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【Lemino Shooto01】岡田遼と同期、内藤頌貴「修斗がつながっていく歯車の一つになりたいです」

【写真】なぜ、修斗には内藤のような修斗への本気の想いを持つ選手が目立っているのだろうか。インタビュー終盤の彼の言葉には心が打たれる想いがした(C)MMAPLANET

9月2日(火)、東京都文京区の後楽園ホールでいよいよLemino Shooto01が開催される。NTTドコモが配信される大会、そしてサステイン以外の修斗ライセンスを持つプロモーションによる後楽園ホール大会として、業界の注目を集める同大会で内藤頌貴が当真佳直と対戦する。
text by Manabu Takashima

The Black Belt Japanの同期、岡田遼が引退試合を行う大会で35歳になった内藤は、7歳年下の上位ランカー当真戦に向けて、どのような心境なのか。ストロー級転向と、これからについて内藤に尋ねた。


Lemino修斗という新しい風が修斗に力を加えてくれて、新しい展開を創ることができる

――Black Belt Japanの月曜お昼のプロ練習を拝見させていただいたのですが……いやぁ、若い選手の数が半端ないですね(笑)。

「僕は若手のつもりだったのが、いつの間にか最年長の部類に入っています(笑)。今日だと、僕と岡田(遼)が35歳で最年長ですね。でも、若い子がこれだけいると刺激を貰っています。

いや、年齢じゃないですね。怜を筆頭に強い人間がいっぱいいるので刺激になるし、勉強になることもたくさんあります。これだけの人数もいますしね」

――正直、知らないうちに来なくなった子たちもいるのでは?

「そういうこともあります。名前も覚えきれず『あの彼はどうなったの?』ということは、やはりあります」

――ところで、次戦が9月2日Lemino修斗になりました。NTTドコモがプロ修斗公式戦をバックアップ&配信する。プロデビューから12年が経とうという内藤選手としては、どういう想いになるのでしょうか。

「それは岡田の力でもありますけど、僕も修斗で育ってきたのでLemino修斗という新しい風が修斗に力を加えてくれて、新しい展開を創ることができるというのは凄く良いことだと思います。物凄くプラスになりますよね」

――後楽園ホールでサステイン以外が公式戦を行う。画期的かと。

「画期的ですね。もちろん、サステイン……坂本(一弘)代表が創ってきてくれた修斗ということもあるので。そこに+αで力を加えることができる。松根(良太)さんと岡田が、その力になれるというのは本当に画期的だと思います」

――Black Belt JPAN修斗という側面のあるLemino修斗旗揚げ戦で、自らが戦うことに関しては?

「素直に凄く嬉しいです。依存しているわけでなく、純粋に修斗が好きなので。しかも同期の岡田の引退試合が行われる大会で、僕の挑戦の一つができることが嬉しいです」

――岡田選手とは同い年というだけでなく、入会の時期も同じだったのですか。

「ハイ。僕は17歳の時で、彼は18歳になっていました。その岡田が現役に区切りをつける大会で、僕も戦うことにはやはり想うところはあります」

――勝って、岡田選手につなげようと。

「その気持ちはあっても、そのために自分が頑張るということではないです。やっぱり、格闘技は自分のためにやるものなので。だから、そこはあまり強調せずに――結果的に、そうなれば良いですよね」

――対戦相手の当真選手は、砂辺光久選手率いるクロスラインの所属。いわばBlack Belt JAPAN Okinawaの盟友といえるファイターです。

「そうですね。一緒に練習をしているでしょうし。ストロー級に転向した時点で、当真選手と戦うことは想定していました。僕にも目標があるので、その過程で対戦することになるのはしょうがない。松根さんが教えている子たちと戦うことも、ある。本当はやりたくないですけどね(笑)。

松根さんが、向うサイドにいるということは考えたくもないです。ただ当真選手は、沖縄勢といってもBlack Belt Japanではないので。そういう感情はなく、1人の対戦相手。強い相手という気持ちだけで戦います。ランク的には当真選手が上で、僕が挑む立場ですし。挑戦するっていう立場は、この年になってもワクワクしますね」

