この星の格闘技を追いかける

【Special】月刊、青木真也のこの一番:1月─その参─岡田遼✖祖根寿麻 「試合内容としては期待外れ」

Okada vs Sone【写真】青木としてはもっと両者のせめぎ合いが見たかった試合で、岡田が2019年最初の青木アワードに (C)SUSUMU NAGAO/SUSTAIN

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ1月の一番、第3弾は27日に行われたShooto 30th Anniv.T01から修斗環太平洋バンタム級選手権試合=岡田遼×祖根寿麻の一戦を語らおう。


──1月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目はどの試合になるのでしょうか。

「岡田遼✖祖根寿麻の試合ですね。岡田さんと祖根選手になったのは……まず毎年のことですが、1月は大会が少ない。そして修斗の1月大会に集約されるから。大会前は青井人選手になるかと思っていたら、ぐるぐるぐちゃぐちゃとなってしまって。

あの負けも謎ですよね。これは減量かなぁ……普段の体が試合の時と違い過ぎるように感じました。普段の太り具合は心配です。足を骨折して大きくなってしまい、減量に無理したのかもしれないですね。ちょっと心配ですね」

──大会前から注目していたのは、やはり青井選手の若さですか。

「そこに尽きます。22歳ですよね?」

──青木アワードは30歳未満の選手をピックするということなのですが、実はなかなか厳しい現実が見えてきます。

「色々とやることが多いMMAの競技特性もあるのですが……若い世代が育ってこない。格闘技という文化を取り巻く環境の違いか、海外はどんどん若い選手が育っているけど、日本は出てこないスよねぇ。

僕が修斗のチャンピオンになったのが22歳で、PRIDEもそういう時に出ていた。それを考えると、やっぱり仕事として格闘技は稼ぐことができるボリュームゾーンは多くないので、30歳から3年、35歳までになんて……不可能に近いですよ。

だから、そのボリュームゾーンを早く持ってこないと。選手生活後のキャリアも関係してきますからね」

──そこがまた実力社会の難しいところで。経験を積んで、競い合いに勝ってきた世代は強い。

「強いッスね。昔、気合いが入っていた世代が強いんですよ。パンクラスで堀江圭功選手が田村一聖選手にぶつかって、負けるとか……。次は田中半蔵選手ですよね、そういうカードも良いけど、バランスですね。マッチメイカーの腕が試される時が来ていると思います」

──そういうなかで、岡田✖祖根戦が1月の一番に選ばれました。

「決着の仕方は、凄く寂しかったです。もっと技術戦になると思っていたので。祖根選手と元谷選手との試合を見ると、MMAとして完成度が戦ったし、岡田さんもテクニックのある選手で戦略を立てることもできる。祖根選手も割と戦略を立てる方なので、良いシーソーゲームになると予想していたんです。

客受けはしない試合になるかもしれないけど、僕なんかはそういう試合を楽しみにしていたんですよね。それがヒョンと終わっちゃうみたいな。試合内容としては期待外れでした」

──この意見はいつまでも祖根選手を軽視しているのかと思わるかもしれないですが、負ける直前まで祖根選手は強くなったと思いつつ試合映像を視ていました。

「それって高島さんが祖根選手をずっと見てきたからですよ(笑)。僕はHEAT時代の試合を見ていないし、チャンピオンになったあたりからだから、しっかりとできる選手だと思っているんです。岡田さんのテイクダウン狙いも、反応して切っているし」

──そこなんです、私も。すぐにワキを差したところで「強くなったなぁ」と(笑)。

「ちゃんとできている。岡田さんがいって、ソレを切る。岡田さんのローにも反応して、ジャブを返す。そのうえで高い蹴りも見せることができていた。

で、岡田さんがミドルハイのような高い蹴りを見せた。これは祖根ペースになるなって思ったんです。蹴り合いだったら祖根選手だし、岡田さんは蹴らされているように見えたので。それがピョンピョンって飛んで終わって。盛り上がったけど、僕はう~んとなってしまいまいた(笑)」

──青木選手が祖根選手を買っている裏で、祖根選手はハマる時とハマらない時があるのかと。それも偶発性のモノで。

「あぁ、相手と噛み合うかどうかで」

──それは祖根選手の実力云々ではなく、彼の環境だと思うんです。早くから独立し、セコンドや練習相手は教え子や後輩が中心で。だから自分の感性で戦い、セコンドからのリードがないような。あの試合でも腹を効かしていたと思うんですけど……。

「持続性がなかった。あそこでセコンドからの指示がないから!! だから、俺は好きなんでしょうね。相手に合わせて戦う技術力があるから。あの技術力を得るためにどれだけの努力が必要なのか、僕は分かっているつもりだし。ただ勝負師かどうかで考えると、あの戦績を見ると首を傾げます。高島さんが指摘している部分も踏まえて(笑)。でも、そういう感じでアレだけ作れているのですね」

──打撃は志村道場のチャン・コーチのおかげなのでしょうか……それも本人に尋ねてみないと分からないですが。

「そういう環境だから今のようになったのかもしれないですね。良い環境に放り込んでいても、今のようになったかどうかは分からない。ただし、今以上に勝ち星のある選手にはなっていたかも……ですね。でも味がある選手です」

──その祖根選手に打撃で勝ち、青木アワード2度目の獲得となる岡田選手に関してはどのように評価していますか。

「岡田さんは手繰り寄せる力を感じました。決してデキが良かったとは思わない。論田愛空隆や藤井伸樹戦の方が良かった……強くなっていると感じました。今回は……どうしても最後がラッキーに見えてしまうんですよ」

──でも祖根選手を真っ直ぐ下がらせたことでの素晴らしいKO勝ちです。

「不思議な間でした。ピョーン・ピョーンと跳んで、祖根選手がハイ・ハイ・ハイと被弾して。そんなことはあり得ないんだけど、作っていたのっていうぐらいハマったフィニッシュで……僕は逆に、『なんだ……』となってしまったんです。でも、握っているように見えるぐらいにキレーで、強い勝ち方だったということですよね。

次は佐藤将光戦か、見てみたいですね。修斗はフライ級とバンタム級が元気です」

PR
PR

関連記事

Martial World

Movie

Gladiator

Gokikai Karate

ONEday