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【Fight&Life】格闘DREAMERS/髙谷裕之「目標はUFCに追いつき、追い越せというイベントを創ること」

【写真】厳しさと優しさをオーディション参加者に見せる髙谷。これぞ彼のMMAへの想いの深さと感じた(C)MMAPLANET

明後日23日(金)発売のFight&Life#84にLDH格闘家育成プロジェクトをスタートさせ、その一端として現在ABEMAで配信中の格闘DREAMERSでLDH martial arts所属選手のオーディションを行っている髙谷裕之のインタビューが掲載されている。

MMA人気を根づかせるために、格闘技の本質を曲げない。何より人生育成が欠かせないという髙谷。格闘DREAMERSは、国内でUFCに負けないイベントを再び行うために彼らが練る、10年~20年越しの計画の第一歩だ。

本誌で掲載しきれなかったオーディション合否の背景について語った髙谷の言葉をここでお届けしたい。


──LDH martial artsの格闘家育成プロジェクト。その一端として始まった「格闘DREAMERS」のオーディションには200人の応募があり、書類選考で52名までしぼりました。その判断基準はどういうものだったのですか。

「本当はたくさんの人に集まってもらってオーディションをしたかったのですが、コロナでそれはできなくなったので書類選考という形を採らざるをえなかったです。重視したのは世界を獲れるような可能性を感じさせるスポーツの実績や熱意です。世界で闘える選手を発掘するオーディションなので、そのような基準で選手を選びました」

──書類選考で落とされ、実際に見て判断してほしいと言ってきた応募者はいましたか。

「1人、2人はいたかもしれないですけど、そういうことは僕の耳には入って来なかったです。逆に来てほしかったですけどね」

──第一次オーディションで52人から一気に19人まで篩に掛けられました。

「人数の上限を決めていたわけではないです。打撃とグラップリングのスパーを見て、動きの良かった人間だけ選ぶと19人という数になりました」

──そこで落とされた人から、泣きの一回を実施してほしいというような要求は?

「1人もいなかったですね。僕自身は何か言ってくる奴とかいるだろうなって思って……ガチンコ・ファイトクラブみたいに『お前が相手しろよ』みたいな奴がなかには含まれているのかと。そこそこの準備はしていたんですけど(笑)」

──アハハハハ。売られた喧嘩を買うつもりでオーディションに向かっていたということですね。ガチすぎます。

「結果、格闘技をやっている人間なんで──落とされた自分と受かった人間の違いが分かったのでしょうね」

──合格者のなかでも2選手が辞退しました。

「合宿を行ったので仕事の都合が合わなかったのか。1人はスパーリングでダウンを喫したことで自信がなくなったのかもしれないですね。もう1人の選手も、所属ジムの兼ね合いや『歌やファッションも好きだし、格闘技一本じゃない』と言っていたので、空気が違うと捉えたのかもしれないです。僕らはフルタイム・ファイターを求めているので」

──第2次オーディションのための合宿は、いつ行われたのですか。

「12月ですね。番組では割愛された部分も相当にあって(笑)。本当に厳しかったと思います」

──輪になってスクワット。慧舟會の補強を思い出しました。

「久保さんの合宿は腕立て伏せ2010回とかだったので(笑)。あれと比較するとインターバルの時間もありますし、回復の時間も測ってスケジュールを組んでいたので、非科学的に見えても多少は科学的にやっていました。

生き物として強いヤツしか生き残れない。そういう合宿になったと思います」

──打撃の上手い選手が多いです。

「そうですね。僕が選ぶということが影響したのが、参加した選手の8割ぐらいは打撃系でしたね」

──そんななか落選した選手に、山本歩夢選手が含まれていました。

「う~ん、彼は話せば分かる部分はあるかと思いますが、格闘技もこのオーディションもビジネスにつなげることに重点を置いていたように感じました。自分で会社も経営しているみたいですしね。

僕たちが必要なのは格闘技一本でやっていこうという人間です。格闘技だけでなく他のことと一緒にやりたい人もいるし、『僕の人生は格闘技だけじゃない』という選手もいるでしょう。それぞれ生き方という部分では正解も間違いのないのですが、僕らが欲しい選手は格闘技一本でやっていくという気持ちの選手なんです。

同じように会社を興した人間がいます。高木オーディン祥多の場合は格闘技をやるため──自分の練習時間を確保するために経営者になっています。

格闘技のために荷揚げなのか、運送会社をやっています。彼の場合は僕らが欲しいと思う向き合い方だったんです。

ただし、凄いなと思う反面、そこが精神的な甘さに通じることもあるとも思います。

齋藤奨司なんかは会社を辞めて退路を完全に断っている。弱いところを見せようがないと思いますね、彼に関しては」

※23日発売のFight & Life#84は、オーディション最終選考となる実戦の2週間前にパウンド有りのアマ大会を開き、選手たちに試合をさせて理由、オーディション終了後のLDH自主興行や契約選手の育成方法などが掲載されています。

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