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【LFA110】シン日本人=堀内佑馬、LFA暫定フライ級王座挑戦へ「こういう生き方もあるんだよ」

【写真】人知れず続けてきた──努力を見ている人間はいる。堀内佑馬が、大袈裟でなく人生を賭けて歩んでいた道。その先を切り開くことができるか。大一番に挑む (C)marsnet.US

2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートでLFA110「Johnson vs Horiuchi」が開催される。

UFC、そしてBellatorへの登竜門。この1年で両プロモーションに30名以上のファイターを送り込んだMMA界のNCAA=LFAで、堀内佑馬が日本人として初めてタイトル戦に挑む。

LFAフライ級王者ヴィクター・アルタミラノのコンテンダーシリーズ出場が決まり、チャールズ・ジョンソンと暫定王座決定戦を戦う堀内。2016年のGladiator ChallengeからUFCを目指し、カリフォルニア州アーバインに拠点を移し、MMAファイター人生を送ってきた。自身の選択、生きる様を見せつける刻が来た。


──かなり頬がこけていますね(※取材は現地時間6月27日に行われた)。

「そうですね。僕は水抜きをしないので、もうすぐリミットです」

──ではファイトウィークをリミットに近い体重で過ごすと。もうファイトキャンプも終えた感じでしょうか。

「はい、追い込みは終わっていて。明日、少し動いてあとは残りの体重を落とす感じですね」

──対戦相手のチャールズ・ジョンソンは長身、そして手足の長い相手です。遠い距離のパンチや蹴り、近距離ではヒザ蹴り、長い腕はギロチン系の技に適しており、なかなか厄介な相手になりそうです。

「う~ん、あまり試合映像も見ていないんです。当日も自分のフィーリングで戦いたいと思っています。強いのは確かですけど、普段通り戦えば大丈夫かと。

もともとチーム・オーヤマに来ていたことがあって、アレックス(ペレス)とか一緒に練習していた時期があるので、アドバイスをもらっています。対策練習? 背の高い選手とやることですね。キャンプは本当にきつくて、あぁ生き残れたっていう心境なんです(笑)。

皆が気合をいれて僕に接してくれて。もうボコボコにやられることも多くて。それが皆の『頑張れよ』という気持ちの表れなので嬉しかったです」

──キャンプではどのような選手と一緒に練習してきたのでしょうか。

「本当に色々な選手がサポートしてくれましたけど、なかで一番やったのはアレックスですね。それとルイス・スモルカ、終盤はリッキー(シモン)も来ていましたし、ローカルプロモーションのチャンピオンともやってきました。

UFC世界フライ級王座挑戦経験のあるアレックス・ペレスと。堀内はペレスを慕ってやまない。そのペレス、レスリングを使わず勝てるオールアメリカン・レスラー(C)marsnet.US

まぁ、それでもアレックスは強いなぁって感じです(苦笑)。

オーヤマ・コーチがメインで、アレックスがサブで練習メニューや戦術も立ててくれましたし、本当に良い練習ができました」

──やはりUFCファイターたちもLFAのタイトルマッチの持つ意味を理解して追い込んでくれる形ですか。

「ベルトが……というよりも、この先が大切だからという感じですね。僕も最初はベルトに拘っていたんですけど、今はとにかく勝つ。勝って、ついてくるモノが重要と考えています。それはコーチも『勝ったら、行けるからな』という風に煽ってくれます」

──そこがMMAファイターとして、最も重要な剣ヶ峰です。プレッシャーを感じたり、ナーバスになることは?

「緊張することはないですね。プレッシャーは……プレッシャーというか、身近な人から『頑張れよって』盛り上がっていて……そこは力になっています。僕は何もできない人間だったから、周りが応援してくれるのは嬉しいです」

──そして今回の試合が、ABEMAでライブ中継されます。

「最高です。本当に最高です。最高です(笑)。本当に最高です」

──最高しか言っていないじゃないですか(笑)。

「あははは。やはりUFC FIGHT PASSに加入している人は限られているだろうし、こっちでやってきて日本で注目されるような大会で戦ってきたわけじゃないです。知名度は全くないので……これでチャンピオンになって、少しは名前を挙げたいです」

──本気でUFCを狙ってきた。その生き方が認められたのではないでしょうか。

「そこに関していうと、自分で言うのはアレなんですけど……。こっちに来て、超ローカルの団体で戦ってリウドヴィク・ショリニアンっていうウクライナ人、LFAではレオナルド・ゴメスと2試合連続スプリットで負けて。でも、そういう強い奴とやって経験を積み、周りのサポートで力をつけることができました。

前回、コンテンダーシリーズで戦うなど、UFCに近い位置にいるドノヴァン・フリローに一本勝ちすることができて、タイトル戦が決まりました。そして、ABEMAさんが中継すると知って──本当に頑張ってきて良かった……良かったのですが、こんなに良いチャンスが巡ってきたので、勝ってその先を見据えたいです。そのために頑張ってきたので」

──単身、アーバインにやってきて流してきた汗。軽々しく使う言葉ではないと思うのですが、生き様を見せてほしいです。

「はい、見せたいです。僕、キッズのムエタイを50戦ぐらい戦ってきて、4回タイトルを掛けて戦って、1度も勝っていないんです。でも、あの頃とは違うし。RFAやレガシーFC、LFAというポジションのタイトルを取った日本人っていないと思います。ここで俺がベルトを取って、シン日本人スタイル──こういう生き方もあるんだよって見せたいです」

■視聴方法(予定)
7月3日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘Ch
午前10時00分~UFC Fight Pass

■ LFA110対戦カード

<LFA暫定フライ級王座決定戦/5分5R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
堀内佑馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
マルクス・ペレス(ブラジル)
クリスチアーノ・フロウリッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
シビウィケン・オンエネゲシャ(米国)
ヘナート・ヴァレンチ(米国)

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
ルイス・アギーレ(メキシコ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェケリン・アモリン(ブラジル)
ミーガン・オーウェン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
アルペン・グラン(米国)
オスカー・ヘレーラ(米国)

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