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【RFC24】キム・スーチョルと対戦、 中原太陽<02> 「大人になったら修学旅行に行けない」

Taiyo Nakahara【写真】超然とし、人を惹きつける中原太陽の言葉を初めて聞いたような気がする (C)MMAPLANET

今週末25日(土)に東京都江東区の有明コロシアムで開催されるRoad FC24でキム・スーチョルと戦う中原太陽インタビュー後編。

格闘技、海外遠征、そして試合に向かう姿勢から、中原の超然とした人となりが伝わってきた。

<中原太陽インタビューPart.01はコチラから>

――あまり相手がスーチョルだから、というこうは関係なさそうですね。

「はい。周りがスーチョルの真似をしてくれるし、あとはいかに自分が最高の状態に仕上げてリングに立てるかどうかですね」

――ではご自身の仕上がりはいかがでしょうか。

「……普通ですね、普通でしかないです(笑)。僕はいつもこんな感じで調子がいい、悪いってないんですよ」

――それが中原選手流なのでしょう(笑)。昨年末に実現しなかった日本での試合がここで実現する形になりましたが、日本のファンに試合を見せたいという気持ちはありましたか。

「あんまりそれはないですね。僕は海外で試合をする方が好きだし、今回たまたま日本になったというだけで」

――中原選手は2012年からアジアのプロモーションを中心に試合をしていますが、それは何か理由があるのですか。

「まず2010年に出場したSRCのトーナメントの決勝戦が行われないまま終わってしまって。あのトーナメントは約3年ぶりの試合で、格闘技界に自分の居場所があるのかどうかを確かめる。それともう一つ僕の中で大きな理由があって、それがトーナメントに出るきっかけだったんです。

でも最終的にあんな感じで終わっちゃって、何で言うんだろう…もうキャリアも長くなってきて『このまま辞めちゃおうかな』とも思ったんですよね。その時に自分はまだ海外の試合を経験したことがなかったから、一度海外で試合をやってみようと思って、2012年にLegend FCに出ました。そしたら後頭部殴打で反則負けになっちゃって…。

僕は負けたら辞める覚悟で戦ったのに、あんな試合じゃ辞められないなと思ったし、わざわざ応援に来てくれた人たちからも『これじゃ辞められないでしょ』も言われました。それでもう一度戦う決意をして、Legend FCのトーナメントに出て、1回戦でジョ・ナンジンに勝ったら、ここでもトーナメントが途中消滅しちゃうっていう(苦笑)。

そんな時にREBEL FCに声をかけてもらって、新しい刺激を求める意味でもアジアでやっていこうと思ったんです。それでいざやってみたら海外の試合が僕には向いていたって感じですね。だからこれからも僕は海外で戦うことを第一優先に考えたいと思います」

――海外の試合はどこが自分に合っていると思いますか。

「僕って良くも悪くもメンタルが雑なんですよ。何事にも動じないというか。海外で試合すると言っても修学旅行みたいな感じなんですよね(笑)。だから僕の海外での調整方法を見たら、みんなびっくりすると思いますよ」

――ちなみにどんな調整をするのでしょうか。

「調整…しないです(笑)。海外に到着したらイベントの公式行事をこなす以外は、部屋でゆっくりするか、みんなで観光しに行きます。一緒に行った方たちにも『本当に明日試合するの?』って言われますし(笑)。試合以外ではグローブすらつけない。持っていくものは私服の着替えと試合パンツだけ。練習道具なんて何も持っていかないです」

――着の身着のままで現地に着いて、パッと試合をして帰ってくる。そんなイメージですか。

「そうですね。出発直前までしっかり準備して、あとは水抜きだけにして日本を出発するんです。だから別に現地で動く必要はないというか。みんなと楽しそうに海外に行くのがいいんですよね。試合というよりも、そういうワクワクを感じたい、みたいな(笑)。他の選手からはすごく驚かれます。試合直前でも普通に観光地とか行きますからね(笑)」

――なるほど。でもそういったスタンスだから仮に試合間隔が空いても慌てることはない。

「そうですね。別に試合間隔が空いても、気にならないし。試合があるから練習するとか、ないから練習しないとか、そういうのが一切ないんですよ。試合があってもなくてもずっと同じペースで練習を続けているから、試合が決まったら『よし、やろう』みたいな。だから楽しいですよ、人生が(笑)」

――まさかの人生論が飛び出すとは(笑)。UFC出場を目指してアジアのプロモーションでキャリアを積む選手もいますが、中原選手はかなりベクトルが違うようですね。

「格闘技は大好きだし、僕の中でも大事なものです。でももっと大きいところで括ると…長い目で人生として考えた時、大人になってみんなで同じ時間を共有することってどんどん少なくなると思うんです。でも僕が試合をすれば仲間が応援に来てくれて、一緒に同じ時間を過ごすことが出来る。僕は好きなことをやっているだけなのに、みんな楽しそうにしていて。それを見ていると僕も楽しくなってくる。

これをあと何回経験できるんだろう?って思っていたら……そういう考えになりました。だって大人になったら修学旅行に行けないじゃないですか(笑)。だから先のことは考えないし、今目の前の試合を楽しむ。そして次またチャンスがあったら、次の試合に備える。そうやって人生を楽しんでいます」

――なるほど。それが中原選手らしさというか、他の選手からは聞くことが出来ない話を聞かせてもらいました。最後にスーチョルを相手にどんな試合をしたいと思いますか。

「僕は試合ありきでどうでもいい選手とやってもしょうがないと思っているし、どうせ試合をやるなら強い相手とやりたい。そうやって試合をやってきました。それで今回はスーチョルと戦うことになって、勝負したいですよね。試合じゃなくて勝負。僕の中でここが勝負だってところがあるんで、スーチョル相手にそれをやりたいです」

■ ROAD FC 24 対戦カード

<RFCミドル級王座決定戦/5分3R+Ex>
福田力(日本)
ジョン・オジン(韓国)

<無差別級/5分3R>
カルロス・トヨタ(日本)
チェ・ホンマン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
川口雄介(日本)
チェ・ムベ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
ミノワマン(日本)
キム・デソン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
中原太陽(日本)
キム・スーチョル(韓国)

<88キロ級契約/5分3R>
高瀬大樹(日本)
ユン・ドンシク(韓国)

<女子アトム級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
イ・イェジ(韓国)

<ライト級/5分2R>
大原樹里(日本)
イ・グァンヒ(韓国)

■ YOUNG GUNS 23 対戦カード

<フェザー級/5分2R>
今野寛和(日本)
ホン・ヨンギ(韓国)

<バンタム級/5分2R>
佐藤将光(日本)
キム・ミンウ(韓国)

<フェザー級/5分2R>
原井徹(日本)
キム・ホジュン(韓国)

<フライ級/5分2R>
南出剛(日本)
キム・ヒョリョン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
榎本明(日本)
ベク・スンミン(韓国)

<ミドル級/5分2R>
尾崎広樹(日本)
中村勇太(日本)

<フェザー級/5分2R>
鷹島大樹(日本)
杉山和史(日本)

<フェザー/5分2R>
小金翔(日本)
沢井隼人(日本)

<バンタム級/5分2R>
大場翔(日本)
金井卓也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
鈴木友希(日本)
田辺丈人(日本)

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