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【UFC288】左が使えなくなった?? ドゥリーニョを淡々としたファイトでベラル・モハメッドが下す

<ウェルター級/5分5R>
ベラル・モハメッド(米国)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)

構えを変えるドゥリーニョ、左回りのドゥリーニョが右を伸ばして前に出る。続いてドゥリーニョ右カーフを蹴ると、モハメッドのパンチをアックステップでかわす。左ハイから左ストレートを入れたモハメッドは、サウスポーに構えると、右ミドルを蹴られる。攻撃を散らすなかで、右ストレートを狙うドゥリーニョ。モハメッドの左ミドルにテイクダウンを合わせる。尻もちからすぐにモハメッドは立ち上がり、間合いを測りながら左ローを蹴る。ドゥリーニョは右で飛び込むと左ミドルを入れるが、左を被弾しパンチを2発、3発と受ける。それもドゥリーニョは右ミドルを繰り出し、掴まれても足を引き抜く。最後の10秒、右に左ハイを合わされたドゥリーニョがマットに手をついた。

2R、ドゥリーニョが右カーフを蹴り、左ミドルを捌く。ステップインからドゥリーニョは右を決め、モハメッドは左ハイをガードの上から蹴る。まだ爆発力を抑えた打撃戦のなかで、ドゥリーニョが右オーバーハンドを当てた。中盤、間合いを測り動きが減った両者。モハメッドの左ローに左を合わせに行ったドゥリーニョが、続いて右をヒットさせる。モハメッドは左ミドル、もう一発腹を蹴ってショートコンビを繰り出す。

腹が効いているのか、窮屈で詰まったような上半身の動きになったドゥリーニョが、パンチから肩で当たっていくが、モハメッドも左を振るう。モハメッドが圧で上回った2Rだった。

3R、2カ月連続のビッグマッチにやや覇気に欠けるようにも映るドゥリーニョが、右カーフから右ミドルを蹴る。急所だとアピールしたモハメッド、ドゥリーニョが頷き試合が続く。モハメッドが常に圧を掛けるよううになり、ドゥリーニョはケージの前を移動する。モハメッドも用心深く戦い、右ハイを2発。さらに右ストレートを伸ばす。ドゥリーニョも右を返すが単発だ。左ミドルでガードが一瞬落ちたドゥリーニョに対し、モハメッドは左ハイを狙う。手数が増えないドゥリーニョに対し、モハメッドがジャブ、ストレートからミドルハイを蹴っていく。初回のドゥリーニョのダブルレッグ以来、組みのないままこの回も終わった。

4R、ドゥリーニョが右カーフ、モハメッドは左ミドルを蹴り、左につなぐ。ドゥリーニョも右を振るうが、左はない。どこかで負傷したか、右一本では思ったように戦えておらず、精神的にも内燃エンジンに燃料が送られないようだ。変わらずモハメッドが左ミドルを入れる。常に前に出るのがモハメッドで、ドゥリーニョはケージの前を移動する。足を取りかけたドゥリーニョは、右を打ちこむ。2分を切り、シングルレッグもすぐに足を離したドゥリーニョは、動きが重い。なかなか大きな動きがないなから、終盤になりドゥリーニョが右をヒットさせると、モハメッドがミドルを返すが動き&手の少ない5分だった。

最終回、ドゥリーニョのダブルレッグを切ったモハメッドが右ミドルを決める。最後の5分も、両者の動きは大きな変化は見られず、ステップインとバックステップ、そしてサークリングを繰り返す。ドゥリーニョは右ミドルから右を届かせる。ショートのコンビ、右を伸ばすモハメッドは、蹴りにつなぐ。手数で上回るモハメッドは勝っており、これで良いだろう。何とかしたいのはドゥリーニョだが、勝負を仕掛けることはできないまま時間となり、会場は大ブーイングに包まれた。

オファーを受けた時は「やれる」という想いしかなかっただろうが、試合になると別。左手の状態が気になるが、そこを越えて勝利を得るという風にはなれないまま試合は終わった。結果は3-0でモハメッドに凱歌が挙がったが、その勝者にしても特別なインパクトはなく勝利という実を得たファイトだった。


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