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【ONE Empower】これはもう恐怖判定。ダメージ無し、TD決めたザンボアンガがハム・ソヒに敗れる

【写真】決してハム・ソヒに非があるわけではない。色々なことを乗り越えてベストを尽くした。だからこそ、MMAとして普通に思える判定をしてほしい(C)ONE

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
Def.2-1
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

サウスポーのハム・ソヒが左ストレートを当てる。ザンボアンガの前進に距離を取り直したハム・ソヒは、ジャブの叩き合いから組まれヒザを入れる。ケージに押し込んだザンボアンガは、ボディロックからテイクダウンを狙う。金網を使って耐えたハム・ソヒは。正対してきたザンボアンガの頭を押してパンチを打っていく。

首相撲でヒザを入れたハム・ソヒだが、ザンボアンガも頭をつけてボディチェンジ──ダブルレッグへ。シングル、ダブルにしっかりと対応するハム・ソヒに対し、ザンボアンガもヒザを入れる。残り1分、ザンボアンガが押し込んだ状態が続き、ハイクロッチもウィザーで耐えたハム・ソヒだが、最後の最後にボディロックで尻もちをつかされた。

2R、サンボアンガが右を伸ばす。ハム・ソヒは左を入れ、ザンボアンガが右を返す。左から組みに行ったハム・ソヒ、切ったザンボアンガの組みをハム・ソヒも防ぐ。ハム・ソヒの左、ザンボアンガの右が交錯する。サンボアンガは臆することなくハム・ソヒと立ち合い、右を伸ばす。最小限のステップでかわすハム・ソヒは、左を当てる。ザンボアンガは右を返し、ハム・ソヒがダブルレッグを防ぐ。直後にダブルレッグから走ったザンボアンガが、テイクダウンを決める。

ハム・ソヒもすぐに立ち上がるが、ケージに詰められた状態が続く。必死でダブルレッグを防ぐハム・ソヒは、ヒザをボディに2つ受け、エルボーを打たれる。残り30秒でレフェリーがブレイクを命じる。ハム・ソヒの左、ザンボアンガの右とこれまでと同じ交錯が見られタイムとなった。

最終回、叩き合いからハム・ソヒが左、かわしたザンボアンガの右も当たらない。左と右を打ち合い、ザンボアンガが前蹴りを入れる。どちらもミドルを蹴らない展開のなか、ザンボアンガが左ジャブを届かせる。ハム・ソヒも左フック、右を返したザンボアンガはこの回は組みにはいかない。

コンビネーションがなく、ほぼ左だけで戦うハム・ソヒ。その左を振るって前に出ると、ザンボアンガも右からダブルレッグを仕掛け、両者の頭がぶつかる。ハム・ソヒは左目尻を切り、ザンボアンガは額から流血が見られる。

ザンボアンガにドクターチェックが入る。長引く中断後、再開するとザンボアンガ右を振るって前に出て、ダブルレッグからリフトアップしてテイクダウンを決める。ハーフからクローズドを取ったハム・ソヒだが、このままでは判定で厳しくなる。流血のザンボアンガがパンチを落とす。ハム・ソヒの顔が返り血で真っ赤に染まる。

サンボアンガはガードの中で、細かいパンチを落とし続ける。ハム・ソヒも下からパンチを入れるが、反撃ならず時間に。

ハム・ソヒのコスチュームが真っ赤になっているなか、ジャッジの裁定が読み上げられる。と、判定はスプリットに割れ──なんと、ハム・ソヒに凱歌が挙がる。この裁定は理解不能。パンチのヒット数に差があったのかもしれない。ただし、ダウンを奪ったわけでも、ザンボアンガにダメージもなかった。頭が当たった時も、ザンボアンガに非があるという指示も見られなかったはずだ。この試合展開でテイクダウンとトップが評価されないのであれば、これはもうMMAではない──ミステリー裁定、いや恐怖判定だ。


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