【UFC271】全てを出し切ったロクサン。敗れてなお、ハッピーなキャリアの幕引きに
<女子フライ級/5分3R>
ケイシー・オニール(英国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ロクサン・モダフェリ(米国)
46戦目、最後のファイトとなるロクサンに対し、オニールがワンツーを伸ばす。細かいコンビとステップで前に出るロクサンは、右フックを打たれて飛び込んで鉄槌のようなパンチを見せる。オニールは右ストレート、右フックをヒットさせる。さらに左フックを貰うロクサンは前に出るとパンチを打たれる。左ジャブから左ハイ、右ストレートを放ったオニールがワンツーを打っていく。
左で殴られ、少し気にした素振りを見せたロクサンだが、ジャブを伸ばして前に出て右ストレートを打っていく。オニールはワンツーヲ返し、右ストレート、右ローを蹴る。ロクサンは左リードアッパー、オニールが右フックに右ミドルを合わせる。さらにワンツーを決めたオニールは、右を被弾してもリズムを崩さない。ロクサンは右フックでリズムを変え、前に出る。組みをフェイクでも見せないロクサンは、左アッパーを貰い、右ストレートから左を被弾する。ロクサンは左を受けると表情が変わるように見えた。
2R開始直後に走って距離を詰めるロクサンが、左を受けて頭がのけ反る。オニールはワンツーで右を当て、右ローを蹴り下ろす。ロクサンの右ストレートをかわし、右を入れたオニールは一瞬のクリンチで右フックを打って離れる。さらにオニールはワンツーを入れ、ロクサンの前進にショートフックを決める。離れて右ストレート、一方的なオニールペースのなかでロクサンが右オーバーハンドを打たれる。ワンツー、スリーフォーで前に出たロクサンのパンチを受けずにオニールは右を当て、ワンツーを続ける。
気持ちで戦うロクサン、正確なマシーンのようにパンチを繰り出すオニール。ラウンド中盤になり、オニールが感情を見せるようにパンチに力が入ってくる。ワンツーを連続で入れ、叫び声を挙げながら殴るようになったオニールは、鼻血を流す。と、ロクサンは右ストレートをかわしてダブルレッグでテイクダウンを決め──直後に時間となった。
最終回、感情を見せたオニールは、気持ちに揺れが生じているのか。ロクサンもインターバル中に両手を高々とかかげ、ファンを煽って最後の5分に向かった。そのロクサンがワンツーで右を当て、ヒザ蹴りを繰り出す。これを掴んだオニールは、突き放して打撃の距離に戻る。ロクサンは右、左を受けて左を一発届かせる。
飛び込んでワンツーのロクサンに対し、待ち受けてワンツーのオニール。ロクサンは後ろ回し蹴りから組むが、すぐに離れる。それでもテンカオを見せ、組んでからの離れ際でヒジをロクサンが狙う。オニールも疲れが見え、パンチを打った後に姿勢が乱れる。ロクサンは組んでヒザ、離れてスピニングバックフィストを繰り出す。オニールは前蹴りを顔に入れ、ロクサンは再び首相撲&ヒザを繰り出す。
残り90秒、左から右を被弾したロクサンはダブルレッグを切られる。さらにスピニングバックフィストを見せ、蹴りを掴むと肩を押したロクサンがテイクダウンを奪う。スクランブルでバックに回ったロクサンは、後方からヒザを突き上げボディロックテイクダウンを狙う。ダブルに取り、再びボディロックのロクサンはバックからパンチを入れ、ケイシーはスピニングバックエルボーを放って時間に。
とオニールが、正座をしてロクサンとハグ。しっかりとパイオニアに尊敬の念を見せたオニールがスプリット判定勝ちをし、手を合わせてから再びロクサンと抱き合った。
心無いブーイングを受けながら勝利者インタビューで話したオニールに続き、マイクを向けられたロクサンは「最後の試合で、自分の持っている全てをぶつけた。次の世代にバトンを渡す時がやってきたの。いつも勝てたわけじゃないけど、いつだって素晴らしい時間だったし、自分自身を誇りに思う。負けてもDCにインタビューしてもらうのは2度目、ありがとう。ファンの皆、ありがとう。コーチのジョン・ウッドのおかげで、連敗から抜け出せ新しいキャリアを詰めた。ジョンと全てのシンディケートのメンバーに感謝している」と話し、フィアンセのクリス・ローマンに肩車され、最後にグローブにキスをしてキャンバスに置いた。