【BRAVE CF49】急遽オドリスコールと対戦、ホゼ・トーレス─01─「大きなジムでやるメリットはない」
【写真】ドラゴンボールZの孫悟空のキャップを被ってZoomインタビューに応えてくれたトーレス(C)MMAPLANET
25日(木・現地時間)にバーレーンはムハラクのアラード要塞特設会場で開催されるBRAVE CF49 「Super Fights」。
コンバット・キングダム4連戦、第3週目の大会でホゼ・トーレスが、ブライン・オドリスコールとキャッチウェイト戦を戦う。当初の予定ではショーン・センテーラとの再戦=BRAVE CFフライ級王座決定トーナメント準々決勝を戦う予定であったが、センテーラの負傷欠場で5日前にオドリスコール戦が決まった。
急遽、手の内の分かるセンテーラからBAMMA~ベラトール欧州サーキットで活躍してきた未知の相手と戦うことになったトーレスだが、この対戦相手変更を歓迎している。
IMMAF2連覇からTitan FCでフライ級とバンタム級を制し、念願のUFCへのステップアップも1勝1敗でフリーエージェントとなったトーレスにBRAVE CFを選択した理由、そしてディン・トーマスの下、少人数でトレーニングを行う現状を尋ねた。
──ショーン・センテーラの負傷欠場で、急遽61キロ契約でブライン・オドリスコールと対戦することになりました。センテーラの欠場とオドリスコールが代役になると聞いた時は、どのように思いましたか。
「そういうことは過去にもあったし、試合の前に全然知らない選手と戦うことが決まるのが、このスポーツだ。だからこそ、しっかりと練習をして試合に臨まなければならない。それに対戦相手が決まっていても、似たタイプのファイターだけでなく、誰ともで戦えというのがディン・トーマスの指導方法なんだ。
『試合の3日前でも、大きな相手との練習を楽しめ』って言っているよ。だから、センテ―ラの欠場を知らされた時はクソって思ったけど、オドリスコールと戦えることになって凄く嬉しかったよ。
過去3戦ほど、ずっとグラップラーと試合をしてきたから、ようやく打撃系の相手と戦える。こういう状況で試合を受けることもチャレンジだよ。ドラゴンボールZのゴクウもチャレンジを楽しんでいただろう? 僕もそうだ。
ギリギリのタイミングで相手が代わり、体重を落とせないから通常より重い体重になる。相手も大きいだろう。だからこそ、遣り甲斐があるってもんだよ。ゲームプランはもちろん変わるけど、目指すゴールは同じさ」
──もともとはBRAVE CFフライ級王座決定トーナメント準々決勝の再戦として、センテ―ラ戦が組まれていましたが、彼の欠場で準決勝進出が決まったということですか。
「BRAVEはトーナメントを進めないといけない。ただし、これは僕の責任でもなんでもない。それにザック・マコウスキーは対戦相手が体重を落とせなくて、準決勝進出を決めた。彼の場合は計量まで来ていたから他の相手との試合も組めなかった。僕の場合は5日あって、オドリスコールという相手も見つかった。
4月1日に延期する話もあったけど、あの日のカードはもう決定していて、これ以上試合数を増やすことはできなかったんだ」
──そしてトーナメントではなく、61キロで戦うことになったのですね。
「そう。僕もオドリスコールも試合がしたかった。だからトーナメント戦でなくても、キャッチウェイトでも構わない。彼に勝って準決勝でアリ・バガウティノフ✖ダスティン・オーティズの勝者と戦うんだ」
──オドリスコールは打撃でもできますが、テイクダウン&柔術でも試合を組み立てることができます。「それで彼が打撃戦を避けてくるなら、それも構わない。僕は4歳の時からMMAの練習をして、ATTでキョージさんやエレベーション・ファイトチームではコリー・サンドハーゲンら多くの選手とトレーニングをしてきた。本当にたくさんのスタイルの持ち主と練習し、僕をテイクダウンできない選手、打撃でぶちのめすことができない選手も数多くいた。そして僕がテイクダウンできない、ぶっ倒せない選手とも練習を積んできた。
オドリスコールが僕をテイクダウンして、グラウンドで勝負してくるならそれでも大丈夫。ゲームプランを変更する、臨機応変さと判断力がファイターに求められている様子だからね」
──コーチはディン・トーマスだと言っていましたが、彼はATTを離れています。それでもATTで練習することがあるのですか。
「これまで試合前になるとデンバーのエレベーション・ファイトチーム、アルアカーキのジャクソン&ウィンクルジョンMMA、フロリダのATTで練習してきたけど、今はディン・トーマスの下でジリアン・ロバートソン、デヴィッド・エモンズらと一つの家で生活し、ガレージで練習しているんだ。
僕らは、自分たちの練習場をザ・ファームと呼んでいる。ほとんど練習は4人で行っている。で、スパーリングが必要になったらお隣のATTやヒュージョンで出稽古を行うんだ。でもミット打ちや技術練習はそんな大人数でやるよりも、限られた少人数で、徹底してやるほうが良い。
