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【ONE167】ノエル・グホンジョン戦へ、デニス・ザンボアンガ「ここで勝って、次はサワダと暫定世界戦」

【写真】ザンボアンガにとっても昨年4月のジュリー・メザバルバ以来の試合となる (C)MMAPLANET

8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167でデニス・ザンボアンガがノエル・グホンジョンと戦う。
Text by Manabu Takashima

当初、同大会でサンボアンガはONE世界女子アトム級王者スタンプ・フェアテックスに挑戦予定だったが、スタンプのヒザの負傷で世界挑戦はお預けとなった。そもそも両者の世界戦は一度、3月のカタール大会で組まれていたが、リスケされていた。

延期と負傷、結果的に世界戦の機会を失したザンボアンガは、5月のFN大会で澤田千優に敗れたグホンジョンとサークルケージで相対することとなった。ザンボアンガはかつての練習仲間を決して軽視しないと言いつつも、20分弱のインタビューの間に「ここで勝って、次は暫定世界戦」という言葉を繰り返した。そして──その相手に澤田の名前を挙げていた。


──デニス、スタンプではなくノエルと2週間後に戦うことになりました。

「とにかくスタンプとの世界戦が流れたことは、悲しかったわ。でもONEチャンピオンシップが、代役の選手を探して試合機会を創ってくれたことには感謝している。ここまで試合に向けて積んできたトレーニングを無駄にしたくなかったから」

──スタンプとの世界戦は3月のカタール大会でも組まれていたものが今大会にスライドされていたので、2度に渡りキャンセルされたことになります。

「3月の試合が延期になった理由はハッキリと聞かされていなかったけど、とにかくバンコクで試合を組みたかったんだと思っていたの。そっちの方が盛り上がるのは間違いないので」

──そのスタンプとの試合が行われる前に、彼女が9月の米国大会でストロー級世界王座に挑戦することが発表されていました。あの発表には、気持ちがざらつくことはなかったですか。

「スタンプはスーパースターだから、そこは理解しているわ。まぁ、私の立ち位置はそういうことだから(笑)」

──理解しているではなく、理解しないといけないということでしょうか(笑)。

「まぁ、そういうことね(笑)。ただ、私の試合がなくなったわけでもなかったし、アトム級王座を狙う位置にいたことは変わりないから」

──結果、スタンプの負傷より、ノエル・グホンジョンと戦うことになりました。ただノエルは5月4日に澤田千優選手に負けたばかりです。

「他の相手……トップファイターは、ショートノーティスで試合を受けなかったはず。私もできれば暫定王座が掛った試合がしたかったけど、それは難しいとは分かっていたわ」

──この短期間だとタイ在住の選手に限られてきますしね。

「そう、本当にその通り(笑)。だから代役を見つけること自体が困難だったはず。そういうことだから、今回の試合に勝てば次は暫定王座決定戦を戦いたいわ」

──そのうえでノエルの印象を教えてください。

「彼女とは以前、フェアテックスで一緒に練習していたの。寝技がとても強くて、スタンドもできる選手よ。私はどの試合でも自分を信じて、自信を持って戦っているけど、自信過剰にならないようにしているの。

ファイトは何が起こるか分からないし、とにかく勝利を手にすることに集中しているわ。フィニッシュしたいけど、何よりも取りこぼしの無いように戦うことが大切で。そうすることで、次の試合で暫定王座を掛けて戦うことができるようになるはずだから」

──いずれにせよ、デニス自身も1年2カ月振りの試合になります。

「前回の試合後から、ノンストップで練習をしてきたから私のMMAは凄く成長しているわ。打撃もそうだし、柔術もそう。特に今年の1月から常に、スタンプ戦を想定して自分を追い込み、高めてきたから」

──今回の試合に向けての練習内容は?

「所属しているT-REXジムで、MMAは兄のドラックスと。打撃はフィアンセのフリッツ・ビアグタンと練習をしてきた。フリッツはWBCムエタイのフィリピン王者でONE FFで2勝1敗(2019年4月にRIZINで那須川天心に敗れている)、彼のおかげで打撃は本当に上達したわ。

柔術は出稽古をしていて……フィリピンも黒帯の柔術家が増えて国全体でグラップリングのレベルが上がっていると思う。グラップリング自体もそうだし、MMAファイターの組み技のスキルも随分と進歩しているわ。私も何人かの黒帯に協力してもらっているから、柔術も自信を持って成長したと断言できるわ。

今もチーム・ラカイやライオン・ネイションMMAというバギオのチームがフィリピンをリードしているけど、マニラの選手たちだって力をつけて、世界の舞台に出て行けるようになっている。そういうなかで、私は1日に2度の練習を続けてきたの。

練習をしないのは教会にお祈りにいく、日曜日だけね。日曜日は心身ともに休息日にしているわ」

──先ほどから次は暫定王座で戦いという発言が聞かれています。その相手は誰が相応しいと考えていますか。

「スタンプのリカバリーには時間が掛りそうだから、暫定タイトル戦を戦いたくて。相手はトップファイターなら、誰でも構わないわ。対戦相手は選ばない。ONEの選択に従うだけで。確かなことは、誰だろうがベルトを巻く準備はできているっていうことね(笑)」

──ハム・ソヒと3度目の対戦は希望しない?

「名前を挙げるのではなく、相応しい相手は1位の選手と3位の選手よ」

──つまりデニスは現在ランク2位で。1位はハム・ソヒ、3位は澤田千優選手ですね。もう澤田選手はタイトルが射程圏内に入っていることが裏付けられるデニスの意見です。

「彼女は十分にトップファイターでしょ。前回のノエルとの試合を見てもそう。さっきも言ったけど、私はノエルと一緒に練習していた時期があるから、その実力を理解している。ノエルは実力者よ。そのノエルにしっかりと勝っているサワダの力がどれほどなのか、私には分かるから。

しかもランキングも3位だし、暫定タイトル戦を戦う資格を十分に持っているわ」

──アトム級でも小さな澤田選手ですが、それだけデニスも認めているのですね。

「リング上の彼女を見ていると、小さいなんて全然思わないわ。本当に彼女は小さいの?」

──ONE女子アトム級に合わせて、体を創っているはずです。

「でも、凄く強いじゃない? 実際にテイクダウンからグラップリングでノエルを圧倒しているわけだし」

──では、なおさら今回の試合で澤田選手に負けないパフォーマンスが必要になってきますね。

「私はノエルのグラップリングの強さを認めているし、そのノエルをドミネイトしたサワダの強さも認めているわ。でも、私はチャンピオンになるために戦っていて。今回の試合でフィニッシュすれば、ベルトが懸かった試合がまた組まれるはず。だからこそノエルを殴って、組み伏せて、フィニッシュするわ」

──デニス、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「まず、最初にスポンサーの皆にお礼を言わせてもらっても良い? この試合の機会を得ることができたのも、彼らのサポートがあってのことだから。そして、もし日本に私のことを応援してくれる人がいるなら、ありがとうと伝えたいわ」

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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