【UFC ESPN28】10年間、UFCで戦い続ける寝業師ハニ・ヤヒーラ─01─「僕が寝技で戦うのは自然なこと」
【写真】36歳になっても童顔!! ハニ・ヤヒーラ(C)MMAPLANET
31日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN28「Hall vs Strickland」が開催される。同大会のコメインでカン・ギョンホと戦うのは、ハニ・ヤヒーラだ。
寝技にいけばブーイング、そんな世界の最高峰での活動期間は10年が過ぎた。WEC時代を含め戦績は16勝7敗1分(1NC)、特筆すべきは前述したように今も寝技の局面を嫌う北米のファンの前で、ハニはこれだけの試合をこなし──スポットを浴び続ける数は決して多くなくてもオクタゴンで戦い続けてきた。
それこそ、ハニのファイトスタイルに通じる──他に比肩するファイターがいないファイトライフだ。
──ハニ、お久しぶりです。
「久しぶり。元気でやっているかい? オレンジカウンティで会ってから、どれぐらいだろう?」
──あれは2006年だったと思います。植松直哉選手やタクミ選手とOC JJを訪れたのはもう15年も前、ハニは21歳でした(笑)。でも、今もハニのUFCでの試合を見るのが楽しみでならないです。
「ありがとう。そう言ってもらえて、凄く嬉しいよ」
──土曜日にカン・ギョンホと対戦します。今の気持ちを教えてください。
「とても良いよ。試合まで最後の週になり、順調に練習をして減量も上手くいっている。今回の試合に関しては、凄く自信があるよ」
──試合前のキャンプはATTで行ったのですか。
「そうだね。3週間ほどATTでキャンプをした。その前はブラジリアの僕のアカデミーでチームメイトと調整してきた。良いキャンプだったよ。ATTには数多くのハイレベル・ファイターが在籍しているからね」
──ハニのジムということは、もうアタイジ・ジュニオールの下ではトレーニングを行っていないということですか。
「ノー、もうアタイジとはやっていない。3年前にハニ・ヤヒーラBJJをオープンさせて、それからは自分のチームで練習してきたんだ」
──3年前ですか!! ということはアカデミーを開いて、半分はコロナ禍ということですね。さぞかし大変だったかと。
「本当にね。簡単ではなかったよ。ただし、逆を言えば自分のアカデミーを持っていたことで、僕自身の練習を続けることができたともいえるんだ。アカデミーの教え子の指導はできなくても、プロファイターとトレーニングはしてきたから。ようやく一般の会員も、ファイターも練習ができるようなったよ」
──それは何よりです。ブラジルからは痛ましいニュースばかりが伝わって来ていたので。
「凄く状況は良くなっているよ。ブラジリアは特に良くなっていると思う。まだ、いくつかの州や都市では社会生活がオープンになっていないけど、ブラジリアンはもう大丈夫だよ。まだ皆がマスクをしているけど、ブラジリアの人間はワクチン接種を済ませているからね。少しずつだけど、ブラジル全土が社会生活を回復させているよ」
──ではブラジリアでの調整も問題なかったということですね。
「そうだね。グスタボ・ラバレダの指導の下、ローカルファイターと練習し、フッキ・コルベーリョというボクシング・コーチもいるからね。自分のアカデミーを開く前……2017年からATTでも練習するようになり、最後の仕上げはATTで行ってきたよ」
──ATTではアタイジ・ジュニオール門下時代の同門、ミキーニョ(アドリアーノ・モライシュ)も在籍していますね。
「ミキーニョは一番最初にATTに行った人間で、そして僕が続いてからヘナト・モイカノ、フランシスコ・マサランドゥ(トリナルド)もATTで練習するようになった。僕らは皆、同じアカデミーからATTに移ったんだ」
──凄い顔ぶれですね。ところでMMAはウェルラウンド化して、随分と経ちますが、ハニは常にテイクダウンから寝技で勝負を賭けていますね。
「僕はMMAファイターだよ。ファイト哲学はそう、僕はミックスマーシャルアーチストだ。どの局面でも戦える。ただし、僕のファイトはグラウンドで勝負するもの。寝技で戦うための打撃のアプローチがある。時にはグラウンドへ移行しない時もあるけど、グラウンドで戦うことはごく自然なことだから。
一度、寝技に持ち込めば楽しく戦える。そして、絶対的に僕にアドバンテージがある。だからといって、打撃を使わず戦ったことはUFCでもないはずだよ」
──そうですね。もちろん、寝技でのハニは無敵です。ただし、今やストライカーの誰もがテイクダウン防御を身につけており、寝技に持ち込むこと自体が大変です。苦労した結果、寝技に持ち込んでも多くのファイターはハニと寝技の攻防を望まず、まず第一にスクランブルから立ち上がることに専念します。ハニが日本で戦っていた頃と違い、寝技には寝技で対抗することが、とても少なくなりました。
「その通りだよね。でも、さっきも言ったようにグラウンドに持ち込むことが自然なんだよ。意識してそうしているわけじゃない。僕にとって、ファイトとはそういうものなんだ。それによってスタミナを失うこともあるけど、それが僕の戦いなんだ。スパーリングの時から、そこは変わらないよ。
試合でもスパーリングでも、相手は倒されないように戦う。でも、僕は常にテイクダウンを奪っている。それが普通のことなんだ。そのために僕の打撃がある。それは寝技に応じないで、立ち上がることを第一としている選手を相手にした時も同じさ。
彼らは僕の打撃を軽く見ている。確かに打撃でKOするわけじゃない。でも、テイクダウンするための打撃をもう、ずっと練習してきたんだ。それにテイクダウンできなければ、引き込んでスイープすれば良い。僕が寝技で戦うための入り口は、いくらでも存在しているんだ」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
8月1日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
■ UFC ESPN28対戦カード
<ミドル級/5分5R>
ユライア・ホール(米国)
ショーン・ストリックランド(米国)
<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ(韓国)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
グロリア・ジ・パウラ(ブラジル)
シャイアン・バイス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ニクラス・ストルツァ(ドイツ)
ジェレッド・ゴードン(米国)
<フライ級/5分3R>
ライアン・ベノワ(米国)
ザロック・アダシェフ(ウズベキスタン)
<ミドル級/5分3R>
ブライアン・バルベレナ(米国)
ジェイソン・ウィット(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ニコ・モンターニョ(米国)
ウー・ヤナン(中国)
<フェザー級/5分3R>
コリン・エングラン(米国)
マルシック・バクダサリアン(アルメニア)
<ライト級/5分3R>
クリス・グラッツマーカー(米国)
ラファ・ガルシア(メキシコ)
<フェザー級/5分3R>
ダニー・チャベス(米国)
カイ・カマカ3世(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
アシュリー・ヨーダ―(米国)
ジン・ユ・フレイ(米国)
<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
ロニー・ローレンス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
オリオン・コスケ(米国)
フィリップ・ロウ(米国)