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【Lemino Shooto01】松根良太「国際戦を組むのは当然」&岡田遼「UFCファイターを育てていきたい」

【写真】上場企業の課長と部下といっても通じそうな松根氏と岡田遼(C)MMAPLANET

明日2日(火)、東京都文京区の後楽園ホールでLemino Shooto01が開催される。NTTドコモが冠スポンサーにつくことで大いに注目されるブランニュー修斗公式戦大会。同大会を松根良太氏ともに引っ張る岡田遼が、メインで弥益ドミネーター聡志と引退試合を戦う
text by Manabu Takashima

ここでは7月16日に行われたLemino Shooto旗上げ記者会見直後に松根氏、岡田に行ったインタビューを掲載したい。なぜ、修斗なのか。なぜLeminoなのか。そこにチームとして世界の頂点を目指すという根本が存在していた。


――Lemino修斗旗揚げ会見を終えたばかりの岡田選手と松根さんです。NTTドコモの協力がある。これはMMA界にとってビッグニュースかと思います。

岡田 平良達郎をNTTドコモがサポートしてくださっていて。その平良達郎がUFCのチャンピオンになるという夢を松根さん、NTTドコモさんと一緒に追いかけさせてもらっているなかでLeminoさんがコンテンツにMMAを加えたいという話が出てきて。そこで僕と松根さんにやってみてはという話があり、「ぜひ、お願いします」ということでこのようになりました。

松根 形式としてはTHE BLACK BELT JAPAN興行に、冠スポンサーとしてついていただく。そういう形ですね。

――その旗揚げ戦で、引退試合をするというのは?

岡田 引退試合は以前からしたいと考えていました。

――それはずっと言われていましたよね。それがこのタイミングになったのは?

岡田 8月2日にアミール・アルバジと平良達郎が戦い(※アルバジが負傷欠場し、代役パク・ヒョンソンにRNCで一本勝ち)、彼が勝つとパントージャ×ジョシュア・ヴァンの勝者に挑戦することになるかもしれない。そうなった時に、自分のなかでケジメもつけずに引退試合をしないまま、彼のサポートをし続けるのは失礼なことじゃないかと思いました。以前から達郎のタイトル挑戦が決まる前に、自分の現役ファイターの魂を成仏させたいと思っていました。

――引退試合というのは、ある意味プロモーションにとって目玉のコンテンツです。ずっと岡田選手の試合を組んできたサステインにとっても同じかと思います。それを旗揚げ戦のメインに自ら持ってくることは勇気のいる判断だったかと思います。

岡田 第1回大会だから。この大会で、引退試合をしたいと思いました。

松根 そこはもう本当に坂本(一弘サステイン代表)さんに感謝の気持ちでいっぱいです。そもそも25年以上に渡り、プロ修斗の興行を続けてくださって。自分もサステインの興行で世界チャンピオンになることができました。

それでも岡田も期するモノがあり、今言ったように第1回大会だからLemino修斗でケジメをつける。これが第2回大会とかだと、ここまでの想いは無かったかと思います。

――正直、修斗でない方が出場選手のライセンス問題、プロモーターのライセンス等に関しても簡単だったかと思います。そもそもTHE BLACK BELT JAPAN所属選手は様々なプロモーションの試合に出ているわけで、自主興行だとプロモーションの壁を超えた選手の出場ができたかもしれないです。

岡田 確かにそうなんですが、BLACK BELT JAPANの選手だけで大会を回していくわけではないですし。何より単純に僕も松根さんも修斗が好きなので。だからこそ、もっと修斗を盛り上げたいという気持ちがありました。

松根 僕としては修斗は歴史のある競技です。佐山聡先生が興した競技としての修斗が、NTTドコモがMMAという競技をサポートしてくださるにしても一番合っているのではないかと思っていました。

――それはクリーンさを求めてということでしょうか。

岡田 やはり喧嘩大会の香りから、最も遠いMMAだと思います。昨今、喧嘩の延長戦にあるようなモノが注目されているけど、NTTドコモさんは井上尚弥選手をずっとサポートされてきて、日々自己研鑽を行うアスリートが競い合うスポーツとしてのコンテンツを求めています。だから、修斗なんです。

――MMAをあるべきスポーツに戻したい?

松根 僕にはそういう気持ちはないです。というのも岡田の言った喧嘩の延長線上にあるものは、見てもいないので。別カテゴリーですしね。対して修斗はアマチュアもあり、キッズもあります。そういう柱があるのは大きいです。この修斗を(佐藤)ルミナさんが昔から言っていたように「一流のメジャースポーツにする」ということしか考えていないので。あっちをどうこうするとか、思ってもいないです。MMAをサッカーや野球、テニスのような競技にしたい――UFCの現場にいると、MMAという言葉を彼らは使わないですが……この競技を世界レベルにしていくという気持ちが伝わってきます。それを日本で、修斗としてやりたいという理想が自分にはあります。

岡田 だからこそサステインと並んで、後楽園ホールで興行が打てるプロモーションを起ち上げる。そして二枚看板で修斗を盛り上げることができるかと思います。

松根 継続的に大会を開き、集客力もしっかりとつけて「Lemino修斗に参戦したい」という選手を増やしていきたいです。そこから世界に旅立つ選手、第二の平良達郎ではないですけどUFCファイターをLemino修斗で育てていきたい。

――松根さんの世代だと、その意見は凄く分かります。岡田選手の世代も、絶対的に修斗だったのですか。

岡田 正直、NTTドコモさんからすると修斗でなくても良かったと思います。でも、修斗でない大会を開くという気持ちは一切なかったです。僕も松根さんも修斗で、大会を開きたかった。修斗を盛り上げることで、恩返しになると思っています。

――旗揚げ会見でカードが発表されている。つまりは、既に準備をしてきたわけで。Lemino修斗起ち上げへの反応はどのようなモノでしたか。

松根 「大変じゃない?」という声もありましたが、「やって欲しい」という反応が多かったです。「やるべきだ」と言ってくれる先輩もいました。

――修斗はプロモーターライセンスが必用です。

松根 ハイ。なので、僕が代表になり岡田には経験を積んでもらう。いずれは岡田もライセンスが発給されるように経験をしてもらいます。

――では、岡田選手。Lemino修斗の方向性を改めて教えていただけますか。

岡田 今日はまだ発表できなかったのですが、コメインで国際戦を組みます。日本人は山内渉選手です。対戦相手はまだしぼり切っていないですが、ブラジル勢やヨーロッパのMMA大会のチャンピオン、アゼルバイジャン人とも交渉をしています。

――おおっ!!

