この星の格闘技を追いかける

【RTU ASIA2022】福岡から世界へ。野瀬翔平─02─「僕が優勝すると言う人は身内以外にいない」

【写真】師・弘中連佳と。「良い経験になる」という言葉は否定的に捉えられるかもしれない──が、なら国内で日本人同士で戦い続ければ良いのかということになる(C)MMAPLANET

いよいよ今週の9日(木・現地時間)と10日(金・同)に開催が迫ってきたRoad to UFC ASIA 2022。9日のEpisode04で元UFCファイター=ウリジブレンと戦う野瀬翔平インタビュー後編。

首都圏下、無料放送での試合から1年遠ざかってきた野瀬は、この間いかに成長しRoad to UFCに向かうのか。ダークホースと本人が断言するなかで、野瀬の心境を尋ねた。

<野瀬翔平インタビューPart.01はコチラから>


──相手に合わせないということですね。

「ハイ。いつも通りの自分を出せれば勝てると思います」

──外国人選手との戦いということを考えると、フィジカル負けをした吉野光選手との試合を思い出さないわけにはいかないです。

「あの試合があって、フィジカルを強化したということは特にないです。ただ3Rを動き続けることができるようにというトレーニングを増やしました。2R終盤から3Rにかけて僕がもう少し動くことができていればとにかくフィニッシュできたかもしれないし、もっとこっちのペースで動けたかもしれないので。僕がちょっと疲れてしまったのがあって。なので3R、15分を動き続けられるようにサーキットとかを増やしたというのはあります」

──ウリジブレンと吉野選手を比較すると……組んでみるまで分からないのですが、映像だと吉野選手の方が組み力というか切れは上ではないかと。

「あんな返され方は、練習で大きな選手とやっていてもされたことがないので(苦笑)。あのブリッジ返しは……。ただ、あの吉野選手のパワーが対戦相手が持っていないという想定はしないです。それ以上にあると考えて準備しています」

──それはそうですね。下らないことをいってすみませんでした。ところでトーナメント表が出ると、1回戦以降のことを考えざるを得ないかと。これが勝ってもう一度抽選で準決勝の組み合わせが決まるなら、ここだけに100パーセント集中できると思いますが。

「正直、僕は全く次のことは考えてないです。目の前の相手に勝たないと、次はないので。だからトーナメント表が発表されたことは全く関係ないです」

──なるほど。とはいえ準決勝にキム・ミンウが出てくると想定し、そこを乗り越えてなお、希望として日本人対決の決勝戦が残っています。この8人のメンツを見て野瀬選手自身、自分の力をどのように見極めていますか。

「正直、僕が優勝すると言ってくれる人は身内、本当に応援してくれる人以外いないと思います。ダークホースもダークホースで。本命ではないです。なのでひっくり返して、ビックリさせたいです」

──去年の7月の齋藤翼選手との試合以来、東京で戦っていないです。そしてHEATと闘裸男はツイキャス等の有料放送なので、それ以前の試合ほどファンが野瀬選手の試合を視聴できていないかと思います。この間、野瀬選手はどこが最も成長したと感じていますか。

「階級上の大きな選手を相手に、懐に潜りこめるように打撃の試合にも挑戦して(3月20日にRise West Zeroに出場し、1R1分59秒で勝利)、組みでの極め力もついてきていると思います。一番の成長は、試合前のメンタルですね。気持ちの持っていきかたが少しずつ分かってきて、その結果か連続でフィニッシュできています。心の持っていき方が分かってきたことが一番変わった点かと」

──インタビューでも以前より受け答ができるようになっています(笑)。

「ちょっと変わったかもしれないです(笑)。何がっていうのは、具体的は言えないですけど。試合に関しては、以前は気持ちが前に行き過ぎているのがあって……その辺りの自分を俯瞰して見えるようになりました。自分を抑えることができる自分がいて、ここはこんなモノでとバランスが取れるようになってきました」

──師匠として、弘中さんはこの間の成長をどのように捉えていますか。

弘中 ウチに入った時から精神的に脆いところがあったので。でも、今の若者は頭ごなしに言って育てることはできないです。実力がつくほどに気持ちの方も成長していけばと思ってきました。正直、自分も我慢しながら指導をしてきたというはあります(笑)。精神的な部分はまだまだ不完全ですけど、思っていたように成長しています。試合だけでなく、練習に臨む態度もどんどん変わってきました。

僕が持ちうる範囲の経験と知識のなかでやってきて、少しずつ結果として出てきていると感じています。そこは翔平とともに互いに納得しながらやってくることができていると思いますね。

──ポテンシャルは絶対的なモノがある野瀬選手でした。それが徐々に出てきたということですね。

弘中 動きに関しても教えたことがすぐにできるだけでなく、練習でも試合中でも発想力があります。その感覚は普通の選手とは全然違うモノで。修斗のデビュー戦の頃とか空回りしていましたけど、だんだんと試合でも極めるタイミングや閃きが出てきています。そこが正直、『おっ』と思わされるぐらいのレベルになっています。あとはUFCレベルになると、極め切れないときにどうやって戦うのか……ですね。

自分もUFC初戦のジョン・フィッチ戦(※2006年10月14日)で、三角絞めが極まらないのに仕掛け続けて疲れ果ててやられた苦い経験があります。

あの試合はずっと後悔していて、あの経験を踏まえて翔平には指導してきました。ただ、そういうのも自分で実際に体験しないと分からないところもあります。翔平はまだ若いですし、今回が海外で初めての試合です。自分としては勝てばそれで嬉しいですが、負けてもまだまだ強くなる。だから気負わず戦えという感じで考えています。

──国内で成長につながる国際戦が積めなくなって久しいです。

弘中 その通りです。ホントは修斗でチャンピオンになってからUFCを狙わせようと思っていました。でも、このタイミングでRoad to UFCに参戦できてシンガポールで戦う。凄く大きな財産になると考えています。とても良いタイミングです。

──という師匠の言葉を受けて、最後に意気込みの方を改めてお願いします。

「九州、福岡からでも世界と戦えることを証明するために優勝します。皆さんをビックリさせたいと思います」

■視聴方法(予定)
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode01
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode03
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

PR
PR

関連記事

Movie