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【Shooto2020#01】藤井伸樹に競り勝った田丸匠──摩訶不思議MMA。「逃げているといえば、逃げている」

Tamaru【写真】試合直後に反省点を踏まえて、田丸の戦い方を本人に解析してもらった(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

26日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたプロ修斗公式戦で、田丸匠が藤井伸樹をフルマークの判定で下した。

Takumi Tamaru一見、藤井のプレッシャーから逃れるために、回り、組み、あるには逃げるようにも見える動きを繰り返しながら、パンチを効かせ、テイクダウンも決めた勝利した。

試合後の控室で田丸をインタビューし、その摩訶不思議な田丸ワールドの真実に迫った。


──難敵である藤井選手に判定勝ちを収めることができました。

「今回は結構、勝てると思って臨んだので良かったなというのと、試合で出したい技術を試すことができたのが大きかったです」

──判定でも勝っているという風に判断して、戦っていたということですか。

「そう思っていました。そういう風に聞かれるということは、危ないように見えたということですか?」

──凄く奇妙な試合に見えました。前に出て圧しているのは藤井選手で、それを嫌がってかわして戦う田丸選手がダメージを与え、ポイントも抑えている。

「嫌がって仕掛けているように見えましたか?」

──ハイ、そういう風に見えました。

「う~ん、藤井選手の試合に見えたということですよね。魚井選手との試合もそうだったと思います。ルミナさんにも、試合後に打撃のときに軸が乱れていたと指摘されました」

──ああやって、相手の攻撃を被弾しないよう打撃を使っているのが逃げに見えたというのはありますよね。

「そうですね。軸も乱れていますし……体が重くて乱れている。右のタイミングは取れていて、当たってもいます。でも体が重い分ブレてしまう。フライ級の時からも、そういうことがあったので、まだ減量とリカバリーが上手くいっていないのだと思います。普段の練習では軸は乱れていないけど、試合中は流れる。試合後にチームでも話していました」

──それでも効かせているので、不思議な試合でした。ただし、ダメージやテイクダウンで互角の時、軸がある攻撃をしている選手の方が判定を持って行くかと思われます。

「そうですね。魚井戦でもミドル、ヒザ蹴りが当てっていて。身内は僕が得意な攻撃で狙っているの知っているから、良い攻撃だと言ってもらえるのですが、見ている人はそういう風には思われない。そういうことはありますね……」

Tamaru Headkicking──田丸選手の蹴りって、重心をあげてパシっと入れるのでテイクダウンのあるMMAではあまり見られない蹴りだというのもあるかもしれないです。

「でもオンラ・ンサンやチーム・ラカイの選手も、重心の高い蹴りを使いますよね」

──倒されてもあまり響かないONE裁定というのはあると思います。ただ、オンラの蹴りなど相当に威力がありますよね。

「僕の場合は……前にも何が強味は分からないと指摘されましたけど、ホントそうなんですよね」

──でも勝っていますからね。そこが田丸選手の面白いところです。天才というのは、努力、工夫の天才かと。

「そうですかねぇ……天才ではないと思っています。真似して、自分で練ってやってきても、実際に試合で使えるのかは、いつも不安なんです。そうやって道場でやってきたことを出稽古で試してきたのですが、今回はケガがあって出稽古ができなかった分、いつも以上に不安でした。不安でしたけど、勝てると思っていたんです」

──最後を取り切っているので、勝てる。

「そこはもう根性、気持ちしかないです」

──だから、面白いです。一見、打撃戦を逃げて、相手との距離を取りまくっているのに、実は心も折れていないし、最後も動ける。これは対戦相手も自分のペースだと見誤ってしまうのではないかと。

「ペース配分は自分でもしているつもりです。今日の試合も2Rにダウンを取ったけど、行かないという選択をしたんです。ダウンしても戻ってくる選手もいるし、藤井選手もそう。なら、仕留めに掛かって反撃を受けるのはよそうと」

──だから避けている、あるいは逃げているような攻撃が実は計算で、気持ちの表れではないということなのですね。

「気持ちが逃げて、ああいう風にしているわけではないです。もともとビビりで、パンチも貰いたくないし、痛いのは嫌だから、ああいう逃げ方をします。だから、逃げていると言われると逃げているんです。

taking downでも、自分のなかでは効率良く戦えているという判断でやっています。それにしても相手のパンチに対して、ヒザをそのまま落としてテイクダウンを狙うのは、本当に見た目が悪いですし今後は考えようと思います」

──工夫と努力の賜物の勝利で、2020年をスタート切ることができました。今年はどこを目指して戦っていこうと思いますか。

「う~ん、岡田(遼)……岡田選手、佐藤(将光)選手とは戦いたいです。チャンピオンとやりたいですし、戦績だけ見ると悪くはないんです(笑)。でも、試合内容ではやられているところもあるし、そこは引っかかっています。世界にはまだ届かんのやろうなと」

──おお、世界という言葉が自然と出ましたね。そこまで田丸選手が戻ってきたと理解させてもらいます。

「そうですね……。強いヤツとはやりたい。それがないと格闘技じゃないと思っています。強い選手が集まる場所に……修斗の選手をボコボコにしたら──行きたいです」

──それはもう、現実問題として佐藤選手がどれだけ修斗で戦えるのか分からないので、環太平洋王者の岡田遼選手をボコボコにするという風にしてしまっても良いですか。

「し、し、してください」

──アハハハ。

「でも、勝てると思っています。ボコボコではなく、パカパカぐらいで。本当に岡田選手に負けるとは思っていないです。多分、勝てると思います」

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