【Bellator238】ワールドGP準々決勝コールドウェル戦へ、アダム・ボリッチ─02─「心をボキっと折る」
【写真】激しい試合内容とは対照的な爽やかな笑顔の持ち主、ヒザ神アダム・ボリッチ。1993年の七夕生まれ、26歳(C)MMAPLANET
25日(土・現地時間)、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで行われるBellator238「Budd vs Cyborg」でダリオン・コールドウェルと対戦するアダム・ボリッチ・インタビュー後編。
フェザー級ワールドGP準々決勝、AJ・マッキーに続き準決勝進出を決める戦いでコールドウェルと相対するボリッチは、MMA未開の国ハンガリーが、多くの人のサポートを得て米国で練習を積むようになった。
支えてくれた人へ報いるためにも、彼はハードワーカー揃いのハードノックスにおいても練習の虫として群を抜いているという。
9月の準々決勝で元世界王者パット・カーランを下したあとも、ベラトールのヒザ神は猛トレーニングを積み週末のコールドウェル戦の準備をしてきた。
<アダム・ボリッチ インタビューPart.01はコチラから>
──そのような過去があったのですね。
「本当に僕は恵まれているよ。それから試合後の2、3週間以外はずっとフロリダにいるようになった。トータルで年間1月ぐらいかな。ハンガリーに帰国するのは」
──フロリダに拠点を置き、ベラトールを主戦場に戦うようになり、2019年はアーロン・ピコに勝利して、ワールドGP出場を決めると元フェザー級世界王者パット・カーランを破るなど飛躍の年となりました。
「ピコはベラトールの秘蔵っ子だったからね。ピコ戦が決まるまで僕自身、『なんだよ、ピコばっかりプッシュして。俺だって若くて無敗なのに』なんて思っていたら、あの試合が決まった。凄く嬉しかったよ、絶対に勝てると信じていたからね。ピコはタフだよ。本当に凄いパンチを持っているし。でも、僕だってベストだ。そして、あの試合の勝利で全てが変わったね」
──初回、テイクダウンに苦戦を強いられた中で跳びヒザを決めました。テイクダウン度外視の打撃戦でもなく、テイクダウンの評価が低いルールでもないなか、打撃で倒す。本当の意味でMMAストライカーだと思います。
「ピコにはテイクダウンができても、そこから先の攻撃はなかった。ダメージもないし、テイクダウンされたあとの展開を考えて戦っていたんだ。僕がやるべきことはスクランブルゲーム、テイクダウンされたら立ち上がること。そして、そのタイミングがきたらニーを使うことだったんだよ」
──9月には元世界王者パット・カーランもヒザ蹴りからパウンドアウトしました。
「あの勝利でワールドGPの最中だけど、世界王座にいつでも挑戦できる資格を得たと思っている。誰とだって戦える。経験も積んだし、ケージでどう戦うのかも理解できるようになった。そして1日、1日成長できている。カーランに勝ったあとも1週間でジムに戻ったよ。もっともっと強くなりたいから。ジムに毎日いれば、毎日学べて、強くなれる。進化が止まらない。それがMMA良さだから」
──佐藤天選手がハードノックスはハードワーカーしか揃っていない。なかでもアダムほど練習している選手はいないと言っていました。
「確かに僕はハードワーカーだ。コーチからも『もう練習を止めて、家に帰れ』って言わることがあるんだ(笑)。ハードワークが僕に自信を与えてくれる。僕がなぜ結果を残せているのか、それは誰よりも練習しているからだよ」
──9月からどれだけ強くなっているのか楽しみです。ところで年末に日本でフェザー級世界王者パトリシオ・フレイレに話を訊いたときに『ボリッチはコールドウェルのテイクダウンがあると、これまでのようには戦えない』と言っていました。
「ハハハハ。確かにコールドウェルは素晴らしいレスラーだ。でも、どの局面でも彼と戦うことはできる。そして、僕のガスタンクは彼とは大きさが違う。テイクダウンしたいならすれば良い。立ち上がるから。まるで気にしない。
それも簡単でないようにプレッシャーを与える。コールドウェルは自分が優勢だと強いけど、劣性になると心が折れる。テイクダウンを止めると、すぐにパニックに陥るからね。ポキっと彼の心を折るから問題ないよ」
──自信満々ですね。
「とってもね。キャンプでしっかりと準備してきた。全く問題ない」
──今年はワールドGP制覇が目標なのは間違いないですが、MMAファイターとしてのゴールはどのように考えていますか。
「とにかく今はフェザー級でベストになること。それしか考えていないよ。あとは……そうだね。ハンガリーでは今、MMA人気が高まってきている。子供たちが僕の試合を見てMMAを始めたいと思ってくれることもあるみたいだ。凄く嬉しいよ。でも練習環境はまだまだだから、ハンガリーで次の世代が育つために協力したいとは思っているよ」
──アダム、今日はインタビューを受けていただき、ありがとございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
「Bellator JAPANを視たけど、次に日本大会がある時、僕も絶対に日本に行きたいと思っている。ベラトール世界フェザー級チャンピオンとしてね」