【ONE107】和田竜光と対戦、謎多きデルフィーノ「ルタ・マラジョォンを8歳からやっている」
【写真】ただ者ではない感が漂ってくるイヴァニウド・デルフィーノ (C)MMAPLANET
いよいよ、明日31日(金・現地時間)に迫ったONE107「Fire & Fury」。フィリピンはメトロマニラのパサイ・シティ、MOAアリーナで開催される同大会で、和田竜光と対戦するのがブラジルのイヴァニウド・デルフィーノだ。
現代社会において、考えられないほど戦う映像が残っていないデルフィーノ。その彼をようやく大会前日になってキャッチすることができた。
そして未知の格闘技歴を聞くと、パラ州のマラジョー島の民族レスリング=ルタ・マラジョォンから彼のマーシャルアーツ歴が始まっていたことが分かった。その後、ムエタイ&ボクシングからMMAに転向したというデルフィーノ──「あまり練習しないけど──柔術は紫帯」など、ルタ・マラジョォンも含め、余計に謎が深まってしまった。
ただし、UFCファイターに囲まれ、ベレンというMMAの盛んなブラジルのノルデスチで練習をしジャングルファイトでチャンピオンになっただけでも、相当の手練れであることは間違いない。ただ者とは思えない雰囲気を醸し出す、イヴァニウド・デルフィーノとはこういう格闘技歴の持ち主のようだ……。
──明日、和田選手と戦います。これから2度目の計量がありますが、調子はいかがですか。
「ハードなトレーニングを積んできたので、調子は最高に良いよ。ワダのことも研究してきた。素晴らしい選手なので、彼と戦えて嬉しい。ワダは動きが多くて、グラップリングも強い。でも、そこを踏まえて練習してきたから、1RでKOするよ。
ONEの計量システムは初めてだけど、体重も問題ないしハイドレーションも大丈夫だろう。ホント、これまで経験したことがなかったけど2日間とも問題ないはずだよ」
──イヴァニウドの試合映像が全く見つからなくて、どのような選手なのか日本のファンに伝えることが難しかったのです。これまでも格闘技歴を教えてもらえますか。
「生まれ故郷のパラ州のマラジョー島には、ルタ・マラジョォンがあって、8歳の時から練習していた。その後、15歳になってムエタイやボクシングを始め、そこからMMAに転向したんだ」
──ルタ・マラジョォンとはフォークスタイル、民族レスリングの一つですね。ブラジルにはフカフカと呼ばれるヒザを付けた状態から始める民族レスリングがありますが、ルタ・マラジョォンもフカフカのようなレスリングなのでしょうか。
「ルタ・マラジョォンは砂の上で行い、背中をつけさせれば勝ちだけど、自ら背中をつけての投げも許される。投げへの返し技も多いよ」
■ルタ・マラジョォン対角線にある手を握り合ってからスタートする習慣もあったが、今は正面にある手に触れて始まったり、どこも触らずにスタートをかけられることもある。
カベサーダと呼ばれるダブルレッグからのリフト、カオサーダという大外刈り、ランバーダ=反り投げなど直接背中から落とす技が多い。またボイ・ラランジェイラというシングルレッグをいなして倒す投げや、エンフィカッダと呼ばれる組み合いのなかで自ら後方に背中をつけて投げる技もある。
加えてエスパリャーダ=スプロール、へコリーダという返し技にも個々の名称がつけられている。
※上記のテクニックはEEPLECというルタ・マラジョォンの組織が動画でYoutubeに挙げており、なんとイヴァニウド・デルフィーノが主に受け手を務めている!!
──非常に興味深いです。そのルタ・マラジョォンから打撃に転じのたのは?
「打撃を始めたのはマラジョー島からベレンに移り、ルタ・マラジョォンの練習はできなくなったからでなんだ。格闘技を続けたかったし、ルタ・マラジョォンはたくさんやったから、今度は打撃を集中的に練習してみたくなった。そして、2014年だから25歳になってからMMAに転向したんだよ」
──三角絞めで勝利しているという記録がありますが、寝技の方は?
「あまり柔術の練習はしていないけど、紫帯を持っている。MMAを戦うには柔術は欠かせないからね。ただし試合でも打撃に重きを置いていて、相手がミスをすればサブミットする感じかな。そうだね、ミスをしたら誰でも極めることができるよ」
──今もベレンで練習しているのですか。
「そうだよ。ベレンのマラジョー・ブラザースというジムに所属していて、マスター・ユーリ・アルカンタラの指導を受けている。アルカンタラ、女子選手のアマンダ・レモスもUFCで戦っているよ。もちろん、ユーリの兄弟のイルデマウもチームメイトだよ」
──そのマラジョー・ブラザースで練習し、ブラジルで戦ってきたイヴァニウドがなぜONEと契約したのでしょうか。
「ジャングルファイトの暫定フライ級にチャンピオンになり、その試合後にマネージャーがONEと交渉してくれたんだよ」
──ではONEデビュー戦、どのような試合をしたいと思っていますか。
「ファンの皆に喜んでもらえるような試合がしたい。ファイト・オブ・ザ・ナイトに選ばれるような、ね」
■ONE107対戦カード
<ONE 世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]アレックス・シウバ(ブラジル)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ピーター・バウシュト(オランダ)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
シェ・ウェイ(中国)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
MOMOTARO(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
クォン・ウォンイル(韓国)
佐藤将光(日本)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
イヴァニウド・デルフィーノ(ブラジル)
和田竜光(日本)
<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
アルマ・ユニク(豪州)
アン・リーネ・フグスタード(ノルウェイ)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ポンシリ・ミートサティート(タイ)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジナ・イニオン(フィリピン)
アシャ・ロカ(インド)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)
クリス・ショー(スコットランド)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジョマリー・トーレス(フィリピン)
ジェニー・フアン(台湾)