【Gladiator012】バック奪取に賭けたMMA──竹本啓哉が神田周一を判定で下し新バンタム級王者に
【写真】国内主要タイトルでは修斗、パンクラス、HEAT、Grachan、Grandに続きGladiatorのベルトが名古屋の陽光ALIVEに (C) MMAPLANET
23日(日)、大阪市東成区の東成区民センターで開催されたGLADIATOR012レビュー。最終回はグラジエイター・バンタム級王座決定戦の模様をお伝えしたい。
<Gladiatorバンタム級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
神田T-800周一(日本)
前王者じゅんからベルトが櫻井雄一郎グラジエイター代表に変換され、タイトルマッチ前の記念撮影を終え試合がスタート。
やや遠いレンジの打撃戦のなかで、神田が右から左を振るって前に。
さらに右の蹴りを繰り出す。竹本は左ローのタイミングで組みにいくと、押し返されそうになってもケージまでドライブして右腕を指す。
神田は小手を巻けずに肩を巻くようなかたちになり、竹本は頭がワキの下にある状態で右手を取りつつボディロック。
ここから神田の左側面に飛びついた竹本は、左足を小内のように右足をかけて両ヒザをマットに着かせ、掴んだ右腕を制してワキを潜って真後ろに回る。
そのままケージに倒れこむように寝技に持ち込み、両足フックからトライアングルロックに移行してバックグラブを完成させた。
絞めは許さない神田に対し、その絞めを防ぐ動きを利した竹本がエルボーを顔面に打ち込んでいく。竹本は腕十字に移行し、神田が腕を抜いてくるとバックに戻り再び四の字を組む。
神田をうつ伏せから仰向けにさせた竹本は、ケージキックにもフックを解かず初回を戦い切った。
2R、左を当てた神田は竹本の組みを突き放し、初回と同じような間合をはかる打撃戦へ。竹本はシングルをスプロールされたところで左を打ち込み、サウスポーの構えで右ジャブを伸ばす。
竹本の右、神田の左が時折り交錯するも相手の攻撃を見る神経戦が続く。そのさなか、神田はこの距離を利したスピニングバックキックをボディに決める。
笑顔を見せた竹本は右ジャブからシングルで、しっかりとテイクダウンを奪う。
まるで居ついたように背中をつけ、すぐにスクランブルへの反応ができなかった神田は上を奪われる。ハーフから左腕を差して立とうと神田の頭を抱える世に両ワキをさした竹本が後方に倒れ、半回転してトップへ。
その勢いを神田がもう半回転しようとするが、竹本は右手で神田の右ワキを救い、頭に刈りにいく。
神田が刈られそうになった足を押しのようとし、このタイミングで竹本は背中をつけた状態での腹固めをセットさせる。
さらに神田の右腕を引っ張り出し、両足を組んで変形横三角にとった竹本がラウンドマストの3R制で2つラウンドを取った。
最終回、ここまでのラウンドよりも早い段階で右を当ててシングルからボディロックに取った竹本が、後方に倒れ込みながら背中を制し、暴れる神田を両足フックでえしすると、ここもタイトな四の字ロックに移行する。
後がない状態で、またも竹本の形に入られた神田だったが、四の字のなかで体を捻り──ついに胸を合わせることに成功する。
意地のトップ奪取を見せた神田のポスチャーに、竹本はハイガードからラバーに移行することはできず、クローズドガードでエルボーを落とされる。
このままタイムアップまでトップをキープし、パウンドを落とした神田だったが大きなダメージを与えるだけの時間は残されていなかった。結果は3-0で竹田に。
バック奪取が命綱、打撃&スクランブル全盛のMMAにあって独特のファイト哲学を持つ竹本の腰にグラジエイター・バンタム級のベルトが巻かれた。