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【Pancrase325】逆転王座防衛、久米鷹介「局面、局面での発さんの声はなぜか覚えています」

【写真】日沖発stArt代表、鈴木陽一ALIVE代表、村元友太郎、先ごろ引退した春日井たけし、中田大貴。久米は良い仲間に恵まれている──んっ?? (C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase325で正規ライト級KOP久米鷹介が、暫定ライト級KOPの雑賀ヤン坊達也を逆転で下し王座防衛に成功した。

初回に強烈なダウンを喫しながら、ガードワークで凌いだ久米。打撃&スクランブル全盛の現代MMAにおいて、しっかりと背中をつけた寝技を若き日から修得してきたことと──敬愛する先輩の声が今回の防衛を可能にした。

激闘直後、久米に話を訊いた。


──大激闘でした。かなりダメージがあるようですが、インタビューの方は構いませんでしょうか。

「ハイ。ありがとうございます。ただ、まだあんまり試合のことを覚えていなくて……」

──それだけダメージがあったということですね。試合前にデカゴンに入る直前、日沖選手とはしっかりとハグしていたのですが、鈴木ヨーイチ社長とはサッと離れたことは覚えていますか。

「あぁ、そこはやはり試合前は目を大切にしたいので。残像で……パンチが見えなくなりますからね(笑)」

──アチっていう声が聞こえましたよ。

「昨日の計量の時も……」

鈴木陽一(ALIVE代表) いい加減にしておけよ(笑)。

「計量の時も、そのネタでヤン坊選手が笑っていましたしね。いやぁ、昨日のことは覚えているんですよ」

──あのパンチを貰ってから、記憶があやふやという感じでしょうか。

「その前のこともですね……。最後、雑賀選手の腕がバキバキ鳴っていたのは覚えています」

──そこだけですか!!

「それと断片的です。良いのを貰った瞬間、その記憶はあります。

でも下にいて抱えた時、そしてレッスルアップする時とか発さんの声は聞こえていました。そこは覚えています。なんか局面、局面での発さんの声はなぜか覚えています。それと社長の残像ですね(笑)」

──いや、ここで笑いは……。ダウンを喫したあと、雑賀選手がラッシュをかけなかった。そこもあったと思いますが(※理由は、雑賀のコメントで判明)、ハイガードから幻の必殺技ともいえる三角絞めを仕掛ける仕草が見えました。久米選手の15年以上の積み上げが救ってくれたような。

「でも、極まっていないということはダメだったわけですよね(笑)」

──2Rもダブルレッグから引き込んでレッスルアップ。そしてリバーサルに成功してバックに回った。最後の腕十字といい、記憶がない状態で仕掛けた……体にしみ込んでいる動きだったのですね。

「ハイ。なんか、今日は要所しか覚えていなくて、発さんと練習したことや、あの場面での指示だけが残っています。『抱えろ』という声、マンツーマンで練習してきたことが……」

日沖発 ヤン坊選手は腰が強いので、テイクダウンはなかなか取れないというのは想定内でした。だから引き込んでロックアップからレッスルアップというのは、作戦として練習してきたことなんです。

──それにしても今のストライキング&スプロール時代のMMAにあって、この試合のための対策だけで下から攻撃は一朝一夕ではできなかったはずです。

ほんとに良い仲間たちだ

「やってきたことを出す。今までもそうですが、今回も試合のテーマはそこでした。

マンツーマンで発さんにやってもらってきたことも含めて。一通りグラップリングであったり、柔術をずっとやってきました。それが助けてくれたということはあると思います」

※鈴木陽一代表によると一晩休んだ久米は頭痛も吐き気もなく体調に問題はないとのことだが、眼窩底と脳神経の診断のために病院に行くとのことだった。

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