【ONE】1月度・大沢ケンジ勝手にランキング─03─発表、勝手にベストバウト&フィニッシュ、そしてMVP
【写真】2019年12月のONEはクアラルンプール大会のみではあったが、地元でアギラン・タニがMVPをベストファイトを獲得する活躍を見せた(C)
2020年1月1日付ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキング。
大沢ケンジの独断と偏見と、ONEを盛り上げたい気持ちから作成されているランキング──ONE観戦のおともに、勝手にファイト・オブ・ザ・マンス、勝手にパフォーマンス・オブ・ザ・マンス、勝手に月間MVPを。
<大沢ケンジ2020年1月度ONE勝手にランキングPart.02はコチラから>。
──まずはベストバウトからお願いします。
レスリングベースで、しっかりと相手を倒して勝つ。アマチュアで6勝1敗、プロで6連勝だった選手です。勝ち癖がついているというか、自分が負けると思っていない選手に対し、あれだけ気持ちを折る試合をアギランがやってのけた。それは凄いことです。
アギランもシーロも頑張った試合でした。スクランブルも多くて。シーロはカラキの代役でショートノーティス出場というのも影響したかもしれないですが、アギランが根性勝ちした。アギランって仕掛けるペースが早いんだと思います。だからシーロは休めない。落ち着く前に攻撃されていましたね」
──アギランも日本大会から1カ月半で、調整はデキる限りのことをやるということで、ベストではないと言っていました。
「素晴らしいです。凄く良い試合だった。会場の雰囲気も最高でしたね」
──日本はマレーシアより強い選手はたくさんいますし、レベルの高い試合も多い。でも、あの雰囲気で会場全体が日本人選手を応援するという光景はもう見られないですよね。
「そうですね。あの歓声はスタジオで実況していても伝わってきていました。いやぁ、良い試合でしたよ」
──では続いて、ベストフィニッシュは?
「グルダージャン・マンガットに極めたリース・マクラーレンのRNCです。
完璧でした。僕のONEの見方は、上を取ってすぐに殴らないと勿体ないというものなんです」
──ダメージ優先という裁定もありますし。
「ハイ。寝技で2分ぐらい抑え込んでいても、立たれるとほぼ攻勢点はないじゃないですか」
──ハイ。
「でもマクラーレンって、上を取っていても殴らないんですよね。
良いポジションを取るまで、中途半端な態勢で殴ることはない。解説をしていても『マクラーレン、ここで殴った方が良い。立たれるとゼロになっちゃいますよ』とか言っているんです。
でも、しっかりと抑えて、良いポジションを取り切ると殴る。そして背中を見せた相手を絞める。やっぱ、これですよね(笑)」
──どっちやねん、と(笑)。
「MMAって寝業師が抑えたいところを無理して殴ると、極められるチャンスを失くしちゃいます。でも、しっかりと抑えると、寝業師はそりゃ強いですよ。本来のMMAってソレだよなって思うんです。
だから上久保だってユニファイドルールなら強いと思います。マクラーレンもそうです。で、もう少しスタンドで強い相手と戦った時に、ONEの判定だったら勝てないぞとも思うんです。テイクダウンを取って、抑えて消耗してしまいますし。でも、じっくりとやれば寝業師は強いというマクレーランの試合でした」
──上久保選手はポジションを取り切るまでで打撃を使っていますよね。対して、マクラーレンは振り切っている感がありました。
「ただしダメージを与えるためのパウンドがあれば、見ている人ももっとエキサイトできるし、ONEならそっちの方が良いと思います。まぁ、判定基準で選手も勝ち負けも変わってくるということですね」
──なるほど、です。ではMVPは?
最初は楽な相手と戦っていて、勝つことによって育ちましたね。プロテクトというか、マレーシアというMMAでは後進国の選手だし、相応の相手と戦って結果を残してきた。でも、まだまだだなと思っていたんです。そうですね……岡見と戦った時には成長したとは感じていたのですが、でももうチョイだと。
それがシーロというしんどい相手に対して、あんなに行くし、あんなに頑張れる。あれだけ頑張れると、勝てます。シーロは他の選手と戦っていたら、ランキング入りしているだけの強さを持っていますよ。
アギランは藤井伸樹じゃないですけど、勝率が上がるなっていう戦い方をしますね。本当に強くなった。上手く育ちましたよね。でも、まだ24歳ですよ。2年前と比較して凄く伸びました。すっごく。秋山さんや岡見と戦ったことが、良い経験になったのでしょうね」
──岡見選手との試合で、3Rにバックを取って大健闘でしたが、本人は負けたので納得いっていないんですよね。
「本当に気持ちも良い選手ですね。これからも、アギラン・タニ──要注目です」