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【Pancrase】網膜剥離から5カ月、久米鷹介<01>「徳留選手が勝ったことで、焦りは生じています」

King KUME【写真】一時期、中京のアリスターという異名を持った久米。下の写真に倣って、アリスター張りの王様座りを披露 してくれたが……(C)MMAPLANET

失意のRoad FCライト級選手権試合3連敗を経て、4月にパンクラスで国内復帰戦を飾った久米鷹介。しかし、8月9日の石川英司戦が決まっていながら、網膜剥離であることが発覚し、長期欠場を余儀なくされた。

その久米が半年以上の沈黙を破り、網膜剥離が分かった経緯、現状、そして今度を語った。

【写真】こちらが本家本元のアリスター様の王様座り。組んだ足の左右でなく、根本的に何かが違う(C)MMAPLANET

【写真】こちらが本家本元のアリスター様の王様座り。組んだ足の左右でなく、根本的に何かが違う(C)MMAPLANET

──まず網膜剥離が発覚した時の状況を教えていただけますか。

「5月の終わりぐらいですね。石川選手との試合が決まった直後。最初に気付いたのは(日沖)発さんの豪州での試合でセコンドから帰って来て、1週間ぐらい経った時です。右目の視界の左側に線が入って見えたんです。ただ鼻がずれた時とかも、視界が遮られることがあるので、最初は鼻に問題があるのかと思っていました」

──いや、久米選手はサラッと話していますが、今更ながら格闘技の過酷さを知る思いです。普通は鼻はずれないですからね。

「ハハハ。それと同時に飛蚊症があって。でも、それも網膜剥離でなくても、試合でパンチを貰うと視界がぼやけていることがあるので。だから少し様子を見たら落ち着くだろうって思っていたのですが、1週間、2週間と経っても治らないし、何か眩しく感じたんです。

石川選手との試合も決まったから、早いうちに一度チェックしておこうと地元の病院に行ったら『もしかしたら、剥がれているかもしれない』からとその日のうちに大きな病院への紹介状を書いてもらいました」

──その結果が……。

「ハイ、剥がれていました」

──その時はどのような気持ちになりましたか。

「あぁ、なっちゃったか……と。とにかく治すことしか考えていなかったです。病院でも手術が必要と言われましたし。格闘技を続けるとか、引退とか、そういうことでなく手術して直そうと思っただけです。格闘技に関しては、手術が終わった時に考えようと。

その病院で手術の日程を決める前日に発さんと話しをして、『今は手術の方法も新しいモノができているから、ちゃんと調べて手術する病院を選んだ方が良い』ってアドバイスしてもらったんです。それから川尻(達也)選手のブログなんかも読ませてもらって。

その結果、横浜の病院で硝子体手術(※眼内は硝子体と呼ばれるゼリー状の物質で満たされており、網膜剥離や裂孔など疾患に関係している硝子体を切除する――参照・医療法人財団神戸海星病院、硝子体手術の説明)をしてもらうことにしたんです」

──それこそ、川尻選手が3度目に行った手術と同じですね、

「川尻さんは鈴木(陽一)社長が網膜剥離のことをSNSで発表した時にも、『なんでも聞いてほしい』って連絡をくれて。本当に嬉しかったです。手術が終わった時にはドクターから『ちゃんとくっついているから、格闘技もできるから』と言ってもらえて。

格闘技を続ける限り、また網膜剥離になる可能性は残っていますが、それは再発とかでなく、まだなったことがない選手が運悪くなってしまうのと同じという状態です」

──つまり、30歳を越えてこれまでと変わらない日常に戻るということですね。

「とにかく、目を直すことだけ考えていて、その後の現役生活とか考える余裕もなかったです。そして、回復に合わせて練習の負荷も増やしてきました。今は打撃の練習もしています」

──網膜剥離になったことで、普段の練習に対して意識の変化などありませんか。

「それはあります。打撃の練習では一般の会員さんとの軽いマスでも、ヘッドギアをして注意深くするようになりました。僕は元々片頭痛持ちだし、だから頭が痛いと思っていたのですが、網膜剥離でも頭が痛くなるようなことがあるそうで。ホント、いつなるか分からない。とにかく、変だと思ったら早く診てもらうことですね」

──この復帰に向けている間に北岡悟選手が徳留一樹選手に敗れるという試合がありました。

「もしかしたら……とは思っていました。ただ、僕としては……石川選手とやって勝って、国内でトップの北岡選手と戦うつもりでいたので目標はあくまでも北岡選手でした。そのために石川選手には絶対に負けることがでないと思っていましたし。石川選手に勝って、自分のレベルを一つ上げないといけないという感じでいました。そうですね、ベルトを獲るなら北岡選手からという気持ちでした。

今は徳留選手が北岡選手に勝ったことで、焦りは生じています。でも、あの試合を見ると、僕があのレベルに達していないことは明らかなので、自分を上げないといけないと強く感じています」

<この項、続く>

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