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【Shooto2022#06】新井丈の挑戦を受ける、猿丸ジュンジ─02─「オレは――シューターだから」

【写真】潔い。貫け、修斗道!!(C)MMAPLANET

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、新井丈を相手にベルトの初防衛戦を行う、修斗世界ストロー級王者の猿丸ジュンジのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

修斗に限らず国内プロモーションのベルトを獲得して海外へ、あるいはRIZIN出場を選ぶファイターが増えている。それが日本MMAの状況だ。そのような中で、猿丸は修斗の王者でありける理由を語る。では、猿丸にとって修斗のチャンピオンとは――。UFCの隆盛とともにMMAは変わった。猿丸のファイトスタイルも変化し、進化してきた。しかし修斗への変わらぬ想いが、ここにある。

<猿丸ジュンジ・インタビューPart.01はコチラから>


――「強いチャンピオンである自分を倒して行け」とは、現役のファイターでありながら、若い選手の壁になるということですか。

「壁、うーん……そうなるのかなぁ。それだけ自分が強くないといけないと思っています。修斗のためにというのは言い過ぎかもしれないけど、気持ちは半々ぐらいで。もちろん全部ひっくるめたら、最終的には自分のためですよ。だけど──やっぱり修斗のために、修斗ストロー級のために自分は強いチャンピオンでいる。そのオレを倒せ、っていうことです」

――昨年11月に暫定王座を獲得し、正規王者に昇格したのが今年7月です。暫定王者と正規王者では、意識は変わりますか。

「それはあんまり無いかなぁ(笑)。防衛戦が決まったことで、意識は変わりますけど」

――猿丸選手が暫定王者になった時点で、もし防衛戦が行われていたとしたら、誰が挑戦者になっていたと思いますか。あの時点ではランキング上位に新井丈選手と安芸柊斗選手がおり、安芸選手は王座挑戦をアピールしていました。

「最初は箕輪選手と統一戦をやるかもという話はあって、その統一戦に向けて準備していました。そこで勝ってから、ランキング上位の新井選手か安芸選手と戦うか。あるいは新井選手と安芸選手が挑戦者決定戦をやって、勝ったほうと戦うのかなと思っていましたね」

――そこで箕輪選手がベルトを返上し、正規王者として防衛戦を行うことになった時、気持ちの切り替えはできたのでしょうか。

「そうですね。箕輪選手とやるのか、防衛戦をやるのか――どちらかがハッキリしたので。今は正規王者として、ランキング1位の挑戦者と防衛戦をやる。気持ちもハッキリしています」

――安芸選手がベルト挑戦をアピールした時、リアルがんばれ元気だと話題になりました。安芸選手のお父さん、安芸佳孝さんが2008年9月に猿丸選手と対戦し、KO負けを喫しています。その息子さんが猿丸選手に挑戦するというストーリーに注目が集まっていて。

「ありましたね! でもその話題が出る前から、新井選手がランキング1位だし、新井選手と戦うことになるだろうなって感じだったので。だから次、安芸選手と対戦できたら面白いと思っています。すごいドラマですよ」

――では初防衛戦の相手となる、新井丈選手の印象を教えてください。

「自分と似たところはありますね。ファイトスタイルはもちろん、勝てなくて苦労したところもそうだし。まずパンチが速くて強い。一発もらったら怖いです。アハハハ、オレもパンチをもらいやすいから(笑)。でも、まだベルトを巻くには早いと思いますよ」

――王者が若い選手の壁として存在する。それは「若い選手に倒されたい」というメッセージとも受け取れるのではないでしょうか。

「それは倒されたくない! 負けたくない! 倒されるまでやります。でも倒されないために、ずっと本気で、ずっと強くいたいです。練習も今まで以上にやっていますし」

――そうやって壁であり続けると、誰も乗り越えられない結果になるかもしれません。

「それは『超えて行けよ~』って思うかもしれないですね(笑)。『さっさと超えて行けよ』って。もちろん10年かかってベルトを巻いて、自分の壁は低くないです。新井選手も未完成なファイターだと思いますし」

――その新井選手と、どのような試合をしたいですか。

「自分の強さであり、修斗のチャンピオンとしての強さを見せて勝ちたいですね」

――では猿丸選手が考える修斗のチャンピオンの強さとは、何なのでしょうか。

「5Rやることなく、フィニッシュすること。次の試合でもフィニッシュします。フィニッシュする形がパンチや蹴り、サブミッションかどうかは分からないです。とにかくフルラウンド削って判定勝ち――そうじゃない、っていうことですね」

――なるほど。ちなみに他のプロモーションで戦うことはないと言われましたが、世界的に見ればストロー級ナンバーワンはONEだと思われます。箕輪選手をはじめONEストロー級の選手については、客観的にどう見ているのでしょうか。

「みんな強いなぁと思いますよ。そこまで深く見ていないというか、あんまり詳しくはないんですけど。もしかしたら、それってファイターとしては良くないんですかね。でも自分は、それで良いと思っています。オレは――シューターだから」

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