてしまう。
ケージ際でポジションを2度、3度と入れ替えステーリングが小外で姿勢を乱させ、起き上ってきたセフードのボディにヒザを突き刺す。しっかりと左腕を差しいれ、ここからダブルレッグ、さらにボディロックに転じたステーリングだが、回ったセフードが離れる。セフードは組んでくるステーリングに右を当て、シングルレッグはスプロール。ステーリングもバックに回らせないが、ここもセフードががぶってリリース、胸をマットにつけているステーリングが立ち上がるをまっている。ステーリングはパンチから組んでヒザ蹴り、ここでセフードがボディロック&大内刈りでテイクダウンを決め、ガードの中からパンチを繰り出してラウンド終了を迎えた。
4R、右カーフを3発蹴ったステーリング。さらに右カーフを見せると、セフードも右ローを返す。足を使い左右に回るステーリングが左ミドル、セフードは左ボディフックを振るう。シングルのフェイクに続き、右を狙ったステーリングが左ヒジを見せる。セフードは右を振るって前に出て、組み狙いにヒザを突き刺す。
トリッキーなステーリングに対して、セフードは王道の圧を掛けて組むというファイトでケージに押し込む。押し返され離れたセフードだが、圧を掛けてテイクダウン狙いを切る。懸命に動いて仕掛けるステーリングは、組んでヒザをボディに入れる。離れては左ジャブのステーリングが、やや動きが落ちてきたように見えるセフードに右を当てる。
セフードはここで組むと、押し返してきたところでスナップダウン、さらにシングルにクレイドルで対抗する。ここでステーリングが起き上り、ダブルレッグからリバーサル。右足を両足で挟み、勢いのあるパンチを見舞ってラウンドを取った。
最終回、セフードが圧を掛けステーリングが右ハイを蹴る。左右に動くステーリングが左ミドル、セフードの左は届かない。正面に立ったステーリングに対し、セフードが右ミドルを蹴り、右をかわす。パンチからテイクダウン狙いという動きのステーリングだが、右の蹴りで上体を伸ばされる。と、ステーリングがスピニングバックキックも当たりは浅い。さらにテイクダウン狙いから右を当て、直後に左をヒットさせる。
セフードも左も返し、シングルレッグから右を打ちこむ。ステーリングの動きの多さに、惑わされそうになりながら前に出て圧を掛けることで、流されなかったセフードはダブルレッグをスプロール、ウィザーで止めて離れる。ここでヒザ蹴りを決めたセフードは、クリンチでケージに押し込まれてヒザを受けるが、離れて圧をかけなすとシングルレッグからレッグリフト、そのまま押し込んでテイクダウンを奪う。
スクランブルでバックに回ったセフードは、ステーリングがスピニングバックエルボーを放ったタイミングで正対すると、ダーティボクシングでパンチを入れた時間を迎えた。
1Rと4Rはステーリング、2R、3R、5Rはセフードか。この接戦ではジャッジがどう判断するかは、もう主観でしかない。結果、スプリット判定でステーリングが王座防衛に成功した。
次期挑戦者としてショーン・オマリーがオクタゴンインし、ステーリングと罵り合いを始める。それでも会場のファンは、裁定結果に不満を持っているようで──その空気を両者のフェイスオフでも払拭することはできず、セフードがマイクを握ると大きな声援が送られた。