【UFC271】驚異の総合力の高さ。フィリップスが蹴って、殴ってTD。健闘ロホの腕を伸ばして一本勝ち
<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス(米国)
Def.3R1分48秒 by 腕ひしぎ腕固め
マルセロ・ロホ(アルゼンチン)
鋭い右ローからワンツー、そして右ハイを放つフィリップス。ロホが右フックを見せるが、ワンツーを打ち込んで後ろ回し蹴りを狙う。ワンツー、離れると走り込んでヒザ蹴りとアグレッシブに動くフィリップスがボディからワンツー、ロホもガードして左右のフックを返す。ロホは圧負けしないよう、前に出た右フックを繰り出す。ここでフィリップスは組みを選択して、テイクダウンを奪うとスクランブルからバックを奪取する。
巧みにマウントに移行したフィリップスに対し、ロホもハーフに戻す。右腕を差したロホに、フィリップスはエルボーを落としてスタンドに戻る。右を見せ、後ろ回し蹴りを繰り出したフィリップスは、この蹴りを餌にしてパンチを打ち込む。さらに後ろ回し蹴りの空振りからダブルレッグを仕掛けたフィリップスだが、ここはロホがケージを背にして耐えて、両者が離れる。ロホの前進に右を当て、組んで足払いを決めたフィリップスは腕十字を防ぎ、トップで初回を戦い終えた。
2R、ワンツー&後ろ回し蹴りのフィリップスはロホのステップインからのコンビ、足を使ってかわす。さらにローに左を合わせ、近い距離でも蹴りを上下に散らしたフィリップスは、拳と足の連動もできている。さらに左ボディ、右カーフと攻め立てるフィリップスに対し、ロホはチェックがなく前足が心配だ。
そのカーフに惑わされず右ハイをガードしたロホが、ワンツーで前にでる。フィリップスは目が良く、攻撃をほぼ受けないでミドルからカーフを蹴り込む。脹脛が青くなったロホは、それでもジャブで前に出るとフィリップスがダブルレッグを決める。すぐに立ち上がり、ヒザを入れた離れたフィリップスだが右オーバーハンドから組まれてケージに押し込まれる。首相撲、右アッパーを見せたロホだが、この回も失い追い込まれた。
最終回、スイッチして左右の構えでショートのコンビを見せ、至近距離の打撃戦で圧負けしないで戦うが、フィリップスはダブルレッグで寝技に持ち込む。サイドで抑え、頭を跨いでのキムラ狙いからマウントを取ったフィリップスは、トライアングルで座り──下なって三角絞めへ。立ち上がったロホの左腕が伸び、タップを奪った。
恐るべき総合力の高さを見せたフィリップスは、「この試合に向けて、色々と学んだ。レッグキックはアジア人のジャッキー・チェンみたいだろう。蹴りをきっかけに攻めようと思った。最後はヒザを押し付けて来たときに、腕十字に移行したんだ」と落ち着き払って話した。