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【ARC001】韓国でもMMAがリスタート。アフリカTVで無観客も、かなり日常的な新構想大会スタート

【写真】e-sportsの会場だけに大きなスクリーンが完備された会場。メインで勝利したベ・ドンヒョンとロードのジョン・ムンホン会長とキム・デファン社長──そして日本ではまだ見られていないリングガールの姿も。マスク姿であるが記念撮影も行われている 。特にイベント開催にネガティブな反応はなく、かなり日本とは違う日常が韓国にあるようだ(C)ARC
Text by Choi Woo Suk

韓国MMA界で、新型コロナウィルス感染拡大後、初めてイベントが開催されている。23日(土・現地時間)、ソウルのソンパ区チャムシルのHOT6アフリカ・コロシアムでARC=Afreeca TV ROAD (FIGHTING) CHAMPIONSHIP 001が行われた。

同大会はその名の通り、韓国のネットTV局=アフリカTVとRoad FCがタッグを組んで行われたイベントだ。


アフリカTVは2005年5月にWデータサービスとして活動を始め、2006年3月に現在の名称に変更された。事業内容はTV番組の再放送、e-sportsのライブ配信や個人の日常をアップするなど、日本でいえばABEMAとYoutubeが合体したようなストリーミング、動画供給サービスといえる。

視聴者はビョルブンソン(星風船)という有料アイテムを利用することで、ブロードキャストジョッキーと呼ばれる配信者に投げ銭できるシステムも存在している──無料サイトだ。またアフリカTVでは自らのe-sportsチームを所有しており、e-sports大会のスポンサーも務めてきた。

そのアフリカTVでは以前から格闘技に興味を示しており、過去には日本のアフリカTVがロードFCの配信を行っていたこともある。また個人放送のホストとして、格闘技イベントを開いたこともあった。

今大会が実現する以前からAZALET KOREAのイ・ジェホ代表とスタジオ・フォーマットでイベント開催&中継を交渉中であったが、これは諸事情があり実現せずイ代表と親しいロードFCのキム・デファン社長がバトンタッチを受け、今大会は実現を迎えた。

いってみれば資金はアフリカTVが持ち、ロードFCが運営するという形がとられており、コロナの時期に開催されたのは、タイミング的なモノであり特にこの世情を反映してものではないというのが現地での見方だ。

試合は3分✖3Rで、寝技は30秒制限。今回は受賞者がでなかったが、試合開始から30秒以内で勝利した選手にはボーナスが与えられるなど、MMAを寄り格闘エンターテイメントに寄せたルールを採用し、『魅せる』大会となっている。

今回会場として使用されたHOT6アフリカ・コロシアムは、元々はe-sportの会場で、当日にはARC開始前にロードFCセントラル=アマチュア大会も行われていた。コロナの終息に向けて、日本や米国より進んでいる韓国ということもあり、会場に入場する前はサーモグラフィによる検温こそ実施されているが、写真で見る限り会場にいる人数も多く感じられる。

ちなみに明日の修斗無観客大会はRoad to ONEと同様に撮影はオフィシャルのみという形がとられ、記者は2階席にソーシャルディスタンスを取っても受けられる。対して、ARCは記者席が15席用意され、ケージサイドでのメディアの撮影も許されていた。

セコンドは3名で、かなり日本とは意識が違うようだ(C)ARC

試合内容としては寝技30秒という制限があるために飛びつき十字など、一足飛びの技を大胆に使う傾向もみられた。

ロードFCのトップファイターの出場は見られないが、それでもアルゼルト・コリア期待のヘビー級ファイター=ベ・ドンヒョンが、ロードFCの人気者ホ・ジェヒョクをメインでは3R1分03秒でKO。

セミではコロナ騒動の初期段階でモンゴルFCでのオトゴンバートル・ネルギ戦がキャンセルされたムングントスズ・ナンディンエルデンが、同じロードで活躍するキム・セヨンを僅か50秒でKOしている。

またセミ前ではロードFCの新リアリティTV=マッチャンイシン(タイマンの神)で優勝した──散打の世界大会で2度準優勝という肩書のパス・スンモと、高校生ながら準優勝したシン・ユンソが今大会でプロデビューを迎えている。

パク・スンモはキャリア2勝9敗のイ・ソンスにスプリット判定勝ち。

シン・ユンソはキム・サンに判定勝ちと、大きなインパクトを残すことはできなかったが白星デビューを揃って飾っている。

そんなARCだが、まだ第2回大会の開催は明らかとなっておらず、ロードFCを始め、韓国MMA界も屋内競技は観客を入れて行うことは現時点で──少なくとも7月いっぱいは許されないような状況だ。既に無観客ながらプロ野球やサッカーのKリーグが再開している韓国におけるコロナの時代のMMAは、どのような歩を進めるのか気になるところだ。

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