【RTU ASIA2022 Ep06】中村倫也と戦う野瀬翔平─01─「ホテルで1階に下りて計量できるのは有難い」
【写真】フワフワしていた自覚があったため、集中することができたRoad to UFC初戦だった(C)MMAPLANET
23日(日・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるROAD TO UFC AISA2022 Episode06――バンタム級準決勝で中村倫也と戦う野瀬翔平。
6月の1回戦では元UFCファイターのウリジブレンを下し、本来はキム・ミンウと準決勝を戦う予定であったが9月になって中村に対戦相手が変更された。その野瀬に初めての海外での試合&国際戦で得たモノが何かを尋ね、中村戦に向けての意気込みを語ってもらった。
言葉数は決して多くない。上手く話せるわけでもない。それでも、芯の強さが伝わってくる野瀬の受け答えだった。
──あと2週間ほどでRoad to UFCバンタム級Tの準決勝、中村倫也選手との試合です。現状の仕上がり具合はいかがですか。
「体重が順調に落ちていて、調子も上がっているので順調に仕上がっています」
──6月のウリジブレン戦、初めての海外での試合と国際戦をRoad to UFCという場所で経験してどのように感じましたか。
「大会自体はこれまで戦ってきた場所のどこよりも規模が大きくて、会場もケージも大きかったです。だから飲まれないように気持ちを創ることが一番大切だと思いました。もうフワフワして……『うわぁ、UFCのケージだ』っていう風になってしまっていたので、とにかく気持ちを入れようとしました。だからケージに入った時は、しっかりと気持ちを創ることができていました。そこは上手くいったかなと思います」
──我事ですが、UFCの会場、UFCのオクタゴンに向かう日本人選手のウォークアウト・ソングでテレレが流れると感無量になってしまいました。
「良い経験でした。ただ単純に良い経験だったという風で終わらせて、振り返るようにはしたくないので、そこは気持ちを切り替えています。あと2勝したいです」
──海外でUFCファイトウィークを過ごしたことは、どのような財産になっていますか。
「僕は全くいつも通りでした。何が体調面で崩すということもなかったです。シンガポールは気候も良くて、食事もスーパーに行けば日本食を入手できましたし。次のアブダビはその辺りは分からないですけど、シンガポールは全然問題なかったです」
──生まれ故郷のことが掲載されている旅行雑誌を持って行って、日本を懐かしむことはなかったですか。「そんなことはなかったです。試合に集中していました(笑)」
弘中邦佳マスタージャパン福岡代表 それ、俺がUFCに出た時のことじゃないですか(笑)。山口のるるぶを持って行って。
──野瀬選手、そんな精神状態の人間をどう思いますか。
「……。何もいえないです……。ただ僕は試合前の滞在も楽しんでいました」
弘中 ジョン・フィッチと日本でやったら、勝っていましたよ(笑)。
──アハハハ。
弘中 しょぼいこと言っていますよね(笑)。あの時の経験、ずっと心に残っている後悔を野瀬がすることないように普段から指導しています。
──押忍。
弘中 でも、日本の旅行雑誌とか持って行っていたのは僕だけのようですね。
──当たり前です。消化とか体のことを考えると、日本食を持ち込むべきですが、精神的には『パスタとステーキを食って勝て』とあの時は思いましたよ(笑)。
弘中 アハハハハ。野瀬は僕みたいなことはないので。
──パスタを食って勝ちますか。
「日本食がなければ、食べます(笑)。それで勝てるかどうかは……別ですが、あまり食べ過ぎないようにして戦います。」
──良い心構えです。
「これまで僕の場合は計量の日に福岡から東京に向かっていたので、そこを考えるとホテルの部屋から1階に下りて計量できるのは有難いです。いつもより、きつい時間が短かったので、凄く楽でした」
──去年の7月に修斗でもフェザー級からバンタム級に落として、戦うようになりました。その場合は、水抜きをした状態で飛行機に搭乗するわけですよね。
「空港に行く前に水抜きを終らせて、飛行機で東京に向かって。到着してからも電車で移動していたので、そこと比較すると本当に楽です」
──水を抜いて、東京に向かうのですか。
「ハイ。到着したら計量の時間ですし、飛行機に乗る前から水分は取らないままです。それでも移動をしているので計算通りに落ちなくて、東京についてから走ったりとかもしてきました」
──飛行機に乗る前に計量をパスする体重を創る必要があるのは……それは厳しいですね。
「着いた時に落ちているという計算ですね」
──いずれにせよ、その日本での計量と比較してシンガポールの時のリカバリー後の体調や気分に違いはありましたか。
「リカバリーなのか、その時の調子なのか分からないですけど、試合当日は体が軽かったです。僕はリカバリーで浮腫んでしまうことがあるので、そこに注意しているのですが、シンガポールでは全然なかったです。疲労感も全然違っていました」
──では本当のところをいえば、ヒザの負傷により初回で終わるよりももう少し長く戦って、体調の違いを知りたいということはなかったですか。
「3Rかけて、削って極めようと思っていたので、あんな風にあっさりと終ることは想定していなかったです。15分間、動きで相手を上回って疲れさせたら俺が取れると思っていたので。そうなるように試合を進めていたところで試合が終わってしまいました。でも、あのフィニッシュを偶然のように思われるのは納得いかないです」
<この項、続く>
■ROAD TO UFC AISA2022 Episode05対戦カード
<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
松嶋こよみ(日本)
<Road to UFCフライ級T準決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
チェ・スングク(韓国)
<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
ジェカ・サラギ(インドネシア)
<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
キム・ミンウ(韓国)
<ライト級/5分3R>
SASUKE(日本)
パラチン(中国)
■ROAD TO UFC AISA2022 Episode06対戦カード
<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イ・ジョンヨン(韓国)
ルー・カイ(中国)
<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
野瀬翔平(日本)
<Road to UFCフライ級T準決勝/5分3R>
トップノイ・キウラム(タイ)
パク・ヒョンソン(韓国)
<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
キム・ギョンピョ(韓国)
<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
フィリッピ・リマ(ブラジル)