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【Bellator263】AJ・マッキー戦へ、パトリシオ・フレイレ「GP後? バンタム級王座を狙いたい」

【写真】ライト級を含め3度の世界王座戴冠で7度の王座防衛、20勝、タイトル戦では10勝、24試合はサークルケージで最多を誇るパトリシオ。常に厳しい表情を浮かべていたが、日本の話になると一気に表情が崩れた(C)MMAPLANET

31日(土・現地時間)カリフォルニア州ロサンゼルスのザ・フォーラムでBellator263「Pitbull vs McKee」が開催される。メインは大会名にあるようにBellator世界フェザー級選手権試合兼フェザー級ワールドGP決勝=王者パトリシオ・フレイレ✖挑戦者AJ・マッキーJr戦が組まれている。

パンデミックの影響もあり、1年11カ月を経てようやく完結を迎えるフェザー級GPを前にフェザー級&ライト級2冠王のパトリシオ・フレイレに話を訊いた。

ファンの前で戦う喜び、Bellator世界王者としてUFCとのバッティングをどう感じているのか。そんな話をパトリシオに訊くと、ベラトールで戦い続けてきた自負と誇りがヒシヒシと伝わってきた。


──ファイトウィークの忙しいなか、インタビューを受けていただきありがとうございます。

「マイ・フレンド、もう10年も前に日本の雑誌でインタビューをしてくれたんだ。いつだって取材には応じるよ」

──ありがとうございます。AJ・マッキーとのフェザー級ワールドGP決勝兼世界フェザー級王座防衛戦が近づいてきました。今、どのような気持ちですか。

「キャンプもしっかりと終えることができて、凄く良い感じだよ。今はチームで、どのように戦うのか再確認しているところだ。同時に減量中なので、体重の減り方をチェックしている。もう数キロというところまで落ちているし、全てにおいてスケジュール通りで順調だ。この調子で計量、ファイトに向かうよ」

──最近の2試合はモヒガンサンで無観客大会を経験しましたが、今回の試合はコネチカット州からカリフォルニア州に移り、LAのザ・フォーラムでファンの前で試合をします。

「ファンのいない会場で試合をするのは、タフだった。でもパンデミックのせいだし、仕方がないことだ。今、日常を取り戻しつつあることを感謝している。そしてファンの前で戦うことを凄く楽しみにしている」

──ファイトウィークのバブルや隔離措置は、何か変化がありましたか。

「ブラジルを出る前にPCR検査をし、ホテルについてからもう一度検査をした。検査結果が出るまでは、隔離措置が取られる。これはモヒガンサンの時と同じだよ。ただ、陰性結果がでると以前よりオープンになっている。もちろん、ホテルの外に出る時はマスク着用だし、他の人と接触をしてはいけない。でも、試合前の時期に外に出てなにかをする必要もない。俺の場合はブラックハウスへ練習に出かける時だけ、ホテルから出ているよ。

ファイトに集中しているから、基本的にはこれまでと変わらない。試合に向けて、自分のなすべきことをするだけだ。でも、少し自由になった空気感は確実に伝わってくるよ。家族を会場に招くこともできるし、そこは随分と気持ちが違う。これまでの2試合は、そんなことは許されていなかったから。家族が回りにいることでストレスが減るし、心の平穏を保つことができるからね」

──それは大きな違いですね。ところでワールドGPが開始する前、AJ・マッキーと決勝で戦うことがあると予想できていましたか。

「このトーナメントに出場した選手は、皆がタフだった。ただ、その中でもAJ・マッキーは頭一つ抜けているかとは思っていた。俺以外で決勝に上がってくるのは、ヤツになることは十分にあるとは予測していたよ。

実際、トーナメントが始まってからのパフォーマンスも他の選手よりも良かった。インパクトを残す一本勝ちもしている。ただし、他のファイターと比較してずば抜けていたというわけでもない」

──ではAJ・マッキーが見せてきたパフォーマンスに関して、どのように評価していますか。

「どの局面でもデンジャラスなファイターだ。パンチもキックも良い。レスリング……テイクダウンもパワーがあってダイナミックな動きができている。ちょっとトリッキーでね。そういう備えている要素の全てを試合中にいかんなく発揮してきた」

──打撃だけでなくレスリング、そしてフロント系のチョークでも効力を発揮しているリーチの長さについては、どのように思っていますか。

「それがAJ・マッキーに備わっている技量だよ。長いリーチ、背も高く、体格も大きい。ただし、マーシャルアーチストとして言わせてもらうとファイトは体の大きさやリーチの長さで決まるものじゃない。自分の体の特徴をいかに知り、そこに則した試合ができるか。テクニックと経験が重要になってくる」