今はCOVIDの影響もあるし、大きなジムでやるメリットはない。小さなファミリーのような環境の方が、28歳になった僕には合っている。だれかれとなく叩き飛ばす練習でなく、一人の先生と事細かに創っていく方が良いんだ。1対1、1対2でね。10人の優秀なコーチといえども、100人のファイター全員に目を配ることは不可能だ。1対2で全てを見てもらう方が理にかなっているだろう?」
──その通りですね。では今回もディンが一緒なのですか。
「いや、ディンは3月27日のUFCでヴィセンチ・ルケと戦うタイロン・ウッドリーとジリアン・ロバートソンのセコンドに就くためにラスベガスにいるんだ。本当は今回、僕の試合は4月1日に予定されていたけど、ショーン・センテーラが3月25日にしか試合はできないと言ってきたから、僕はディンなしで戦うことを決めたのに……。
でもディンは『俺はお前を信じている。バーレーンでの試合を楽しんで来い』って言ってくれてね。弟が一緒に来ていて、身の回りの世話をしてくれている。それにKHK MMAのヘッドコーチでBRAVE CFスーパーライト級王者エルダル・エルダロフがコーナーに就いてくれるんだ。今回、バーレーンには早入りしてKHK MMAで練習してきたから」
──なるほど。ところでUFCから離れた後、BRAVEで戦うことを決めたのは?
「UFCを1敗しただけでリリースされた時、RIZIN、ONE、そしてBRAVEが頭の中にあった。アジアで戦ってみたいってね。でもONEを見てみると、デメトリウス・ジョンソンもエディ・アルバレスも普通にONEで戦っているファイターじゃなくて、相当に選び抜かれたファイターの倒すべき対象としてカードが組まれていると感じたんだ」
──それだけのモノをもらっていますし……、そこが商品価値ではあるかと。
「もちろん、そんなことを怖がったりはしない。ただ、これは思い込みかもしれないけどONEはアジアの選手のためのプロモーションに見えたんだ。試合機会が多いのもアジアの選手で。ひょっとすると1年に1回ぐらいしか試合ができないかもしれないってね。
対してBRAVEは中東やアジアだけでなく、世界中でイベントを開催している。そのなかでただ試合をして、お金をもらうというのではなく、オーナーや代表と話をした結果チームの一員として戦っていくことができることになった。
UFCと契約していた時、ダナ・ホワイトと話すことはなかった。マッチメイカーとも話す機会はなく、マネージャーと話すだけだった。皆が忙しくて、自分の意志を理解してもらえる状況にはなかったんだ。でもBRAVEはホゼ・トーレスというブランドを大切にしてくれると感じた。だからBRAVEを選んだんだよ」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
3月25日(木・日本時間)、
午前11時30分~ FITE
午前11時30分~ BRAVE TV
■BRAVE CF49対戦カード
<スーパーライト級/5分3R>
ルアン・サンチアゴ(ブラジル)
ブノワ・サンドニ(フランス)
<61キロ契約/5分3R>
ホゼ・トーレス(米国)
ブライン・オドリスコール(アイルランド)
<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
アブドゥル・フセイン(フィンランド)
<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・フライ・ミランダ(ブラジル)
ドゥマル・ロア(コロンビア)
<ミドル級/5分3R>
チェド・ハネコム(南アフリカ)
ドミニク・ショーバー(オーストリア)
<ウェルター級/5分3R>
ジェラウド・コエーリョ(ブラジル)
ガジムサ・ガジエフ(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
ベルナルド・ソパイ(アルバニア)
フランチェスコ・ヌッツィ(イタリア)
<フライ級/5分3R>
ベレリオ・ミルチャ(モルドバ)
アブドゥルムタリプ・ゲイルベコフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
アブドゥルマナップ・マゴメドフ(ロシア)
マクジム・トロクヒムチュク(ウクライナ)
<スーパーウェルター級/5分3R>
ソラ・アクセル(フランス)
クイッティ・ベガイ(イタリア)
<バンタム級/5分3R>
グレン・マクベイ(英国)
フリエイ・ハーラシェ(ヨルダン)
<ライトヘビー級/5分3R>
スボミニミール・キャリ(スウェーデン)
ドミニク・ショーバー(オーストリア)
<ミドル級/5分3R>
イクラム・アリスケロフ(ロシア)
ミロ・ユルコヴィッチ(セルビア)