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【ONE Empower】過去最強の相手=アンダーソン戦へ、平田樹─02─「気持ちは大事だけど、丁寧に戦う」

【写真】とにかく表情がイキイキとしていた(C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Empower」。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGP1回戦でアリス・アンダーソンと戦う平田樹インタビュー後編。

キャリア最強、これまでの相手とは違うことを理解しているという平田は、気持ちで負けないうえで、動きは雑にならないことを念頭に戦う。周囲の経験不足という声を「それを言われてもしょうがない。勝てば良いでしょ」と跳ね返すつもりで。

<平田樹インタビューPart.01はコチラから>


──踏ん張るところ、自制するところ。ほんと塩梅ですね。

「そうですね、ダラダラするより集中してパッとやるのも良いと思います。MMAは練習しないといけないこと多いけど、短時間で集中するのも有りですよね。今、そういうことを自分で考えている。そこに関しては、親からも『練習環境にしても、自分で考えるようになったことは良いことだと思うよ。自分に足りないモノを見つけるのも、自己判断は大切だから。人との関わり方も、これまで周囲の人がお膳立てしてくれて、スムーズにモノゴトが運んでたけど、自分でやるようになって、回りへの感謝という気持ちが生まれてきたでしょ』って言われていて。本当にそうだと思います」

──だからって勝てる保証にならないのが、格闘技の難しいところです。改めてアンダーソンのことをどのように思っていますか。

「そんなに重いパンチはなさそうですけど、分からないです。組みの方が強いと思います」

──テイクダウン防御をしつつ、下になっても手はありそうですね。さきほど言われたように、組ませないためにリーチを生かした攻撃もあるでしょうし。

「一番嫌なのは、距離を取られてそのまま終わることです。どれだけ詰めて組めるのか。倒してからの寝技勝負にはしたいです。でも、本当に分からないです」

──今朝、アンダーソンをインタビューしたのですが、とにかく経験が違うと。倒させないし、寝技になっても大丈夫という風でした。『穴がある』と言っていましたね。とはいえ、それも今年の2月までの平田樹の試合を見て言っていることです。だからこそ、問われるのは3月からどれだけ成長しているのか。

「雑さはなくなったんじゃないかと思います。ただ、寝技ができる相手がこれまでいなかったのでどうなるのか」

──リカ・イシゲはデキたと思います。ただし、フィジカルがない。

「柔術の動きはしていたけど、フィジカルはメッチャ弱かったです。ホントに(笑)。ポンってやったら倒れちゃうみたいな。でもアメリカ人はデカいし、フィジカルも強いと思う……けど、どうですかね。シンプルに勝てると思っています。そんなに深く考えることなくて。

キャリア不足、経験がないっていうのは、もう試合をするたびに言われることなんで。それを言われても、どうしようもないから。『そんなこと拘ってんの』って。まだ3戦でしょとか、4試合しかやっていないとか言われても、『勝てば良いでしょ』って思ってやっています。『そんなこと言っていて負けたら、そっちがヤバいよ』──みたいな。そう毎回思っています。

自分のMMAがどういうモノかも、全然分からないですし。だからこそ色々なタイプの選手と試合がしたい。自分が負ける時は、どういうタイプの選手に負けるのかも気なるんです。ホント、まだまだ全然なんで」

──そういうなかで、初めて自身より背の高い相手と戦う上で、何かトライしてみたいですか。

「う~ん、なんだろうなぁ。出せるモノは全部出したいです。できる限り、全てを出したい。何をしたいのかより、しちゃいけないということでは雑になっちゃいけないことだと思っています。気持ちは大事だけど、丁寧に戦う。熱くなって、突っ走らない」

──KRAZYBEEの若い選手、気持ちが前に出て雑になることが多くないですか。

「そうなんですよね。スパーリングも、そうで。パンチでいって、グラウンドでやられてとか。丁寧にいかないといけないのに、力任せになったり。ほんと、どれだけ冷静に試合を進めることができるのか。それこそ今回の相手はこれまでとは違うのも分かっていますし。

だから気持ちだけでは、どうにもできない。だけど気持ちで負けず、雑にならないようにいかないと。ここはホントに難しいです。何も考えずに前に出たくないし、気持ちがひけるのも嫌で。加減じゃないけど、熱くなりながら考えるって本当に難しくて。それができるようになれば、自分の成長は間違いないと思います。そこだけが課題かなって」

──そこだけ!?

「いや、取りあえずはそこを……そこだけはしっかりとやりたいなって(笑)。熱く、気持ちで前に出て、そこに冷静に技術がだせればもっと強くなれるから」

──ただ2月の中村選手との試合は、思うようにいかないからフラストレーションを感じて、バァ~と前に出ていったようにも見えましたが……。

「アハハハハ。2月の試合は、そういうところもありました。『もう、イイッ』って」

──ホント、試合では真っ新な……まんまの平田選手が出ると思います。だからこそ、この間にやってきたことを本人が言われているように、ケージで出して欲しいです。

パンチがイチ・ニのリズムだけでなく、イチで打つパターンも採り入れていた平田

「そうですね、自分でも楽しみにしています。回りに試されているっていう感じがしていますし。どれだけ自分がやれるのか。ここで勝って、やっぱりスタンプに上がってきてほしい。スタンプと戦いたいですね」

──当初の予定では5月末にスタートして、11月にはアンジェラ・リーが復帰してGPウィナーと防衛戦という超過密日程でしたが。

「このあとのことはまだ決まっていないです。2カ月後っていうのは、もうなくて年内に次があるのか、年明けか。でもリザーバーがいるからケガをすると代えられるとか気にしていましたけど、次の日程が出ていないから思い切りやります。日程を聞かされていないから、ワンマッチのつもりじゃないけど、ケガをしようが勝ちます。

ようやくです。ちゃんと始まるし。凄く楽しみです」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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