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【UFN218】ヘスウ・アギラーと対戦、平良達郎─02─「もっと大きな幻想を皆に抱かせたいです」

【写真】中村倫也か風間敏臣かは別にして、幻想以前の期待値が上がる一枚だ (C)TAKANORI ONIKI

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」でヘスウ・サントス・アギラーと対戦する平良達郎インタビュー後編。

日本では戦うことができない、粗い圧力。パンチとギロチン、ともに一発があるアギラー戦を前に平良はたくましいほどに落ち着き、笑顔を取材中も見せ続けた。世界に出る前に懸念された経験不足を危惧する声は、UFCで試合を重ねる度に払拭され、逆にその可能性の大きさへの期待値が増す一方になった。そんな平良の口から、2024年に王座挑戦という言葉が聞かれた。

<平良達郎インタビューPart.01はコチラから>


──沖縄の選手が力をつけている要因の一つに、平良選手の活躍もあるかと思います。

「あぁ、そうだと嬉しいです(笑)。昔からずっと練習してきた皆が僕のことをどんな風に見ているのかは分からないです。ただUFCで戦うようになった今も、ずっと練習相手をしてくれていて凄く有難いです」

──では対戦相手、ヘスウ・アギラーの印象を教えてください。

「ギロチンで勝っている試合が多いので、そこは当たり前に気を付けないといけないですね。技術というより粗い感じなので、本当にギロチンと一発、そこは気を付ける。そして自分のテーマとしては、試合でしか経験できないことがあるので、打撃だとか色々と見せることができていない攻防ができれば良いなと思っています」

──突進力、振りまわすフック。左フックを3連発で出して、3発目はボディだとか。彼のレンジになると、あの右フックも非常に怖いという印象を持ちました。一発を被弾して、安直に組みで誤魔化そうとするとギロチンが待っています。

「そこは最初に指摘されました(笑)。打撃でもし嫌な感じになった時、あるいは下になるようなことがあった時も、下へのテイクダウンをしない方が良いと。ダブルやシングルよりもボディロック……まぁ、そこは気を付けます(笑)」

──ギロチンも全て左腕で抱えていますよね。

「いえ、右で抱えているのもありましたよ。ただタップを取っているのは左で、右の時は逃げられていましたけど(笑)」

──それにしても、コンテンダーシリーズでそのスタイルで勝ち切っている。分かっているところで勝っている。そこはやはり怖くて。

「プレッシャーに関しては、ボクシングのスパーリングで想定してやってきているので、そこは見えると思っています。動きとしてはパンチ、パンチ、左ハイというのもあって。そういうところは貰わないように意識して練習をしてきました。

しっかりと見て、僕の方がリーチがあるので……いつもそう思っていて、デキていないんですけど(苦笑)。しっかりとジャブを差さないといけないですね。ジャブは結構、練習してきたので今回は『出るかな』って自分に期待して試合に挑みます」

──いわゆるエル・マタドール✖エル・トロ、闘牛士✖闘牛の戦いかと。

「下がると詰められるのですが、誘い込むというか……相手が入って来るところに合わせる練習はやってきました。実際にスパーリングでも、その感触は掴めています。あとは本番の緊張感のなかで、本番でしか経験できない空気もあるので。そのなかで練習通り動くことができればなと思っています」

──1月21日にUFC世界フライ級王座統一戦が行われ、デイヴィソン・フィゲイレドをブランドン・モレノが下しました。4度目の対戦になると、2人ともしんどいことを嫌がるようなファイトにも見えました。

「アハハハハ。そこまでスクランブルとかなかったですよね。モレノのテイクダウンにも、フィゲイレドはまぁ簡単に下になっていましたし」

──あの試合を見て、フライ級は日本人でもいける。そういう風に気分が高揚しました。

「ハイ。僕もやっぱり……間違いなく行けると思いました。ただタイトルマッチで戦うまで、その権利を得るまでの戦いが大変になってきます。だからこそ、今年が勝負の年だと思っていて。自分が若いとか時間があるとか、全く思っていないです。

今、全力で出来ている時にどんどん上を狙っていくべきだと思っているので。2024年の一発目でタイトル挑戦ができるように──今年はランカーをパンパンと倒して、来年はタイトルマッチを戦いたいです」

──押忍。そのためのも今回のアギラー戦、日本いや世界のファンにどのような試合を見せたいと思っていますか。

「成長した姿を見せたいというのが、まずあります。でも戦績からいっても、僕が取らないといけない相手です。勝って『平良はやっぱり強いな』と思わせないといけない。僕自身、『やべぇな』って思わせたくて(笑)。

同時に修斗の時から1Rでフィニッシュすることが多くて、自分自身でも自分の力がどの程度なのか把握できていないんです。

それでも米国やタイで練習をして、試合を通して自信もつきました。色々と自分のなかであったことも消化できましたし。何て言うのか……『平良って、どこまで強いんだろう』、『もっと強いヤツと戦うところが見てみたい』って見ている人が思う試合がしたい。もっと大きな幻想を皆に抱かせたいです」

──いや、受け答えも立派になりました。

「そうですか(笑)。普段から年上の人と接する機会が多いので、自分が大人になったという自覚は全くないです(笑)」

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■ UFN218対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(韓国)
デヴィン・クラーク(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ブラゴイ・イワノフ(ブルガリア)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ(韓国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
アダム・ヒューギット(米国)

<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
クラウジオ・ヒベイロ(ブラジル)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
ジェカ・サラギ(インドネシア)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
風間敏臣(日本)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
チェ・スングク(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン(韓国)
マンディ・ブーム(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン(韓国)
デニス・チュルリン(ロシア)

<フライ級/5分3R>
平良達郎(日本)
ヘスウ・サントス・アギラー(メキシコ)

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