【UFC285】シェフチェンコ、スピニングバックキックに背中を取られ……グラッソがRNCで新王者に
<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
Def.4R4分34秒by RNC
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
右ローをまず蹴ったシェフチェンコが、前蹴りを見せる。グラッソは左ロー、右を伸ばす。そこに右を合わせて行ったシェフチェンコが、左ストレートからスピニングバックフィスト、直後に左ミドルを決める。後ろ回し蹴りを見せたシェフチェンコは、右ローを蹴り合うとグラッソの左をかわして、右ジャブを当てる。
グラッソもステップインから左をヒットさせたが、直後にシェフチェンコが左を打ち返す。右ジャブを当てたシェフチェンコが、グラッソの右フックにもジャブを入れる。グラッソは左からフォローの右を当てシェフチェンコが一瞬、動きを止める。さらにワンツーで前に出るグラッソは、シェフチェンコのワンツー、ハイキックに距離を取る。ワンツーに組んだシェフチェンコが左エルボーを狙う。
左オーバーハンド、前蹴りのシェフチェンコがスピニングバックフィストからミドルというコンビをもう一度見せる。直後にグラッソがダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブルでパンチを重ねた。シェフチェンコは払い腰、グラッソが耐えて同体で腹ばいになった両者──時間となった。
2R、ジャブから左ストレートを伸ばしたグラッソ。続くジャブに、シェフチェンコがダブルレッグを合わせテイクダウン、背中をマットにつけさせる。クローズド&閂のグラッソは続いて頭を抱えに行くが、スクランブルには持ち込めない。シェフチェンコは足を一本抜き、即パスへ。ブリッジを潰してクルスフィックスのシェフチェンコが殴りに掛かる。グラッソは腕を抜き、ケージを蹴って正対するとレッスルアップからスタンドに戻る。
残り2分、シェフチェンコはワンツーをかわし、構えを変えるグラッソのローに右を合わせる。前に出るグラッソは後ろ回し蹴りから右を伸ばすが、距離が遠い。シェフチェンコはケージに詰まりそうにながらも、ダブルレッグでテイクダウンを決めてトップで時間を迎えた。
3R、距離を詰めていくグラッソに対し、シェフチェンコはハイをかわして右ジャブを入れる。グラッソも右を返しスイッチを返しつつ前へ。シェフチェンコは変わらずジャブからロー、ワンツーからスリーとパンチを纏める。テイクダウン狙いは反応したグラッソがロングの左を当てるも、直後に右ハイを受けそうになる。さらにチャンピオンは左ストレートを入れ、パーフェクトなタイミングでダブルレッグテイクダウンを決めた。
背中をつける時間が増えてきたグラッソは、下から細かいパンチを入れるがホールド気味のガードワークだ。頭をつけた状態から、時折り上体を上げて殴るシェフチェンコはブレイクを命じられた直後に殴ってしまう。
謝罪したシェフチェンコが、スタンドに戻るとすぐにダブルレッグを決める。ここでグラウンド状態にもかかわらず顔面を蹴りに行ったグラッソをレフェリーは流す。グラッソがギロチンも、すぐに時間となった。
4R、鋭い左を見せて前に出るグラッソ、シェフチェンコはここもダブルレッグへ。切ったグラッソは、スーパーマンジャンプに反応するが、なかなか手が出ない。シェフチェンコもグラッソの動きを見てのファイトとなり、静かな展開に。シェフチェンコは右ジャブを続け、グラッソがテイクダウン狙いからケージに押し込んでいく。ボディロックに取ったグラッソが倒せず、右で殴っていく。
残り80秒で離れた両者、シェフチェンコがジャブを当てスピニングバックキックへ。グラッソはここでバックに回り両足をフックして、一気にグラウンドに持ち込む。RNCに入ったグラッソ。仰向けにされたシェフチェンコは、アゴの上からの絞めヒジを押し上げて耐えようとしたが──観念、タップした。
まさかの一本負け、8度目の防衛に失敗したシェフチェンコは呆然とし、メキシコ人女子初のUFCチャンピオンになったグラッソは「長い間、この時が来るのを待ちわびていたの。この形の練習をしてきた毎日、毎日。こんなにハードに練習したことは、これまでなかった」と新世界女子フライ級王者は語った。
一方、「どれだけ試合を支配しても、一つのバカげたミスで全てがひっくり返る。これがMMA。アレクサ、おめでとう。私の方が強くても、スピニングキックで全てが変わった。皆がハードに練習してきて、やるべきことを試合でもやっているわ。こういうこともある。タイトルをすぐに取り戻したい」としっかりと話した。
<175ポンド契約/5分