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【UFC173】水垣偉弥 「練習を選択する、それもセンス」

Takeya Mizugaki

【写真】デリケートな問題もしっかりと自分の考えを語ってくれた水垣偉弥(C)MMAPLANET

5月24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで開催されるUFC173で、フランシスコ・リベラと対戦する水垣偉弥。

本来は同大会のメインで世界バンタム級王者ヘナン・バラォンに挑戦することになったTJ・ディラショーと対戦予定だった彼が、この試合についてどのような想いでいるのか。そして、長年汗を流してきたグランドスラムでのプロ練習を離れ、新たな練習環境の下、大切な1年に臨む心意気を語ってくれた。

──目の前にある与えられた試合をこなし続け、ついにディラショーという対戦相手との試合が決まったと思ったら、フランシスコ・リベラと戦うこととなりました。負傷など関係なく、いわばUFCのイベント編成上、ディラショー戦がなくなったこと、どのように捉えていますか。

「ディラショーと戦えなくなったことは残念で仕方ないです。でも、それがプロなのかなって思います。もし、自分がディラショーよりもチャレンジャーに相応しければ、自分が選ばれていたでしょうし。その話が自分に来ていれば、間違いなくそっちを取っていました。だから、しょうがないかなって。

ただ、最初にディラショー戦がなくなったことを聞かされた時、金曜日(※2月28日)の朝の練習後だったのですが、夜の練習、土曜日の朝の練習はとことんテンションが上がらなかったです。でも、日曜日に1日休んで、リベラに対戦相手も決まりましたし、月曜日には持ち直せてきました」

──水垣選手の思い通りにならないという現実にも、慣れたということはありますか。

「そうですね。もう、自分が中心にいるわけではないので。UFCが日本の会社で、日本で大会を開いているのなら違ったのかも知れないですが。僕が初めて出場した大きな大会はWECで、出稼ぎじゃないですが向こうが中心、軸は向こうにあるところに出向くという道を選びました。本当に残念なことではありますが、そういう覚悟はできていました」

──リベラは決して簡単な相手ではないです。

「ハイ」

──それでもディラショーと戦うには分が悪い。このタイミングでなくて良かったという想いが、自分などにはありました。そしてリベラに勝って、タイトル戦に直接いけるような道ができればと。

「ディラショーに勝てばタイトル戦に一歩近づく。リベラに勝てば半歩近づく――そんな感じじゃないでしょうか。もちろんディラショーもリベラも厳しい相手ですが、最近の試合を見るとディラショーは強烈な相手と戦ってきました。アスンソンにはスプリットで判定負けになってしまいましたが、あまり負けている印象もなかったですし、本当にトップ選手です。

でも……自分の力を確かめたかったというのはありますよね。もう30歳になりましたし、そんなに長くないという風にもチョット思っているので。今、勝負したい気持ちはありました」

──ディラショー戦がなくなり、リベラ戦になった水垣選手ですが、2014年はキャリアを考えると本当に大切な年になると思われます。

「そうですね」

──その年の始めにBJと田中路教の両選手がグランドスラムを離れたことで、水垣選手も練習環境が変わりました。

「ハイ……」

──その事について、どのように捉えていますか。

「直接、自分が要因となっているわけではないところで練習環境が変わることになりました。それはある意味、『そろそろ練習環境を変える時期だよ』と言われているんだと捉えたんです。逆にポジティブに考えて、新しいところに練習に行かせてもらったり、もう少し詰めたいと思っていたレスリングの回数を増やしたりしています。これまでの練習だと、『ここまでだよ』といわれていると思い、練習環境を見直せました」

──単刀直入に伺います。彼ら2人がグランドスラムを離れ、シューティングジム横浜でプロ練習が始まり、水垣選手は横浜ジムの練習を選択した?

「そうですね、日にちはグランドスラムのプロ練習の日とはずれているのですが、横浜ジムで朝にやっています」

──それこそ水垣選手と同じように自分が要因でないところで、プロ練習が分裂したような形なので、グランドスラムの練習に参加している選手、両方に出ている選手もいます。もちろん、色々な人間関係もあるでしょうが、水垣選手がシューティングジム横浜のプロ練習を選んだのは、どのような理由からなのでしょうか。

「さっきも言ったのですが、全部を見直そうと思った時に、練習相手とか考えて……という部分が大きいですね。横浜もグランドスラムも全部出るとなると、プロ練習が4日間になります。1週間はそのメニューをこなせても、試合までの2カ月間となると、絶対に無理です。ケガをしてしまいます。そこで練習を選択する、それもMMAファイターとしてのセンスだと思います。

MMAはやることが多いじゃないですか。そこで何をやるのかも、選手のセンス。自分が強くなるためのことを考えて、選んだ結果です」

──同じ階級で勢いのある田中選手との練習が必要だということは?

「それはあります。自分の苦手なところを得意にしていますし。ノリにやられて強くなる部分もあります。あの時はまだUFCと契約していなかったですけど、同じ階級でUFCに行くだろうなという若いノリから――、彼は口にしはしないですけど、『お前、早くどけよ』というプレッシャーを感じています。僕は自分に甘い人間なので、そういうプレッシャーを感じている方が頑張れるんです。彼と練習することで『ヤバい、ヤバい』という状態になり、頑張らないといけないというモチベーションを保て、自分の為になります。

僕がプロとして変わることができたきっかけが、勝村さん、そしてBJさんとグランドスラムで朝に練習を始めたことなんです。2人の先輩の影響を受けて、変われました。そこからずっとやってきたので、本当に勝村さんとも一緒に練習して、ずっと見てもらいたかった部分もあるのですが、今回の状況になったときに、常に海外まで来てくれて自分の試合を間近で見ていたBJさんと行動を共にしようと思ったということもあります」

<この項続く>

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