──それこそがパトリシオの強みでしょうか。

「忍耐力、経験、体の強さ。パワーは俺の方が上だ。AJ・マッキーが無敗のファイターであるということは、何もアドバンテージにはならない。俺と戦うことで、彼は今まで経験したことがない事態に陥るだろう。ヤツとはやってきたことが、違う。経験の差を見せるつもりだ」

──今大会はUFCと同じ土曜日に行われます。ヘッドライナーとして、どのように思っていますか。

「イベントの日時が、ぶつかる日もあるだろう。今やベラトールも大きく成長し、UFCを離れてサインするファイターも数多くいる。フリーエージェント市場で、一番人気があるのがベラトールだ。UFCファイターはUFCを離れてベラトールに来たがっている。でもベラトールのファイターは、ベラトールを離れてUFCに行こうとは思わない。UFCからベラトールに来る選手の数と、ベラトールからUFCへ行く選手の数は違う。

何よりも土曜日のカードは、UFCよりもBellatorの方が良い試合が揃っている。ファンもその辺りは理解しているはずだ。

俺はベラトールが小さな会場でイベントを開いていた時から、戦ってきた。今のようにベラトールが成長し、心の底からハッピーだ。そのプロモ―ションで最も多くタイトルマッチを戦い、最も試合数が多く、フィッシュ数も一番多い。ベラトールで自分が成し遂げてきたことには満足している。ベラトールでキャリアをスタートした時から、このプロモーションを代表するファイターになったことに、凄く達成感を持っている。ベラトールの発展に寄与できたことは、俺のなかでは誇りだ」

──もちろん、今はAJ・マッキー戦に集中しているでしょうが、そのような言葉を聞くと100万ドルを手にした暁には、もう全てをやり終えた気持ちになってしまうのではないかと心配です。

「GPを終えれば、バンタム級のベルトを狙いたい。その気持ちは持っている」

──えぇ!! 3階級同時制覇を目指すということですか!!!!

「俺個人としては、そのつもりだ。ただし、その機会が巡って来るかどうかは俺には分からない。パンデミックの影響で、随分とベラトールも活動を停止したこともあり、ライト級のベルトをずっと防衛できていないからね。きっとトーナメントが終わると、ベラトールはライト級のタイトル防衛戦を望んでくるだろう。だから、俺がバンタム級王座を狙うかどうかも、その辺りの事情に左右されるはずだ。

ただし、その機会が与えられるのであればバンタム級王座を狙いたい。そして……これはもうベラトールだけの話では済まないけど、ベラトールとRIZINがそうだったように、クロスプロモーションで他の団体のチャンピオンを戦いたい。特にUFCチャンピオンとね。RIZINとベラトールのクロスプロモーションが実現した時は、ファイターの誰もが歓迎した。

だからこそ、ボクシング界がそうであるようにMMAも最大の組織、最大の認可団体は時にはチャンピオン同士の試合を組むべきだ。それこそがMMA界がさらに発展することを意味すると俺は信じている。そんな日が、俺がベラトールのチャンピオンとして活動している間に来てほしい。そして、誰かがそんな試合を実現できるなら、俺の名前をそこに並べてほしい」

──そんな未来がMMA界に待っていると最高ですね。パトリシオ、今日は本当にインタビューを受けてくれてありがとうございます。最後にパトリッキーだけでなく、パトリシオ・ピッチブルの試合をライブで見たがっている日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンの応援に、いつも感謝している。皆の国で、いつか俺も戦ってみたい。サンキュー・ソーマッチ!!」

■視聴方法(予定)
8月1日(日・日本時間)
午前8時00分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前11時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■ Bellator263対戦カード

<Bellator世界フェザー級選手権試合&フェザー級ワールドGP決勝/5分5R>
[王者]パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
[挑戦者]AJ・マッキーJr(米国)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
エマニュエル・サンチェス(米国)

<ライト級/5分3R>
ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)
マニー・ムロ(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アーリーン・ブレンコウ(豪州)
ダイアナ・シウバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マメドフ(米国)
ブレんと・プリマス(米国)

<ライト級/5分3R>
クリス・ゴンザレス(米国)
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ヴェネッサ・ポルト(ブラジル)
イララ・ジョアニ(ブラジル)

<150ポンド契約/5分3R>
ガジヒ・ラバダノフ(ロシア)
ダニエル・コーリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
カサン・マゴメドシャリポフ(ロシア)
ヨナタン・キロス(メキシコ)

<180ポンド契約/5分3R>
ジョニー・シスネロス(米国)
ジョシュア・ジョーンズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョージ―・カラキャニャン(米国)
キーファー・クロスビー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
ブライアン・ムーア(アイルランド)
ジョーダン・ウィンスキー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジャスティン・ベリー(米国)
ダニエル・コンプトン(米国)

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