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【GRACHAN51&52】グラチャン放送局、発進。岩﨑ヒロユキ代表に訊く─01─「選手をより知ってもらう」

【写真】他団体と歩を合わせるところは合わせ、一歩前を目指すグラチャン岩﨑ヒロユキ代表(C)MMAPLANET

19日(日)に千葉市美浜区の幕張ベイパークアリーナでGRACHAN51&52が開催される。2021年のグラチャン最終興行=2部制大会を前にGRACHAN放送局が立ち上げられた。

大会ライブ配信、アーカイブ配信は当然として、グラチャン岩﨑ヒロユキ代表が自らインタビュアーを務め選手の内面に触れ、また試合の予想も行う。サブスクリプション時代の先駆けを目指す岩﨑代表に話を訊いた。


──今回、Grachan放送局を立ち上げられました。どういう意図をもって、開局されたのでしょうか。

「オンライン・サロンっぽくもあるのですが、これまでYouTubeも含めてジェネラルの人達に発信してきたものから、サブスクっぽくファンの囲い込みが日本のMMA界でも始まって来ると思うんです。その先駆けを自分でやってしまおうと思って。コアのファンとグラチャン、出場選手の距離感を近くする。そういう場所や機会を創りたくて。その一つがこのサイトになります」

──コンテンツを見させていただいたのですが、岩﨑代表がより忙しくなりますね。

「忙しくなる……暇より良いですよね(笑)。RIZINさんのおかげで新しいファンも増えてきました。YouTubeで発信するのも一つの手です。ただ、皆さんがやっていることを俺はやりたくないっていうのがあって。月額1500円のなかで試合を視聴してもらい、選手のことをより知ってもらえる環境にしたいと考えています」

──月額1500円という金額設定は、お手頃かつ少し良い感じのランチぐらいの価格ですね。

「あまり高額にすると、やはり来てもらえなくなります。僕なりのマーケティングをし、他とのバランスをみた結果で1500円になりました」

──コロナ禍において日本のMMA大会もチケット収入に変わる手段として、PPV配信が定着しました。そして1大会で2000円から3500円、4000円という価格が一般的です。

「そうですね」

──UFC Fight Passのプレミアム会員だとPV大会を含め年間2万7000円程度、月額に換算すると2300円ほど。私の場合はFlo Grapplingが年間1万7000円で、月に換算すると1400円強になります。加えてTITE.TVの単独イベントが10ドル前後の大会、ACA.TVは月300円から400円程度だったか、BRAVE.TVはフリー。コアファンの定義が、MMA全般を視聴するのか、あるいはグラチャンの固定ファンを差してくるのかといいうことになってくるかと。

「あぁ、なるほど。その通りですね。それだけ視聴するとお金は掛かってきますね。実は他団体さんにカップリングでUFCファイトパスの日本MMA版のようなモノができなかと話したこともありました。そうなれば理想で、どこも分かっていますが…… 」

──実現するには乗り越えないといけないハードルがいくつも存在すると。

「その通りです」

──そのなかで配信となると、競合相手はMMAに留まらない。我が家の場合はNetflixが月額1490円、Disney +は990円、ここにU-NEXTとDAZNが加わります。他にHulu、Amazonプライム、AMEBAプレミアム等も存在しています。

「今、挙げられた配信関連のなかからグラチャンも実は話をもらったことがあります。格闘技に力を入れたいということで。ただし人的リソースもあって、諦めたというのが事実です。何より、うちが放送局をたちあげたなかにPPV配信に変わる伝え方を考えてのこともありました。

PPV配信は実況解説をつけたり、テロップが必要になり機材費もかかります。放送局は会場内で流すスクリーンと同じ定点カメラでライブ中継をします。そっちに振り切りました。そしてアーカイブとして、完全に編集された動画を放送局内でイベントから10日後までを目途にアップしていく予定です」

──なるほど。YouTubeから完全に切り替えた形なのですね。

「今後はアーカイブも放送局でしか開示しないです。YouTubeはダイジェストになります。完全にグラチャンが好きな人に焦点を当てています。間口が狭くなるという意見も当然のように聞かれるかと思いますが、13年やってきた経験値からそこの影響はさほどないと考えています」

──というのは?

「チケット代もそうですが、高額になったから来なくなるということはほぼないんです。来ない人は低価格でも来ないです。そうでなくても、来てくれる人は観に来てくれます」

──招待券でも同じだと聞きました。招待券だから来る人は一握りで。来る人は来る。来ない人は来ない。それが格闘技興行だと。

「そうなんです。そういうことが分かってきました。なので会員になる人はなってくれる」

──と同時に大会がバッティングすると、両方視聴したいファンがどちらかを選択しないといけなくなる。19日に関してはNEXUSや修斗大阪大会、そしてEXFIGHTと被ります。

「ネクサスの山田峻平代表とは、ファン層は被っていないということで見解が一致しています。修斗さんは大阪だから……あと、EXFIGHTもあるのですね。まぁ会場にくるファン、放送局に入会してくれるファンは被らないかと。それは問題ないと思います。

グラチャンに関しては、ライブ配信は違う形の話を頂いていて、ひょっとすると来年の2月から違う形も選択できるようになるかもしれないです。そういう2つの軸がPPVに関してはできてくることもあり得ます。それでもどっちも視たいのにと言ってくれる方がいてくれるでしょうし、そうなると他に負けない魅力的な大会創りが必要になってきます」

──という言葉を頂いたことで、グラチャン51と52から岩﨑代表の見所紹介に移らせていただきます(笑)。

「グラチャン52のメイン、バンタム級タイトル戦は勝負論で勝たれるファイトですね。僕には代表の顔とファンの顔があって、ファン目線になると……これは久しぶりに勝負論のある対戦カードです」

──久しぶり……と言っちゃいますか(笑)。

「アハハハ。伊藤空也が成長した。その証が、今回の勝負論で盛り上がるカードに繋がったかと思っています」

<この項、続く

■Grachan52視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後4時30分~GRACHAN放送局

■Grachan51視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後1時00分~GRACHAN放送局

■ GRACHAN 52対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊藤空也(日本)
[挑戦者] 手塚基伸(日本)

<無差別級/5分3R>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
ラデック(チェコ)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
和田健太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
善司郎(日本)
松本尚大(日本)

<バンタム級/5分2R>
フミ・グローブTV(日本)
平田純一(日本)

<フェザー級/5分2R>
高須将大(日本)
大搗汰晟(日本)

<フライ級/5分2R>
児玉勇也(日本)
御代川敏志(日本)

<フライ級/5分2R>
吉田哲之(日本)
小林大介(日本)

■GRACHAN 51 対戦カード

<フェザー級/5分2R>
小島勝志(日本)
崎山勲(日本)

<ライト級/5分3R>
藤村健悟(日本)
林 RICE 陽太(日本)

<無差別級/5分2R>
ヨコヤ・マクレガー(日本)
田馬場貴裕(日本)

<ライト級/5分2R>
宮内拓海(日本)
水谷健人(日本)

<60キロ契約/5分2R>
長野将大(日本)
佐々木歩夢(日本)

<ライトヘビー級/5分2R>
舘野コング(日本)
石川廉(日本)

<バンタム級/5分2R>
松井斗輝(日本)
池田貴一(日本)

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