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【CFFC114】1年5カ月振りのケージイン。NY在住、平田直樹「ここがスタートラインなので」

【写真】バンタム級での調整も順調にいったようだ (C)MMAPLANET

平田直樹が1年5カ月振りのMMA復帰戦を10日(木・現地時間)、フロリダ州タンパのセミノール・ハードロックカジノで開催されるCage Fury FC114「Smith vs St.Louis」で戦う。

対戦相手はプロ1勝0敗のハンター・スターナーだ。現在、妹の樹と共にNYを拠点にする平田はプロ5戦目で海外挑戦。キャリアの再スタートを切る平田に階級変更と米国での日々で何を掴んできたのかを訪ねた。


──計量を2時間前ぐらいに終えたと聞いています。今の体調の方は?

「良い感じにリカバリーもしていて。これから夜ご飯を食べるのですが、水分を摂って1キロちょっとは戻っていると思います」

──今回はバンタム級ということでしたが、苦労はなかったですか。

「いつも以上に落ちてくれて、最後もそんなにきつくなかったです」

──米国ではフライ級だろうと言われていると伝わってきます(笑)。

「今回、相手もそれほど大きくなくて。骨格でも自分より小さいですし。バンタムでは普通かなっていうぐらいの感じです。フライ級では全然小さい人もいて、バンタム級なら戦っていけるだろうと思います。フェザー級からバンタム級に落として、取りあえずはバンタム級で頑張ろうと思います」

──それこそ米国で一緒に練習したであろうアルジャメイン・ステーリングなど本計量とモック計量、さらに試合当日とどれだけ体が大きくなっているのかと(苦笑)。

「普段は75キロあると言っていて、10キロは戻っています。落とす体重も大きくて、戻す体重も海外の選手は日本人選手と比較して多いです。なんか腸の長さが違うから、日本人が真似してできることじゃないと聞いたことがあります」

──そんななか1年5カ月振りのMMAです。

「試合ができなかった期間、色々と考えたこともありました。練習も、全部環境を変えて調整してきたので、その想いをぶつけたいです。同時にこの間、お世話になった人もたくさんいます。日本では試合ができなかったのですが、そういう人たちのためにもしっかりと勝ちたいと思います。(画面に妹の平田樹が写り込む)アッ、樹です」

平田樹 「アハハハハハ。目にものもらいができて大変なんですよぉ」

──そりゃあ、目にできるでしょうし……知りませんよ(笑)。

平田樹 「……。走ってきまぁす!!」

──来週、頑張ってください。いやぁ、凄いですね。ずっと一緒に妹といられるって。直樹選手は妹想いです。

「昔からこうだったので。面倒を見るというか……さっきも計量が終わって、妹がホテルを移動しないといけなくて。一緒に荷物を持って移動してきたんです。こっちで練習できるようになったので、妹とも練習出来て互いに切磋琢磨できる部分もあります。試合が1週間違いで調整だったり、追い込む時間が一緒で。ただ、2人が一緒に厳しいと問題もあったので、次はずらそうかと話していました」

──樹選手と直樹選手はMMA IQが違って、どういう風に切磋琢磨しているのか興味があります。

「樹はあまり格闘技を見たりしないので。自分が逆にずっと動画を見ているから、『こういうのあるよ』って見せたりしています。ただ試合のモードと普段のモードのスイッチとか、樹から学ぶこともあって。樹は魅せるのが上手いですし、自分に持っていないモノを持っているので。お互い無いところを埋めていければと思います。刺激も貰っていますし」

──これで樹選手に続き、直樹選手も前例のないMMAファイター人生を送る仲間入りになりましたね。恵まれた面と厳しい面、互いに理解し合えるのかもしれないですね。

「樹はずっと世界で戦ってきて、少しでも近づけたかと思います。でも、やっとここがスタートラインなので、ここからが本当の勝負だと思っています」

──5月に4週間、今回は9月の中旬から米国で練習しています。樹選手は真っ新、直樹選手は自身のMMA観がある。だから吸収の仕方も違いがあるのではないかと。

「5月に来た時にムエタイを習って、でもできなくて。日本に戻って、2カ月弱ぐらいですがムエタイのジムに入会して基礎から練習してきました。それでこっちに来ると、ムエタイとかボクシングをやると自分のなかでは出来ていて。コーチにも『前より全然良くなっている』と言ってもらえました。

グラップリングの方も前回は期間も短かったですし、遠慮というか様子を見てしまうことが多かったです。でも今回は自分からガンガンいけて、やられることが減りました。自分の強味を出すことができたり、相手の動きに合わせてできることが増えました。それでもUFCやBellatorのトップファイターはレスリングにしても、凄く細かいところ……テイクダウンやコントロールの仕方は、日本では余り教われない技術もあります。そういう点は凄く勉強になって、自分や樹も使えるものを取捨選択してやってきました」

──今回も練習はロンゴ&ワイドマンMMA、セラBJJが中心ですか。

「ロンゴのところが週に4回で、セラ柔術は週に1回ほど。あとは週に2回、マンハッタンでムエタイをやっています。それと週に1度、スパーリングの日があります。セラ柔術はアルジャメインの試合前までよく行っていたのですが、追い込みに参加させてもらうようになってからはロンゴでの練習が中心になりました。人が少ない日は違うところで練習したり、自分なりにその日に何をするのかを考えてやっていました」

──本当のスタートということですが、MMAは上達すれば上達するほど選択肢が増えます。

「僕は元々柔道がベースで、打撃が成長したといっても所詮練習での話です。ミットが良くなったとかっていうレベルで、試合でやりあうと使えるとは限らないです。だから打撃に拘ることなく、打撃を見せながら組みでコントロールして、グラウンドでの一本とパウンドアウトが自分の勝ちパターンというイメージがあります」

──組み技は地力が勝敗に直接関係してくるようなところもあるような気がします。打撃より定石通り戦えて。

「以前より細かい技術で、違う入り方ができるようになったと思います。それと積極的に組んだり、打撃のなかで入っていくことは自分のなかできでるようになったかと。打撃はもらう覚悟で組む……それに相手も組み主体の選手で、相性はそんなに悪くないと思います。だからどんどん組んでいきたいです」

──期待しています。では日本で応援しているファンにメッセージをお願いします。

「今回は1年5カ月振りの試合なんですけど、今まで空いた時間にたくさん練習して、米国でも新しい技術を吸収してきたので。今回は新たなスタートラインということで、海外での試合も初挑戦ですし、フィニッシュ狙って勝ちたいのと思いますので応援よろしくお願いします」

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