この星の格闘技を追いかける

【Gladiator016】グラジ初参戦、藤田健吾と対戦──有川直毅─01─「ジムに行き、ボッコボコにされました」

【写真】戦績は6勝2敗1分の28歳。有川はパンクラス時代にグラジのタイトルコンテンダーだった加マーク納に勝利している (C)NAOKI ARIKAWA

23日(日)、大阪府豊中市の176boxでGLADIATOR16が開催され、メインイベントでグラジエイター初参戦の有川直毅が藤田健吾と対戦する。

2017年にZSTでプロデビューした有川は、2019年からパンクラスに主戦場を移し、昨年12月発表のランキングではフライ級4位につけている。

テイクダウンディフェンスとアウトボクシングを得意とする有川は、敵地・大阪のケージでいかに戦うのか。そんな有川のファイトスタイルを理解するうえで、MMAを始める以前からプロデビューまでの前日譚をお届けしたい。


――有川選手はこれまでZSTとパンクラスで戦い、グラジエイター初参戦となります。また、大阪での試合も初めてですよね。

「はい。ずっと埼玉で暮らしてきて、プライベートでも大阪に行ったのは、今までに1、2回ぐらいだと思います」

――対戦相手の藤田健吾選手は神戸のReliable所属で、これまでグラジエイター参戦経験があります。有川選手にとっては、アウェイでの戦いになるかと思います。

「今のところ、そんなにアウェイとかは感じていないんですけど、自分にとっては良い経験になると思いますね。あまり大阪へ行ったこともないし、旅行がてらサクッと勝ちたいです」

――有川選手はZST時代、“褐色のパーティーアニマル”というキャッチコピーが付けられていました。このキャッチコピーの由来を教えていただけますか。

「アハハハ! キャッチコピーありましたね。肌が黒くて、遊んでいそうだからっていうことでした。確かにパーティーとかも好きだったんですけど。小池さん(小池義昭K-PLACE代表)とZSTの担当の方が、そのキャッチコピーを付けてくれて」

――アニマルと付くからには、よほど遊んでいたのでしょうか。

「それは、自分が試合で動物的な動きをするから、っていう意味なんです。勘で動くというか。パーティーが好きっていうのも、みんなでワイワイするのが好きなんですよ。でも格闘技に出会ってからは練習ばかりで、基本的にはパーティーもやっていませんね」

――有川選手が格闘技に出会ったのは、いつ頃のことなのですか。

「20歳になって、21歳になる前だったと思います。それまでは、中学からいろんなスポーツをやっていました。サッカー、陸上、ラグビーとか」

――褐色のパーティーアニマルというニックネームからは想像できない、完全なスポーツマンですね。

「サッカーは中学3年間、陸上は高校2年ぐらいまでやっていました。自分で言うのも恥ずかしいんですけど、身体能力は高いほうで。特に足が速くて、大学に入ってから『足が速いならラグビーをやってみないか』って誘われて、ラグビー部に入ったんです」

――20歳の頃に格闘技を始めたということは、大学のラグビー部は……。

「大学のラグビー部って、名門高校出身の選手がたくさんいるじゃないですか。それを見ながら『俺がいるべきなのは、ココじゃないのかな』って思ったんです。寮生活で、集団行動もすごくしっかりしている部でした。でも、自分はもっと自由にやりたいタイプで、縛られたくないなって思ったんですよ」

――そこで、ラグビー部からは離れたわけですね。

「あと、家に戻らなきゃいけない事情もあって、大学は家から通うようになりました」

――では、格闘技を始めたキッカケは何だったのでしょうか。

「それまでずっとスポーツをやっていて、刺激もあったし、そんな生活が好きでした。でも部活を辞めたあとは刺激もなくなって……。それで前から戦うことには興味があったし、須藤元気さんのことも好きだったので、格闘技を始めようと」

――戦うことが好きだった、とは?

「昔から喧嘩とかしても強いほうだったんで、腕っぷしでは負けないと思ったんです。運動神経にも自信があって、どのスポーツでもレギュラーになれていました。だから俺、いけるっしょ。そう思ってジムに行ったら、ボッコボコにされました(笑)」

――アハハハ、分かりやすいですね。

「そこから格闘技を本気でやろうと思ったんです。格闘技って、やられると心にも体にも痛みが来るじゃないですか。すごく悔しくて。俺、こんなもんじゃないよなって」

――それまで経験してきたスポーツとは違うものを感じたのですか。

「何か違うものがありましたよね。それと僕、体育の教職を持っているんですよ。それで教育実習に行ったんですけど、教師って生徒に夢を語る仕事じゃないですか。なのに、自分自身がいろんなスポーツをやりながら形を残せていなくて。そんな自分が生徒に対して偉そうなこと言えるのかって思ったんです」

――教育実習ということは、ちょうど格闘技を始めた頃ですか。

「はい。その時はまだアマチュアだったんですけど、プロとしてやっていくために就職せず、アルバイトしながら格闘技を続けました、今は応援してくれている人たちのおかげで、飲食店とかやらせてもらっています」

――ただ、有川選手は2013年に全日本アマチュア修斗に出場していて、プロデビューは2017年ですよね。プロデビューまで、それだけの期間を要した理由は何かあったのでしょうか。

「ずっとスポーツをやっていたから、いろんな怪我があったんです。脱臼とか、手術したりとか……それで1、2年ぐらい体を動かすことができない時期もあって。今までにない状況だったので、途中でくじけそうになりました。今までは自分のほうが早く上に行けていたけど、格闘技では周りの人たちが先にプロになっていて。でも、自分は今まで下積みというものがなかったから、ここで下積みを頑張ろうかなと思いました。もう引くに引けなかったので」

<この項、続く

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