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【UFN184】バンタム級2戦目=サンドハーゲン戦前のフランキー・エドガー「血を滴らせながら栄光を掴む」

【写真】フランキー・エドガーの常にフランキー・エドガーだ(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN184:UFN on ESPN+42「Overeem vs Volkov」で、コリー・サンドハーゲンと対戦するフランキー・エドガー。

最小、最速のUFCライト級チャンピオンはフェザー級ではワールドタイトルを手にできず、バンタム級へ転向を果たした。39歳になったレジェンドは、そのバンタム級での2戦目でサンドハーゲンという正にこれから世界の頂点を上り詰めようという若き強豪と相対する。

彼の試合を、あとどれだけ見ることができるのだろうか。創意工夫とハードワークの大切さを、我々に教えてくれたフランキー・エドガー──サンドハーゲン戦前に行ったZoomインタビューで聞かれた彼の言葉を伝えたい。


──タフな新鋭コリー・サンドハーゲン戦を控えています。

「コリーは凄く強い。その彼と戦い、勝利することでタイトル奪取の青写真を描いているよ」

──ところで2019年12月に韓国のコリアンゾンビに敗れた際、引退を考えることはなかったでしょうか。

「ノー、全く考えなかったよ。良いパンチをもらってコリアンゾンビには負けた。でも自分ではベストを尽くしたし、まだやれることは前回のペドロ・ムニョス戦で示せたと思っているよ」

──マーク・ヘンリーやヒカルド・アルメイダが引退の進めるような話は?

「それも全くなかったよ。彼らは僕の実力を理解しているし、ジムでどのような動きができているかも誰もよりも分かっているからね。そして、僕がこのスポーツにどれだけ真剣に向かい合っているのかも」

──そしてフランキーが言ったようにペドロ・ムニョス戦で勝利をしました。バンタム級で戦うことに関しては、もう8、9年前にマーク・ヘンリーが提言していたことが思い出されます。その時がついに来たわけですが、135ポンドでの自身のパフォーマンスをどのように感じていますか。

「マークが正しかったんだ。凄く適しているよ。ただフェザー級時代も良い戦いができていた。ライト級からフェザー級と戦ってきた。それが僕の歴史になっている。これからはバンタム級で歴史を紡いでいくよ」

──バンタム級で世界王座を奪取するという意志を持ち続けているわけですね。

「それがゴールだからね。どの階級でも世界チャンピオンを目指す。ライト級でそれを成し遂げた。フェザー級では近づけたけど、タイトル奪取はならなかった。同じようにバンタム級でも戦っていくだけさ」

──サンドハーゲンはバンタム級でも大きく、フィジカルアドバンテージがるように思えます。

「サンドハーゲンは背が高くて、遠いレンジで戦える選手だよ。ただし、そういう試合こそ僕がずっと戦ってきたモノだから。彼は他とは違う打撃を駆使し、グラウンドも柔術を使ってとても強い。でも、僕のパンチの方が上回っているよ。簡単な試合にはならないけど」

──フランキーはMMAに革命を起こしたフットワークの使い手です。フェイクを織り交ぜ、最終的にパンチを当てるか、テイクダウンを決める。しかし、そういうハードワークの末にテイクダウンを奪ったとしても、今や多くの選手がすぐに立ち上がる術を身につけ、グラウンドでホールドすることが困難になっています。

「MMAは進化している。ただし、僕は自分の打撃、柔術、レスリングを信じている。この一つでアドバンテージを握れると、他の局面でもアドバンテージを持つことになる」

──39歳になったことを指摘されると思いますが、この年齢をどのように感じていますか。

「それは自然なことだからね。39歳になってもやれることは、もう長いキャリアで証明し続けてきた。自分の体のことだ、僕が一番分かっている。だから、ずっとこのスポーツで成功を手にすることができたんだ。

そのうえで年を重ねることで、より自分の体をケアするようになった。階級を下げたことも、僕が戦い続けることを後押ししてくれている。バンタム級にしたことでよりヘルシーになっているし、動きも上がっていることはジムで確認済みだからね」

──今のMMAではジムの移動が盛んに行われ、大きなジムに世界各国から選手が集まってくる状況です。そんななかフランキーはずっとヒカルドとマークの下で練習をしてきました。

「何があろうが2人を信じているよ。僕らの関係はコーチとファイターというよりも、家族のようなモノだから。多くの選手は敗北を経験すると、自分の中に原因を見つけようとせず、外部に敗因があるよう求めているんだ。

僕はそういう風にはならない。試合に勝てるのはコーチのおかげだ。そして敗北の責は僕にある」

──素晴らしい言葉です。フランキーはATTやサンフォードMMA、チーム・アルファメールに移ろうと考えたことはありませんか。

「ノー、ないよ。全くない。僕はニュージャーが好きすぎるんだ(笑)」

──アハハハ。とはいえヒカルドとマークの下には、新しい選手も集まってきていますね。

「新しい練習パートナーができることは、いつだって歓迎しているよ。そこにヒカルドとマークというベースがあって、彼らがやってくるのだから。ザビット・マゴメドシャリポフ、チムール・ヴァリエフ、そして最近ではコディー・ガーブラントと世界のトップファイターが合流した。彼らと一緒にマークやヒカルドの指導を受けることは、僕の財産になっているよ。

彼らはこのスポーツの将来を担う存在だ。そんな彼らと練習でやりやっていることで、試合でもやれるという自信を得ることができるんだ」

──土曜日が待ちきれないほど楽しみです。どのような試合を世界に見せたいでしょうか。

「これがフランキー・エドガーだという試合を皆に見てもらいたいと思っている。厳しい攻撃を受け、血を滴らせながら栄光を掴むんだ」

──セイフティ・エリアで戦うことはない……と。

「いいかい? 卵は割らないとオムレツを創ることはできないんだよ(笑)」

──最高です。フランキー、インタビューを受けてくれてありがとうございます。

「日本のファンに伝えてほしい。君たちのようにMMAを理解しているファンはいない。本当に日本では素晴らしい時を過ごすことができた。土曜の夜の試合を楽しみにしてほしい」

■視聴方法(予定)
2月7日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS

■UFN184対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
フランキー・エドガー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
マリオン・ルノー(米国)
メイシー・チアソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
マネル・ケイプ(アンゴラ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
アスカル・アスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)
ベニール・ダルーシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
クレイ・グィダ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ロドリゲス(米国)
ダニーロ・マルケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
マーチン・デイ(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ(米国)
デヴォンテ・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
カロル・ホザ(ブラジル)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ララ・プロコピオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<140ポンド契約/5分3R>
オード・オズボーン(米国)
デニス・ボンダル(ウクライナ)

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