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【ONE107】何かが起こる? フォラヤン戦へ──ピーター・バウシュト「僕を殴ることはできない」

Pieter Busit【写真】アークエンジェル(大天使)のニックネームを持つバウシュト。これがアークエンジェル・ポーズだという (C)MMAPLANET

明日31日(金・現地時間)にフィリピン・メトロマニラはパサイ・シティのMOAアリーナで開催されるONE107「Fire & Fury」で、ピーター・バウシュトがエドゥアルド・フォラヤンと対戦する。

元ONE世界ライト級王者フォラヤンと彼の母国フィリピンで戦うオファーを2週間前に受けたバウシュトはキック王国オランダで、柔道、キック、そしてMMAと格闘家人生を送ってきた。188センチの長身の理を誰よりも理解し、こ一戦の大切さを重々承知している彼は「このスポーツは決して、大きなドアが開いているわけじゃないしね。小さな窓が開いたから、その機会を生かさないといけない。絶対にモノにするよ」と断言した。

ONEライト級戦線に激震をもたらす可能は決して低くないバウシュトに初インタビューを試みた。


──2週間のショートノーティスで受けたエドゥアルド・フォラヤン戦が迫ってきました。

「もうやるだけだ。いつもトレーニングをしているし、体重も問題なかった。常に戦う準備をしている──武士道ライフスタイルだ。息子が1月4日に生まれたばかりだけど、いつでも戦えるよう準備していた。それが僕の生き方だから」

──お子さんが生まれたばかり、それはおめでとうございます。

「ありがとう(笑)。子供が生まれた1週間後に今回のオファーがあった。対策練習ではないけど、1日2度常に一定のトレーニングはしてきたので、このチャンスを逃すことは考えられなかったよ」

──我々がピーターを認識したのは下石康太選手を破ってからですが、既に17戦のキャリアがありました。オランダといえばキックボクシングのイメージが今も強いのですが、どのようにMMAを始めたのでしょうか。

「僕はオランダのブレダに生まれて6歳の時から6年間、柔道をやっていたんだ。そして12歳か13歳のときにキックを始め13年間練習してきた」

──13年!! ブレダのキックといえば、コー・ヘーマス率いるメンホージムは日本のファンにも知られた存在でした。

「まさに僕がキックを始めたジムがメンホーだよ(笑)。ラモン・デッカー、ニキー・ホルツケン、マラット・グレゴリアン、凄いメンバーが揃っていたよ。でも、正直なことを言うと僕はキックボクシングをやりたいとは思っていなかったんだ。ゲンキ・スドーやカズシ・サクラバを見て、彼らがアイドルだったから」

──日本人ファイターを見て、MMA志向だったと?

「そうだよ。MMAファイターになりたくてしょうがなかった。でも当時、オランダでMMAが練習できる場所は少なくて、MMAのためにキックボクシングを始めたんだ。キックをベースにして、MMAに生かそうと思ってね。キックを始めてからもPRIDEやK-1 DYNMITE!、DREAMをチェックしていたよ」

──柔道をやっていたとはいえキックがベースのピーターですが、一本勝ちも多いですね。

「僕が所属しているコンバット・ブラザースのヘッドコーチは、グラップリングのワールドチャンピオンなんだ。それにゲガール・ムサシ、ONEで戦っているライニア・デリダーを始め、グラップリングの強い選手と練習しているからね」

──日本のファンもオランダ人選手のグランドを軽視できないということですね。

「僕らはスタンドも強いけど、グラウンドもできる。だから2週間前のオファーでも、自分のやるべきことに集中してきた。それにこの階級で戦っているのだから、エドゥアルドのことは対戦することがあると思い、ずっとチェックしていた。結論として彼の距離と角度じゃ、僕を殴ることはできない。だから、自分のやるべきことにフォーカスしてきたんだ」

──188センチの長身はこの階級では大きな武器になります。

「その通りだね。僕はロングレンジで戦えるし、接近戦でもヒザ蹴りがある。それにジムにはアルメニアから来たレスラーがいて、彼らとしっかりと練習している。もちろんブラジリアン柔術も、だよ。僕に穴はない。でも、MMAってそういうものだしね。どの局面でも戦えるようシリアスなトレーニングを続けてきた。

エドゥアルドとの試合は大きなステッピングボードになる。彼に勝って少し家族との時間を過ごすと、次は5月ぐらいに試合をしたい……タイトルを狙いたいと思っている。ここ2試合は連続してショートノーティスでの試合だったから、しっかりと準備をして戦いたいんだ」

──ライト級には青木真也、徳留一樹という日本人選手がいます。

「アオキのことは大好きだよ。いつか戦ってみたいね。とにかくONEが決めた相手なら誰とでも戦う。ただし、さっきも言ったように次からは、しっかりと調整して試合に臨みたい。今回はONEが僕を必要としてくれた。

人生において、こういう機会はそうは巡ってくるものじゃない。このスポーツは決して、大きなドアが開いているわけじゃないしね。小さな窓が開いたから、その機会を生かさないといけない。絶対にモノにするよ」

──では日本のファンに一言お願いします。

「ジャパーン、アリガト・フォー・エブリシング。アイ・ラブ・ユー。ずっとドラゴンボールZを読み続けるよ(笑)。皆に神のご加護を。押忍!」

■ONE107対戦カード

<ONE 世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]アレックス・シウバ(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ピーター・バウシュト(オランダ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
シェ・ウェイ(中国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
MOMOTARO(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
クォン・ウォンイル(韓国)
佐藤将光(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
イヴァニウド・デルフィーノ(ブラジル)
和田竜光(日本)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
アルマ・ユニク(豪州)
アン・リーネ・フグスタード(ノルウェイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ポンシリ・ミートサティート(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジナ・イニオン(フィリピン)
アシャ・ロカ(インド)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)
クリス・ショー(スコットランド)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジョマリー・トーレス(フィリピン)
ジェニー・フアン(台湾)

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