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【Grandslam05】凱旋、タイガー・ムエタイ所属の山田哲也<01>「ゼロからやり直そうという気持ちで」

tetsuya-yamada【写真】取材(※10月15日)の前日やタイから帰国した山田哲也(C)MMAPLANET

11月3日(木・祝)、東京都江東区ディファ有明で行われるGrandslam05でチェ・ヨンジュンとの対戦が決まったONEファイターの山田哲也。

現在はプーケットにあるタイガー・ムエタイの所属選手となった山田だが、なぜ彼は日本を出てタイに向かったのか。そこには今年1月に対戦したエドゥアルド・フォラヤン戦で受けた大きな心の傷が関係していた。

Grandslam出場までの10カ月、山田の身に何が起こり、どのような日々を過ごして今回、ケージで戦うことになったのか語ってもらった。


──約10カ月振りの実戦となりますが、今回はGrandslamで試合をすることになりました。

「実はフォラヤンと戦うまでONEと契約してから、1年以上試合が決まらないという時期がありました。その間も頭を悩ませていたのですが、Y&K MMAアカデミーの山城(裕之)代表を通じて、グランドスラムの相原代表に相談をさせていただいたことがあり、その時から『ONEの了承が取れれば、グランドスラムに出てください』と言ってもらっていたんです。その時から僕はグランドスラムに出ようと思っていました」

──今現在、ONEとの契約は?

「今も契約は残っているのですが、了解を得ることができたので9月にはグランドスラム出場を決めていました」

──今年の1月にフォラヤンに敗れ、4月にタイのプーケットにあるタイガー・ムエタイのトライアウトを受け、所属選手となりました。なぜ、タイガー・ムエタイだったのでしょうか。

yamada-vs-folayang「フォラヤンと戦った時に、自分の持っているモノが何一つ通用しませんでした。パンチがもの凄く強くて、あの試合後は精神的にも参ってしまっていたんです」

──というのは?

「帰国してから一般会員さんとのマススパーリングをやっていても、目を瞑ってしまうほど恐怖を植え付けられ、完全にトラウマになっていました」

──……。確かにあの試合では途中から、全く前に出ることができなくなっていました。

「そうですね……。このままなら負けるというのに、出ていけなかったです。特にフォラヤンの手数が多いとか、そういうことではなかったのに……一発目に目に受けたパンチが本当に凄まじくて……。稲妻のようでしたね(苦笑)。日本では一度も経験したことがないパンチでした」

──そして、普段の練習にも影響が出るほどになってしまったと。

「ハイ。格闘家として本当にまずいと思いました。で、とにかくネットで色んな情報を拾おうと、色々とMMAに関する動画をチェックしました。そして、リンクからリンクへって飛んでいっているときに、2014年とかのタイガー・ムエタイのトライアウトの動画に行き着いたんです。

精神と肉体を極限まで追い込んでいて、『ここの練習についてくることができるのか』っていうような感じで。このままのような状況だったら、もう格闘技は辞めた方が良いって考えもしましたが、本当に格闘技が大好きなので辞められないですし……。タイガー・ムエタイで生き残れるぐらいでないと続けられない。ゼロからやり直そうという気持ちになりました」

──しかし、トライアウトですから受かるとは限らないわけですよね。

「ハイ。自分の持っているモノを全てぶつけて、それでダメならもうしょうがないという覚悟でした。フォラヤンに負けて、帰国してから1週間ぐらいで動画を見つけ、トライアウトを受けようと決めました」

──それまでタイガー・ムエタイについて、何か知識はあったのですか?

「タイガー・ムエタイのことはティモフィ・ナシューヒンがフォラヤンに勝っている試合を見たぐらいしか知らなかったのです」

──ナシューヒン、あの対戦相手を殴り、蹴り倒しても一切、高揚した表情のない非常に怖いファイターですね……。

「彼は本当に危ないですね。失神しているフォラヤンに2発、サッカーボールキックを入れましたからね(苦笑)」

──そんな選手が所属しているなんて、タイガー・ムエタイは悪魔の巣窟じゃないですか(笑)。

「僕自身は滞在期間が合わなくて、一緒に練習したことはないのですが、凄く危ないファイターだと思います。そういう選手がいるところですし、とにかくトライアウトに挑戦しようと思い、調べていくと運よく4月にトライアウトがあるということが分かって、コンタクトを取りました」

<この項、続く>

■Grandslam05対戦カード

<フライ級/5分3R>
伊藤盛一郎(日本)
内藤頌貴(日本)

<70.3キロ契約/5分2R+EXR>
竹内幸司(日本)
鈴木淑徳(日本)

<ライト級/5分3R>
山田哲也(日本)
チョ・ヨンジュン(韓国)

<ライト級/5分3R>
星野大介(日本)
クイントン・アレンサ(南アフリカ)

<ライト級/5分2R+EXR>
上田厚志(日本)
高橋了介(日本)

<バンタム級/5分2R+EXR>
論田愛空隆(日本)
平田純一(日本)

<ミドル級/5分2R+EXR>
YOSUKE(日本)
降矢浩希(日本)

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