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【Shooto→?】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(12)西川大和─02─「記憶に残る人間になりたい」

【写真】媚びない、忖度なしの西川大和(C)MMAPLANET

昨年9月に18歳9カ月で修斗世界ライト級のベルトを巻いた西川大和が今、これからの戦いについてどうのように思っているのか――を赤裸々に語ったインタビュー後編。

2022年、夏~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第12弾は、戦いもステップアップの仕方も──そして生き方も独特な西川大和に話を訊いた。

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――現状と将来、どちらも現実的に見ているということですね。

「そうですね。ONEに関しては、ワクチン接種の義務付けがないのであれば試合をしたい。そこが一番です。本当に」

――可能かどうか分からないのですが、仮にONE日本大会があれば国内ですし接種云々は関係なく試合ができたり、PCRの陰性証明だけで入国できる国の試合のみ出場するという風に、互いの妥協点を見出せると良いですね。

「それはもう……例え1試合だけでも戦えるなら、ONEに出たいです。西川大和が『日本大会があるなら、1試合でも出たい』と言っていると書いてください」

――ハイ。そこまでONEを希望しているのは意外でした。

「ONEのライト級は77キロで、水抜きなしです。そういう点でも戦ってみたいんですよね。それとチャトリさんからは日本の精神、侍の部分が好きなように感じます。そういう純粋な想いで、過去にも日本大会を開いてくれていたんじゃないかと。

そうですね。ONEに出られるなら……それは僕の願いです。僕はMMAをやって有名になりたいとか、これで格好をつけたいとか、そういうことのためにやっているんじゃなくて。この世界でライト級、ウェルター級のなかで『西川大和はヤバかったね』って外国人が言うようなMMAファイターになりたいだけなんです。

そのためにも、自分よりデカくて強い選手と戦いたい。それこそ自分が乗り越えないといけない壁なんです。こんなこと言ったらアレですけど、ブラジル、ロシア、米国人ファイターがしっかりといる階級で、あの侍は自分よりデカいヤツらを倒してきたんだよ――という風に、海外の人の記憶に残るようになりたいんです。

だから日本で有名になるとか、そういうことは望んでいないです。とにかく格闘技をやっている人間のなかで、ヤバかったと思われる選手になることを願っています。SNSに力を入れているわけでもなく、スポンサーさんとの付き合いをいの一番にしているわけでもない。その時間があれば練習をしたいと思う人間なので」

――その気持ちのある西川選手がオク・レユン、クリスチャン・リー、ジャン・リーポン、ダギ・アサラナリエフらと交わる日がくればと素直に思います。

「彼らは強いです。ONEのライト級のトップは強い。じゃあ日本人で、誰が彼らに勝てるんだって。今、日本人選手がエンターテイメント路線のMMAを戦ってマネーが動いたとしても、身分不相応な試合を組むと勝てないですよ。

やってみないと分からないですけど、×××××選手とか強いです。×××××選手は上手い。ただ強いか、上手いか。クリスチャン・リーは強くて、上手い。そういう2つとも持っている選手とやって、日本人が勝てるのかって。

だから、僕はONEに出たいんです。父も『日本で騒がれていても、向こうに行けばボコられる』と言っています。レスリング、柔術、ボクシングでエリートだった選手集まっているのが海外のMMAです。そこにノリで一旗揚げるとかいって乗り込んでもボコられるのは普通の話です。日本から乗り込んでいって、ウェルカムで戦えるような甘いものじゃない。敵ですよ。だからタイで練習できるようになったら、まずジムでボコります。そこでまずヤバいやつだという印象を植え付ける。

『ヤマト・ニシカワです。お願いします』なんて気持ちで練習するつもりは一切ないです。だって、向こうの連中だってそういうつもりでやってきますからね。そういう気持ちが足らないです。練習という名の試合なのに。海外で戦うとか口にしている人が多いですよね。だから、仕掛けてもボコられる。それは当たり前のことだと思っています。

朝昼晩と練習している選手に対して、最低限同じだけの練習をして挑まないと勝負にならないです。だからこそ、勝てると思っていることが間違いないなだけで」

――見る者を喜ばせ、同時に戸惑わせて結果を残していた西川選手。ここまでも自分を貫いてきたので、今日の発言のように好き勝手に暴れてほしいと思っています。

「日本には五輪レスリングで金メダリストがいて、ボクシングでも世界王者がいます。それなのにMMAはどうして、差をつけられてしまったのか。テクニックの差が段違いだからです。そこを世界と口にする選手はわきまえるべきなんじゃないかと思います」

――う~ん、そこまで口にしてしまって大丈夫なのか……と心配になります。

「あのう……日本人選手って国内にいると、試合でも知っている者同士の戦いが多いです。出稽古といっても、知り合いとやっています。だけど僕は北海道にいたこともあって、そういう日本のMMA界に染まっていない。だから、このままやらせてもらいます」

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