――ストロー級に階級を下げて、2連勝。リフレッシュできましたか。

「できましたね。階級変更は良いきっかけの一つというか。負けが込んでいるときは気持ち的に、『こうなったらどうしよう』とか『こうならないように』という風にしか考えられなくなっていて、自分の戦いができていなかったです。

だから階級転向は一つのきっかけとう部分でも、凄く良いタイミングですることができました。今は以前と違って、どの局面でも勝負できるよという気持ちができているので。この年齢の階級転向って、落とすことはまずないじゃないですか」

――ハイ。

「そういうケースの成功例、その一歩となりたいですね。ただ、昔から適正はストロー級じゃないのかということも考えてはいました。無理して体を大きくして、フライ級で戦っていたので。ストロー級だと減量はきつい、フライ級は楽。そんなことを10年も思ってきたんです。ただ勝ったり、負けたりでもフライ級で戦えていたしフィジカル負けを試合でしたことはなかった。

練習では扇久保(博正)さんとかに、凄くしていますけど(笑)。でも、試合で『こいつの体、強ぇえ』って驚いたことはなかったです。なので本当に、階級転向は現状を変えるきっかけの一つですね」

――減量は厳しくなりましたか。

「はい。なりました。でも、他の選手が普通に苦労していることをやるようになっただけで。動きも、体重を落とすと個体として弱くなるというケースもあるようですが、そこはなくて凄く動けています」

勝ったり負けたりを続け、ダサい姿を見せてきた人間がいても良いんじゃないかなって

――ストロー級3戦目、当真選手は前回の試合で山上幹臣選手にスプリット判定負けをしています。山上選手は当真戦の3週間後に田上こゆる選手に挑戦しますが、そこは意識しますか。

「正直、文句をいうわけじゃなくて。僕は山上とやりたかったです。前回、僕は泰斗選手に勝って。彼は当真選手に勝った。順番的に山上がタイトルマッチに進んでもしょうがないんだろうけど、僕は挑戦者決定戦で戦いたいと思っていました。

関わることはないと思っていたけど、ずっと見ていた選手なので。ストロー級に落としたのだから、戦いたいという想いはありました」

――その山上選手の復帰と、内藤選手の階級変更でストロー級が活性化しました。この間、頑張ってきた20代を30代半ばの2人が潰してしまって(笑)。

「アハハハハ。若者たちを、老害たちが追い落としたと(笑)。まぁ、格闘技です。年齢に関係なく。勝った選手が生き残る世界。でも今は9月21日のストロー級タイトルマッチの行方でなく、当真選手との試合に集中しています。勝てば、言いたいこともありますしね」

――今は口にできない目標に向けて、次の試合でどのような自分を見せたいでしょうか。

「Lemino修斗は若い選手を世界に送り出す架け橋という意味合いを持っています。それは僕とはかけ離れている。そこに僕は当てはまらない。でも勝ったり負けたりを続け、ダサい姿を見せてきた人間がいても良いんじゃないかなって。

それでも、『こいつ、強いな』、『格好良いじゃん』という風に思ってもらえる試合をしたいです。それこそキッズで頑張っている子たちが、僕の試合を見て何か感じてくれるなら最高です。それが今後の修斗につながっていくことなので。

それができれば幸せだなって、最近は思うようになりました。そのために修斗のストロー級を押し上げます。そういう存在感がしたい試合がしたいと思います。修斗がつながっていく歯車の一つになりたいです」

■視聴方法(予定)
9月2日(火) Lemino

■Lemino Shooto01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
岡田遼(日本)
弥益ドミネーター聡志(日本)

<フライ級/5分3R>
山内渉(日本)
デウジヴァン・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級/5分3R>
当真佳直(日本)
内藤頌貴(日本)

<フライ級/5分2R>
岡田嵐士(日本)
古賀優平(日本)

<バンタム級/5分2R>
下間英史(日本)
塚本竜馬(日本)

<2025年度バンタム級新人王決定T一回戦/5分2R>
翔べ!ゆうすけ!(日本)
辻純也(日本)

<49キロ契約/5分2R>
徳本望愛(日本)
安田”kong”詠美(日本)

<ジュニア修斗54キロ契約/4分1R>
長谷川凌生(日本)
窪田登馬(日本)

<ジュニア修斗54キロ契約/4分1R>
河上純登(日本)
中坊一(日本)

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