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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─04─「チンクチのかかった状態の突き」

【写真】当たった時の形はサンチンでなくても、状態はサンチン。それが武術のMMAにおける、活かし方だ(C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが息を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第4回──突きを追求したい。

<サンチン解析第3回はコチラから>


(01) 拳を出す時は

(02) ヒジが体側から離れる位置にあるところから、

(03) ヒジを中心に円を描き、

(04) ゆっくりと回転して拳甲が上を向くように打つ。拳先からカラダ全体が一つに繋がった状態、すなわちチンクチのかかった状態の非常に強い突きとなる。✖肩甲骨を意識して打っても強い突きは打てない

✖ヒジが体側から離れる前に拳が回転し始めると、腕の伸びる距離が短くなる

✖拳を高い位置からスタートさせると、弱い突きになる

✖上に向かって突きを出すと、弱くなる。チンクチが掛かっていない状態になっている

【重要】
サンチンで正しい突きの打ち方、腕の伸ばし方を習得すると、実際の試合で使うスピードが乗ったパンチも同じ原理・原則で打てるようになる。「それ以外のパンチは、体が嫌がって打たなくなります」(松嶋)。当たった時の形はサンチンでなくても、状態はサンチンになっている。動作と決め、つまり当たったときにカラダ全体が繋がっているのが空手の命である。ただし決めだけではボクシングや、MMAなど実際の格闘で使うことができない。型で養成した突きをボクシング的な練習で自分のリズムに落とし込むことが必要となる。ここに型を格闘に使う際の難しさがある。型で突きを養成し、ボクシング的練習で自分のリズムに落とし込むことで誰でも強烈かつ実戦的なパンチを身につけることができる

<この項、続く

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