岡田 山内選手を指導する髙谷(裕之)さんから、強い外国人選手を当てて欲しいという要望もありました。

――もう一度、「おおっ」ですね(笑)。

松根 これは修斗だけでなく、コロナ以降の国内のMMA大会は国際戦が本当に少なくなりました。

岡田 NTTドコモさんの協力もあって、そういう本当に強い海外の選手と戦いたいと思っている日本人選手の希望が叶う興行は僕らのLemino修斗しかないと思っています。それを修斗の特色として、毎大会国際戦を俺は組んでいくつもりです。

――どれぐらいのペースで大会を開いていく予定でしょうか。

岡田 まずは2026年3月までに4大会です。

――つまり半年で4大会開催ということですね。

岡田 ハイ。第2回は10月19日に沖縄で行います。

――沖縄でも国際戦を組む予定ですか。

岡田 そのつもりです。

松根 そこも旗揚げ大会の直後ぐらいには、発表していければ良いですね。

――修斗の世界ランキングが、また以前のように国際色豊かになっていくことを期待したいです。

松根 そうですね。ブラジル、ヨーロッパと再び手を握って、外国人選手をブラジル修斗やヨーロッパの修斗から招聘できれば良いですね。今回の招聘も、実は香港修斗の繋がりで声を掛けさせてもらっています。そういう風に競技的な広がりを見せることができればと。

と同時に15年、20年前とは別にUFCがここまで発展して市場を広げているので、僕らも修斗を国際レベルで発展させていきたいという気持ちもあります。

――LFAやCage Warriorsのようなフィーダーショーがアジアに生まれれば最高です。しかも、世界にネットワークを持つという。

岡崎 第二の平良達郎を大会を通して輩出したいですしね。やはり日本でまずは国際戦を経験して、それから海外に挑戦というプラットフォームを創っていきたいです。

松根 世界で戦って行ける日本人選手を育てる。それには海外の選手と戦う経験は絶対です。そこが根源となると、国際戦を組んでいくのは当然の話になってきます。

――いやぁ、コロラドでの平良選手のファイトキャンプに帯同し、会見前に帰国。再び、コーナーマンとして渡米する。試合に向けて、体調を整えることはできるのでしょうか。

岡田 そこはセコンドでUFCに行って、気持ちを引き締めてきます。実際、一昨日まで平良のファイトキャンプで自分の練習もさせてもらっていたので。そこは人生最後だと思って、平良達郎にファイターとしてぶつからせてもらいました。

でも、もう……昔は俺の方が強かったのに(苦笑)。昔は平良達郎も可愛いモノだったのですが、もう……敵いません。

松根 スタミナでしょ、そこは?

岡田 動けていないですね。でも、まだ1カ月半はありますし、そこはちゃんと仕上げます。

――ところでフェザー級で弥益選手というのも意外でした。

岡田 弥益君とはいつか戦いということを思っていました。彼となら良い作品を見せることができるんじゃないかなと、ずっと思っていたんです。フェザー級で戦うのは、36歳になってもうバンタム級に落とすのは難しい。試合云々以前に、健康状態に問題が出てしまう。それこそ30歳を過ぎてから、体重を落とせても体は動けていない。ずっとそういう風に感じていたので、最後に動くのならフェザー級だと思いました。

それは弥益君、云々でなく。最後の試合はフェザー級で、動ける状態で戦いたかったです。ここで話させてもらった理念を持った大会ですし、松根さんとやってきてプロモーター目線もやはり入ってしまいます。

―大会を通して日本を強くする。そういう大志を抱くと、試合よりも気持ちが入りすぎないでしょうか。

岡田 そうならないように平良達郎とのファイトキャンプでは追い込んできました。何より僕と弥益君のメイン、コメインの山内君の国際戦を見てもらって「この大会に出たい」、「将来、UFCを目指す」、「LFAに出たい」、「平良達郎のようになりたい」といういう選手が集まってくれるような試合がしたい。心の底からそう思っています。


■視聴方法(予定)
9月2日(火)
午後5時45分~Lemino

■Lemino Shooto01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
岡田遼(日本)
弥益ドミネーター聡志(日本)

<フライ級/5分3R>
山内渉(日本)
デウジヴァン・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級/5分3R>
当真佳直(日本)
内藤頌貴(日本)

<フライ級/5分2R>
岡田嵐士(日本)
古賀優平(日本)

<バンタム級/5分2R>
下間英史(日本)
塚本竜馬(日本)

<2025年度バンタム級新人王決定T一回戦/5分2R>
翔べ!ゆうすけ!(日本)
辻純也(日本)

<49キロ契約/5分2R>
徳本望愛(日本)
安田”kong”詠美(日本)

<ジュニア修斗54キロ契約/4分1R>
長谷川凌生(日本)
窪田登馬(日本)

<ジュニア修斗54キロ契約/4分1R>
河上純登(日本)
中坊一(日本)

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