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【ONE108】マーチン・ウェン~キム・ジェウン戦までの松嶋こよみ─01─「克服し変わっていけるよう」

Koyomi Matsushima【写真】ウェン戦を経て、松嶋が何を得て、どう成長しているのか (C)MMAPLANET

7日(金・現地時間)にインドネシアはジャカルタのイストラ・セナヤンで開かれるONE108「Warrior’s Code」。同大会で松嶋こよみが、半年ぶりのファイトでキム・ジェウンと相対する。

昨年8月にONE世界フェザー級王者マーチン・ウェンに挑み、TKO負けを喫した松嶋。世界王座奪取に失敗した試合から、彼は何を考え、どのように行動して今回のキム・ジェウン戦までの日々を送って来たのか。

マニラ&ジャカル大会の共同記者会見が行われた1月20日に、松嶋をインタビューした。


──昨年8月にマーチン・ウェンの持つONE世界フェザー級王座に挑戦して敗北。それ以来の試合となります。ウェン戦後、どのようにMMAと向き合ってきたのでしょうか。

「自分に足りないところが……もちろん、その前から分かっている部分はあったのですが、その克服に取り組んでいかないと時間がないとあの試合で気づきました。そこからすぐに練習も再開して、克服し変わっていけるようにしてきました」

──足らないのはどういう点でしょうか。

vs Nunez「世界だけでなく、日本にもいると思うのですが、ああいう打撃の強い選手と殴り合うことができなかった。自分の気持ちが折れたことをあの試合のなかで感じました。

『そこで向き合って戦えない時はどうするんだ』。それがテイクダウンなら、『テイクダウンを取ってどうするんだ』、『テイクダウンが取れないときはどうするんだ』とか、そういう自分のダメなところに、あの試合をすることで気づけた。マーチン・ウェンと戦えて、今は良かったと思っています」

──打撃の強い選手と打撃で戦えないと感じたわけですか。

「う~ん、どういうのか……僕の質力が落ちたように感じました。1Rに作戦通りの動きができていたのに、2Rになるとどんどん合わせられて、その強打があるのも分かっていたのに……。そうですね、1Rは自分の動きができていたのにどんどん相手に合わせられて、ナーバスになっていったところで殴られ、蹴られ、結果はパウンドで負けるという形でした」

──そして心が折れたと。

「攻撃が効いていましたが、立てない……これで立ってどうするんだという風に思ってしまったので。完全に心を折られた、負けとして一番良くない負けでした」

──心が折れないのは素晴らしいですが、心が折れるのが人間です。そして気絶するようなKO負け以外は、TKOも絞めでタップも心が折れてはいると思います。

「でも体力的にはまだ動けたと思うし、もう詰められて行き場所がなくなってしまって。周囲も見えないし、相手しか見えない状態でした」

──殴られて終わるという形ですが、白旗を挙げたような……。

「試合中なので、さすがにそこまで降参という風には感じないですけど、もう完全に負けた感はありました」

──「おりゃぁ」と踏み込んで、当てられて負けるのとは違っていたわけですね。

「ロランド・ディ、マルロン・サンドロ戦……僕のそれまでの負けは、そういう負けでした。勢いでいって、それまでもプロセスが悪くて、相手を見ずに踏み込んで殴られるという。でもマーチン・ウェンには相手を見ているのに、ねじ伏せられた試合でした」

──上には上がいるな、と?

「そこまで差を感じたというよりも、執念的な部分が僕には足らなかった。なので……これまでの練習を思い返して、色々と考えましたね。『今まで自分のジムで良いようにやって満足していたんじゃないか』、『そんな練習していたら、強いなかでもまれている選手に勝てるはずないな』とか。色々と考えて、時間を過ごしましたね」

──結果、練習環境も変えたのでしょうか。

「そうですね、練習環境以前に生活環境が変わりました」

──というのは?

「マーチン・ウェンとの試合後、AACC時代に打撃を見てもらっていた剛毅會の岩﨑達也先生と話をして……先生は、僕がイズムに入ってからもずっと気に掛けてくださっていて、マニラまで試合を見にきてくれていたんです。

で試合が終わって『このままじゃ海外に勝てない』という話をしていたら……僕がバイトをしていて練習時間が取れないということを気にしてくださって。結論として岩﨑先生が経営されている会社に入社させていただき、練習中心の生活を送れるようになりました」

──給料をもらって練習をしているということですか。

「ハイ。そういうことになります」

──それは多くの選手からすると、よだれが出てしまいそうな環境を手にしたということではないでしょうか。

「申し訳ないですけど……そういう風にさせていただいています。バイトがないと、1日にしっかりと2度練習ができて……練習のことだけを考えることができる時間もあります。練習と練習の間にバイトがある時と比較すると、疲労の回復度がまったく違ってきますし、格闘技に向き合える状態がまるで違います。本来はバイトをして勝たないといけなかったんでしょうが、マーチン・ウェンはそれでは勝てない相手でした」

──松嶋選手が戦っていく相手は、ほぼ職業格闘家ばかりになっていくでしょうし、練習に専念できる環境ができたことは最高だと思います。

「凄くありがたいです。同時にまた、岩﨑先生との空手の稽古も週に一度、再開するようになりました」

──競技空手というよりも、剛毅會の武術とMMAの融合は戦う選手目線では、非常に難しい部分があるかと思うのですが。

「以前は事細かに動きを指導してもらっていたのですが、再開後は『お前が積んできたものがあるから、お前の動きをしろ』と言ってもらえて。空手の稽古を止めていた時の体の軽さと、再開しだしてからの重さ、その変化はあります。これは打撃の重さとかではなく、武術的にいう重さという部分で動きに変化はあるんです。

今は僕が動きたいことと、先生の空手を週に1度擦り合わせ、それ以外でも気が付いたことがあれば連絡を取り合って意見交換をさせてもらっています」

<この項、続く

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